福島第一原発4号機の危険性を認識すべき
お正月早々、鳥島付近で大きな地震があり、ツイッターではその直後から放射線量が高くなったとの情報が飛び交っていた。私は何とも分からなかったので静観していたのだが、福島第一原発の4号機で問題が生じたようだと認識したのは「ぬまゆ」さんの1月8日のブログ記事だった。
「ぬまゆ」さんは作業員から生の情報を聞いたようだ。それによると「1月1日のあの地震で4号機の冷却プールの配管が壊れ空焚き状態になった」という。「ぬまゆ」さんが嘘を書いているとは思えない。
そして「カレイドスコープ」も1月8日に4号機について記事を書いている。
この記事にあるように1月2日から3日にかけて、今までの10倍ほどの放射性セシウムが検出されていたのだから、ツイッターでの情報は本当のことだった。
「ぬまゆ」さんのブログに書かれている作業員の証言と併せて考えると、1月1日の地震で4号機の燃料プールの配管から水漏れが起き、その修復作業をしている間に燃料プールの水がどんどん減っていき燃料棒が一時的に露出した、と考えると辻褄が合う。
この時のことについて、原発作業員のTSさんはツイッターで以下のように呟いている。
http://twitter.com/#!/sunnysunnynismo/status/155254811657375744
私の公式見解『4号機崩壊は取り急ぎ無い。燃料プールの件も想定内で対処済み。心配無い。ただし、なんだか線量があがっているという話でいまいちよく分からんのでマスクを着用したり子供の外遊びを控えたり、こまめに線量測定をしたりするのは否定しない。心配はしなくていいが、安心はしない事。』
TSさんは守秘義務があってこの程度のことしか書けないのだろう。このツイートからくみ取れるのは、「4号機は崩壊していないが、燃料プールでは問題が生じ、それは対処した。しかし住民は安心せずに警戒せよ」ということだ。
そして「ぬまゆ」さんの1月9日のブログ記事を読んでドッキリした。
この記事のなかほどに「4号機建屋の使用済み燃料プール下のコンクリートが剥がれて、下にドス-ン、ドスーンと落ちている、という東電関係者の話を聞いたという人からの情報も来ている。あと一ヶ月もつかどうか、という。」という記述がある。
これについては「ぬまゆ」さんもまた聞きであり「確認が取れていない情報」としているので断言はできないのだが、1日の地震で4号機がかなりのダメージを受けた可能性がある。4号機に関してはガンダーセン氏もかなり前から警告を発していた。どうやらほんとうに深刻な状況のように思える。燃料プールの冷却ができなくなって燃料棒の露が続いたり4号機が倒壊したならば、今度こそとんでもない大惨事になる。
さらに問題なのは、東電が今回のトラブルを一切発表しないということだ。今回は対処によってなんとか大惨事になることは免れたようだが、次に大きな地震がきたときは本当にどうなるか分からない。福一はまだまだ崖っぷちに立っている状態なのだ。それなのに収束宣言をする政府には呆れて物が言えない。
これではっきりしたのは、もし4号機が倒壊するようなことがあったとき、東電も政府も速やかに事実を公表して住民に避難を呼びかける可能性はそれほど高くないということだ。大きな地震があったら自分で情報収集し、スイス気象局が提供しているサイトで風向きを確認し、建物に閉じこもるとか避難するなどの判断を自分でしなければならないだろう。
「ぬまゆ」さんのブログには嫌がらせコメントが相次いでいるという。東北や首都圏からの避難を呼び掛けている木下黄太さんも、ツイッターを見ているとかなり嫌がらせをされている様子がわかる。事実を知らせようとする人たちに、いわゆる工作員といわれるような人たちが集中攻撃をしているのだろう。
ただでさえ原発事故で戦争状態なのに、本当のことを知らせようとする人たちをここまで妨害するというのは戦前の日本を彷彿とさせる。彼らの目的は嫌がらせや脅しによって発信者を委縮あるいは疲弊させ、発信者の信頼を貶めることだろう。
一般の人たちも、日本はこういう状況であることを肝に銘じ、確かな洞察力と強い精神力を持つことが求められていると思う。そうでなければ、原子力ムラの連中の思う壺にはまってしまう。
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