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2012年7月 8日 (日)

開発局とべったりの辻井達一氏

 昨日、北海道環境財団理事長の辻井達一氏がラムサール賞を受賞したという報道があった。釧路湿原の自然再生などに貢献したというのが受賞理由らしい。

 辻井氏といえば、北海道各地の自然関係の検討会、審議会、委員会などに選任され、座長や委員長を務めている。インターネットの検索サイトで「辻井達一 委員」などと検索してみれば、どれほど多くの行政主催の委員会に出ているかが分かる。この人はひっきりなしに、あちこちの会議に出て「先生」「先生」と持ちあげられているのだろう。

 辻井達一氏は環境財団の理事長であり、北海道新聞野生生物基金にも評議員として関わっている。さも環境保全に貢献しているかのように見えるが、一方で開発局などの委員も頻繁にやっており、自然保護団体が反対している無駄な自然破壊公共事業のゴーサインに加担している。

 はっきり言っておこう。北海道で自然保護に関わっている人なら誰もが知る典型的な御用学者だ。環境省から開発局に至るまで、これだけ多数の委員会に引っ張り出されるというのは、行政にとってよほど有難い存在なのだろう。新聞記事では年齢が81歳になっていたが、いつまでこんなことを続けるつもりなのか。

 以下は参議院での紙智子さんの質問だが、ここで辻井氏について具体例をあげて厳しく追及している。辻井氏がどれほど多くの委員を歴任し、多方面で「専門家」として重用されているのかがよく分かる。いったい辻井氏の専門は何なのだろう。

サンルダム建設に係る各種専門家に関する第三回質問主意書(参議院)

 この質問の中から、辻井氏について指摘している部分を以下に引用しておこう。

(一) 辻井達一座長は開発局の流域委員会関連では、石狩川、沙流川、釧路川(副委員長)、後志利別川流域懇談会及び整備計画検討委員会を歴任・兼任している。開発局の委員選定理由は、石狩川については「生物、環境について学識経験」、沙流川については「動植物全般の専門家」、後志利別川については「河川に関し学識経験」、釧路川については「植物生態学の専門知識」と幅広い。
 河川関係では他に、「石狩川下流河岸の自然環境の多様性回復について植物の専門家」であるとの理由から石狩川下流河岸検討会委員を、「湿地に関する専門知識」を理由として釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会委員長も務めた。
 分野は河川にとどまらず、道路関係で「各分野の専門知識」を理由に委員長を務めたのは、豊富バイパス道路環境計画第二次検討委員会、高規格道路旭川・紋別自動車道(遠軽町丸瀬布~遠軽町豊里間)事業に係る環境技術検討委員会、高規格道路旭川・紋別自動車道(丸瀬布~遠軽間)環境影響評価技術検討委員会、一般国道三九号北見バイパス(北見市~端野町)事業に係る環境影響評価技術検討委員会、地域高規格道路旭川十勝道路(中富良野~富良野市間)事業に係る環境影響評価技術検討委員会、高規格幹線道路(共和~余市間)環境影響評価技術検討委員会がある。
 他に、北見道路整備における環境保全対策を考える懇談会、高規格幹線道路日高自動車道(厚賀~静内間)道路事業に係る環境影響評価技術検討委員会に選任されている。
 開発局本局の環境に係る情報協議会では「環境に関する有識者」として選任されている。
(1) 一人の人物がこれほど多岐にわたるテーマの委員を務めているのは右記閣議決定の趣旨に反するのではないか。反しないという場合はその根拠を示されたい。
(2) 一人の人物がこれほど多岐にわたるテーマの委員を兼任して、適切な高水準の専門的知見を得られると考えているのか。
(3) 辻井座長の専門領域は何なのか。また開発局がそれぞれ選任理由にあげた各分野についての辻井座長の顕著な業績を論文・著作名で具体的に示されたい。
(4) 多数の審議会等委員を兼任し、国土交通省と縁深い人物が開発局が主催する委員会等の委員として適切な判断ができるとする根拠を示されたい。
(5) 開発局は、各分野の第一人者ではなく事業推進に理解があることを理由として委員を多くの審議会等で兼務させているのではないか。

 ラムサール賞に辻井氏を推薦したのは彼を持ちあげたい立場の者に違いない。彼は環境省ラムサール条約湿地候補地検討会の座長だ。このことからも誰が辻井氏を推薦したのか推測がつくというものだ。こういう人物がこのような形で持ちあげられ、マスコミが手放しで賞賛することも嘆かわしい。

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コメント

かねてよりこの御用学者のことを忌々しく思っていたが、紙議員の質問主意書をみて、その無節操振りにあきれ果てた。この後期高齢者にラムサール賞を与えたというのだが、引退勧告のようにも思える。この後期高齢者は、「モーリー」という雑誌の編集委員長をしており、自らも「もし、大雪山に氷河が懸かったら」という一文を執筆している。「『氷塊』ではあるしするのだから」とか「そこでは低い高山植物群落が見られる」とか書いているのだが、もはやそのおかしさも分からないようだ。これまで持ち上げて利用してきた側も衰えに気付いて引退の花道を飾らせようと受賞させたのではないだろうか。ただし後期高齢者がこのことに気付くかは疑問だが。

イカリソウ様

辻井達一氏は、北海道で自然保護運動に関わっている人なら誰もが知る御用学者ですが、一般の人はそのような認識をしていない人が多いかもしれません。「モーリー」の編集委員長をやったり、フラワーソンに関わったりしていますから。

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