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2012年12月 3日 (月)

見直すべき日本人の清潔好き

 北海道新聞では月曜日にエッセイストの飛鳥圭介氏による「おじさん図鑑」というコラムが掲載される。これがなかなか面白い。もちろん「おじさん」の視点、感覚で書かれているのだが、「おばさん」である私が読んでも思わず頷いてしまうことがしばしばある。

 で、先週の月曜日(11月26日)は、「お風呂」というタイトルだった。半世紀ほど前はお風呂がない家が多かったこともあり毎日お風呂に入る習慣はなかったのに、今はほとんどの人が毎日入浴をする。原発依存の根っこに「清潔生活」への執着があるのなら、入浴回数を減らすべきではないか・・・という主旨のエッセイだ。

 これは私も常日頃から思っていたことだ。私の家も小学校4年生まではアパート住まいでお風呂がなかった。だから家族で銭湯に通っていた。あの頃は銭湯に行っている人が大多数だったと思う。家族全員で銭湯に行ったらかなりの金額になるから、夏であろうが冬であろうが数日に一回しか行かない。それが当たり前だった。

 あれから50年近く経った今、何時の間にか大半の日本人は毎日入浴することが当たり前になっている。日本人は清潔好きだというが、私には「異常なまでの清潔好き」と思えてならない。真夏はともかく、汗をかかない季節に毎日お風呂に入る必要がどれほどあるのだろう? 昔は真夏でさえ毎日お風呂には入らなかった。お風呂に入らない日は濡れタオルで体を拭くなどして対処した。ところが、昨今では夏は一日2回シャワーを浴びる人がいるというのだから呆れる。その潔癖症が水やエネルギーの大量消費にもつながっていることを考えるべきだろう。

 日本は治水、利水、発電・・・といってはダムを造り続けてきた。だからふんだんに水を使っても滅多なことで水不足にはならない。人口密集地の大都会でさえ毎日入浴できるのも、そうしたダム開発の恩恵がある。しかし、見方によってはダム利権に関わる人たちがふんだんに水を使う清潔生活を密かに推し進めてきたのではなかろうか?

 つまり原発と同じ構図だ。福島の原発事故で、原発が停止していても電気は賄えることが露呈してしまった。日本は「電気余り」の状態だったのだ。それなのに原発を増やしたい原子力ムラの人たちは、そのことを隠してさらなる原発の建設を進めていた。オール電化住宅というのも、原発によって余剰に生み出される夜間電力を使わせるためのものでしかない。そうした事情を知らせずに、安全をアピールしてオール電化を進めてきたのである。

 ダム利権に群がる河川ムラの連中が「清潔」をことさらにアピールし、毎日の入浴やこまめな洗濯を良いいことのように宣伝することで密かに水の大量消費を煽っていたという憶測が当たっているなら、一部の利権がらみの人たちに騙されて、異常とすら思える潔癖症が日本人に定着してしまったことになる。なんでも「皆と同じ」にしたがる日本人だから、「毎日入浴して着替えるのが常識」ということをテレビなどでアピールすれば簡単に清潔人間をつくりだせるだろう。逆に、「毎日入浴しないと不潔」というイメージさえもつくりだせる。十分にあり得ることのように思えてきた。

 もし、入浴を2日か3日に一度にしたら、水も湯を沸かすエネルギーも半分くらいになる。これを皆が実行したら、かなりの節水、節エネルギーになる。得体の知れない添加物がたくさん入った合成洗剤のシャンプーで毎日頭を洗うということも健康にいいわけがないし、洗剤の大量消費は水質汚染にもつながる。清潔にこだわっている人は、誰かに騙されていないか、よーく考えたほうがいいと思う。

 これから日本は人口減少に向かう。水の消費量は当然減っていく。利水のためのダムはこれ以上必要ないだろう。ところが止まっていたダム建設がまた動きはじめている。八ッ場ダム、平取ダム、サンルダム・・・。こうした自然破壊の公共事業にノーを突きつけるためにも、私たちは節水に励み、過剰な清潔生活を見直す必要があると思う。

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