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2012年8月12日 (日)

置戸町オンネアンズのナキウサギ

 昨日、地形の研究者らに同行して置戸町のオンネアンズに行った。ここは1928年にナキウサギがはじめて確認された場所だ。山火事のあとに植林したカラマツが食害にあい、罠で捕獲を試みたところナキウサギが捕獲されたのである。「はじめて確認された」というのは「北海道でのナキウサギの生息が捕獲によって学術的に明らかにされた」という意味だ。もちろんアイヌの人たちはナキウサギの存在を知っていたのだろうし、入植者もナキウサギのことを「ゴンボネズミ」と呼んでいて存在を知っていた。

 ナキウサギの生息地といえば、大雪山の高山帯のガレ場を連想する人が多いかもしれないが、低山の森林帯にある岩塊地にも生息している。オンネアンズもそのような生息地のひとつだ。そして、このような低山に点在する生息地こそ道路建設や伐採などによって破壊される危険性が高いのである。

 オンネアンズ川流域は網の目のように林道が張り巡らされているのだが、この日は2カ所の生息地を確認することができた。一カ所は林道の奥にある岩塊堆積地で、規模は大きくはない。ここではナキウサギが噛み切ったベニバナヤマシャクヤクがあった。

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 もう一カ所は、「ナキウサギがはじめて捕獲された場所」と思われるところだ。林道からは岩塊地は見えないが、林内に入ると岩塊のある斜面が点在している。ただし、広大な露岩帯が広がっているわけではなく、航空写真などでは分からない。地形の研究者によると地滑り地形とのことだ。

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 岩塊の中に貯食が見られたほか、噛み切った植物もあった。また鳴き声も2回聞かれた。ここでは今でもナキウサギが生き続けているのである。

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 尾根の上部は平坦地となっており、おそらくここに植えられたカラマツの苗が食べられたのだろう。

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 ここには冷気が吹き出す風穴も見られた。岩の隙間に温度計を差し込むと6度前後まで温度が下がった。

 

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 じっくりと探せば、この一帯にはほかにも生息地があるのだろう。置戸町には中山風穴(春日風穴)もあり、ナキウサギ生息地が点々とある。ナキウサギ生息地に大規模林道も予定されていたが中止になった。これ以上、ナキウサギ生息地を壊すことのないように願いたい。

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