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2012年6月12日 (火)

被ばくについて信用できる情報を見分けるために

 インターネット上では福島の原発事故による被ばくについて「健康被害の心配はない」という人がいる一方で、「突然死などすでに様々な被害が出ている」という人までいる。天と地ほどの違いがある見解が飛び交っている。

 「健康被害の心配はない」という例は以下の毎日新聞の記事などがある。

記者の目:内部被ばく量のデータ=斗ケ沢秀俊 

 この記事で紹介している郡山の佐藤順一氏について調べてみると、どうやら毎時0.8マイクロシーベルトもある郡山も全然危険ではないなどと言っている。

放射能について学ぼう(福島の放射能問題と除染)

 上記サイトに書かれている佐藤氏の説明は、いわゆる安心情報を振りまいている御用学者となんら変わらない。しかもこの方は被ばくの専門家ではない。こんな無責任なことをよく断定的に言えるものだ。こういう話をする人は原発を推進してきた人にもてはやされるわけで、何らかのメリットのためにやっているとしか思えない。それを垂れ流しにする毎日新聞はいったいどういうつもりなのか。

 また、毎日新聞の記事では「コープふくしま」による食事検査のことを取り上げ「福島県民の平均被ばく量は子ども時代の私よりも少ないのだ。このレベルの被ばくで健康影響があるとしたら、日本ではがん死が増えているはずだが、年齢調整死亡率は増えていない。」としている。しかしこれを鵜呑みにしていいのだろうか? 以下の記事と読み比べるとそのおかしさがよく分かる。

事故前の190倍!~福島の食事1人1日4ベクレル(原発危機を考える)

 ここでは朝日新聞の記事をもとにその欺瞞性を検証しているのだが、朝日新聞も毎日新聞も基本的には同じ論調のようだ。大気圏内核実験のピーク時の食事に含まれていたセシウム量の中央値は2ベクレルであり(新聞記事の4ベクレルは最高値)、福島の原発事故後は中央値が過去の最高値と同程度というのが実態だ。事故前と比べたら191倍にもなるという。これまで日本人が経験したことのない被ばくをしているのに、健康被害がないなどと言うほうがおかしい。新聞記事は御用学者のまやかしの主張をそのまま取り入れているのである。科学リテラシーのある人なら、二つの記事を読み比べてどちらの主張がまっとうかの区別はつくだろう。

 南相馬在住の「ぬまゆ」さんのように、原発事故のあとで原因不明の深刻な体調不良を訴えている人もいる。ジャーナリストの岩上安身さんも体調不良を訴えていた。また、仙台在住で原発情報を発信しつづけている大沼安史さんも酷い鼻血が続いていたそうだ。これらの不調が被ばくに起因するものではないというのなら何だというのだろう? 被ばくの可能性があるという現実を受け止める必要がある。

〔仙台 花爺log〕「血祭り」継続(机の上の空 大沼安史の個人新聞)

 このような実態から考えたなら、まともな人であれば健康被害は生じないなどということを軽はずみに言うことなどとてもできないだろう。

 誰の意見が信用できるかの判断は、まず原子力ムラと関わりのない専門家であるかどうか、そして専門家であっても低線量被曝の実態を自分の目で見てきた人かどうかがポイントになると思う。専門家という肩書だけでは信用できない。そして佐藤順一氏のように御用学者と同じ主張をしている人も当然のことながら信用すべきではない。

 また、「健康被害の心配はない」などと断言している人も信用できない。危険性を警告している人はそう安易に断定的な発言はしない。チェルノブイリの原発事故では突然死もあったし、何年も経ってから次々と健康被害が出たのである。事故後一年ほどしか経っていない今の時点で、なぜ健康被害が出ないと言い切ることができるのか。これほど無責任な発言もない。わからないことを断言する人は信じてはいけない。

 そもそも日本人は被ばくについての危機感がなさすぎる。これは日本の検査漬けの医療の問題でもあるのだが、医療機関はとにかく検査漬けにすることでお金を儲けようとするのだ。検査でこれほど患者を平気で被ばくさせる国は日本くらいではなかろうか。以下の記事をぜひお読みいただきたい。幼児期のCTスキャンによる検査でも発がんのリスクが有意に増加するというのだから、被ばくはできる限り避けなければならない。

英医学誌『ランセット』論文;50ミリシーベルト程度の被ばくで小児の脳腫瘍や白血病が有意に増える(松崎道幸医師コメント) (Peace Philosophy Centre)

 以下の山田真医師の講演でも、日本人が放射能に無警戒であることを指摘している。

第8回定期総会講演「福島を切り捨ててはならない」山田真(小児科医) (救援連絡センター)

 山田医師は「今、低線量被曝について語ることができるのは、肥田舜太郎さん、矢ヶ崎克馬さんといったお医者さんたちだが、この人たちは被曝者の訴訟に関わってきた人。そういう人たちしか低線量被曝した人たちに寄り添ってこなかった。ほかの人たちは、多くの専門家たちは低線量被曝、内部被曝はない、ということにしてきた」と語っている。

 低線量被ばくの被害者を実際に見てきた肥田舜太郎さん、矢ヶ崎克馬さん、あるいはベラルーシでセシウムによる人体への影響について研究したバンダジェフスキー氏の見解こそ耳を傾けるべきだろう。

 矢ヶ崎克馬さんの話しにしても、山田医師の講演にしても、バンダジェフスキー氏の研究にしても、実際に被害者に接している人の説明は具体的で説得力があり重みがある。それに比べ、御用学者や御用学者の受け売りをしている人の説明は薄っぺらで欺瞞に満ちており、実体験から会得したものではないことは明瞭だ。

 原発には反対だといいながら、被ばくに関してはICRPや御用学者の主張を支持し安心情報をばら撒いている人がいる。こういう人たちに騙されてはいけない。

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