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2012年3月 8日 (木)

がれき拡散の根底にあるもの

 昨日の北海道新聞朝刊一面に、北海道新聞社による原発関連の全道世論調査の結果が報じられていた。結果だけを取り上げると以下。

泊原発の停止と電気料金値上げについて
・値上げを受け入れてでも、原発は不安なので止めておく 64%
・経済の冷え込みにつながるので、値上げをせず再稼働させる 30%
・分からない・無回答 6%

被災地のがれき受け入れについて
・放射性物質のレベルが国の基準以下なら受け入れても良い 84%
・放射性物質のレベルが国の基準以下でも受け入れるべきではない 14%
・分からない・無回答 1%

 世論調査というのは設問の仕方によって答えをある程度誘導することも可能だから、これが正確に道民の意見を反映しているかどうかは分からない。しかし、この結果を見ると、やはり国民への情報が不足しているとしか思えない。

 はじめの泊原発の停止に関して言うならば、過半数の道民が原発に危険性を感じているということだ。福島の事故を踏まえたなら当然の結果だろう。というより、30%もの人がいいまだに再稼働を容認していることに驚きすら感じる。

 3.11以降、日本で地震が活発化していることは明らかだし、泊原発の近くにも断層があることがわかっている。廃炉裁判も起こされている。泊原発で苛酷事故が起こらないなどとは決して言えない。北海道では目立った節電の実施もない。今のところ、福島の事故による土壌汚染もそれほど深刻ではない。世界規模で深刻な汚染を引き起こす原発事故への危惧より、経済を優先させたい人がこれほどいるとは溜め息が出てくる。

 がれきの受け入れについてはさらに驚いた。放射性物質という毒物を拡散させることに無頓着な人があまりに多い。既存のゴミ焼却施設では放射性物質を含んだゴミを燃やすような仕様になっていないことを理解していないのだろうか? あるいは、放射性物質が濃縮された焼却灰を埋め立てたなら、土壌や地下水などの汚染につながる可能性があることを分かっているのだろうか? がれきの広域処理にがれき利権があることを知っているのだろうか?

 テレビや新聞でしか情報を得ていない人たちは、「復興のさまたげになっている」というがれき処理の大義名分に騙されてはいまいか。(これについては「震災瓦礫は復興を妨げているのか?」)を参照していただきたい)

 今日の北海道新聞朝刊一面では、札幌市長の上田文雄氏が「(放射性物質が)国の基準を下回っていても受け入れるつもりはない」と表明したことが取り上げられていた。上田市長は「放射性物質の恐ろしさを十分理解した上での判断なのか」「放射性物質は微量でも有害で極めて長寿命。十分な知識を持ち、風評被害のことも考えた上で判断してほしい」と話したそうだ。

 上田市長の言うように、放射性物質の恐ろしさを多くの道民が理解していないと思うのだが、それは道新も含むマスコミの報道にも大きな責任がある。新聞などでは、がれきの危険性についての指摘があまりに少ないのだ。だいたい、毒物を拡散させていいわけがない。どうしてそのような単純なことを理解できない道民が多いのだろう。やはり「復興」という言葉に半ば騙されているのではなかろうか。

 以下の記事ではがれき拡散について「また瓦礫を全国にばら撒く理由は、住民の帰還を強行するためでもあり、さらに踏み絵のように実施することで、翼賛的な絆をつくることに貢献するからである。」と書いているが、見方によってはそうかもしれない。がれき拡散の根底にあるものを見極めなければならない。

(78)脱原発を求めて。(8)想定外などないお上の掟(ドイツから学ぼう)

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コメント

松田さん

本当にそうですね。政府やマスコミはこの1年、何を学んできたのでしょうか。
放射能とはどういうものか、事故以来、日本人は学んだはずです。
放射線被曝の危険性に閾値は無い。低線量被爆は晩発性疾患を招く。なんども繰り返されたはずです。今はなんともないように見えても、未来に想像力を働かさなければダメなんです。
放射線は総量で考える、これもそうです。1回のレントゲン被曝と比較した番組が後から批判されたのをもう忘れたのでしょうか。 
私の実家はあの島田市の隣町であり、私自身、高校時代を過ごした場所でもあります。先月、がれき反対の集会にも行ってきました。

http://www.youtube.com/watch?v=PnOGgaG30yE&feature=related

島田市長は年間6千トンの瓦礫を受入れたいと言っていますが、たとえ基準値以下、100Bq/kgの瓦礫であっても、6千トン受入れれば、それは6億ベクレルの放射能を1年で持ち込むことになります。2年なら12億ベクレルです。それを普通のゴミと燃やすんですね。信じがたいことです。

チェルノブイリの歴史を見れば周辺の子供にがんや白血病が増えることになるでしょう。
政府とマスコミの考えた?「絆」という合言葉は瓦礫広域処理押し付けのために考案されたように思えてなりません。

来日しているバンダジェフスキー博士も瓦礫の拡散には反対とのこと。日本の常識は世界の非常識ですね。

阪神大震災のときも大量のがれきが発生したのに、拡散処理などせずに済みました。仙台では地元処理をしています。やろうと思えばできるはずです。

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