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2011年12月25日 (日)

瓦礫と廃炉訴訟に関する杉山弘一氏への反論(その2)

 前回、「瓦礫と廃炉訴訟に関する杉山弘一氏への反論」という記事を書いた。これで杉山氏との論争は終わりにするつもりでいた。しかし、今朝、杉山氏の「廃炉もいばらの道である」という記事のコメントを読んで気が変わった。もう一度だけ(のつもりだが断言はしない)杉山氏のコメントについてここで意見を述べておきたい。

 私は杉山氏の「廃炉もいばらの道である」という記事に以下のコメントをし、論点のすり替えについて指摘した。

コメントで議論をする主義ではありませので、指摘されたことに関してのみ参考サイトを紹介していましたが、一言感想だけ書かせていただきこの場から去りたいと思います。時間の無駄だとつくづく感じたからです。その理由は以下です。

まず、岩上欣也さんの14:48のコメントにしても、杉山さんの15:23のコメントにしても、私が紹介した記事と同じ著者の別記事から批判できる部分を探し、「だからこの人の言うことは信用できない」といって視点をずらしてしまうことです。岩手県や宮城県の土壌が汚染されているのは以下の実測値からわかるように事実です。当然、瓦礫も汚染されています。汚染されているからこそ、問題になっているのです。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/af0194da58fd9e4a9c38bd3851e3d3ce 
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/0d48eedb3ef04edbbfa019411a968627 

杉山さんは環境省のHPを紹介してフィルターをつけているから大丈夫だとおっしゃりたかったようですが、岩上さんのコメントによってバクフィルターが放射性物質をキャッチできるかどうかの話はどっかに行ってしまいましたよね。キャッチできないことを否定できないから、青木さんを批判することですり替えているとしか思えません。

院長さんの記事に誤りがあるならば、直接指摘して差し上げたらいかがですか? 誰でも間違ったり勘違いをすることはあるでしょう。しかし不適切な部分があったからといってその方の言っていることがすべて否定されるというものではないはずです。それとも、あなたは絶対に間違いや勘違いを犯さないのですか?

また、院長さんの無断転載を批判されるのであれば、岩上欣也さんが引用した週刊金曜日も無断転載ではないでしょうか。そちらの事例は批判しないのですか? 新聞や雑誌記事の転載は厳密に言うなら著作権法に抵触するかも知れません。しかし実際にはこのような転載はいくらでもあり、ほとんどが黙認されているのが現状です。院長さんだけをことさらに取り上げて批判されるのは意図的としか思えません。

岩上さんにしろ杉山さんにしろ、まるで、私の示した事例を否定したいがために重箱の隅をつつくようにあら探しをし、「批判のための批判」を展開しているかのようです。私と杉山さんの意見が平行線ならそれでいいではありませんか。人によって意見が違うのは当たり前です。なぜ論点をずらしてまで批判するのでしょう。

私が杉山さんを「教祖さま」と表現したのも、こういうことなのです。菊池誠さんの信者の方が菊池さんのブログのコメントで菊池さん擁護を展開し、ときに論点をずらして反論者を徹底的に攻撃するのとまるで同じです。

投稿: 松田まゆみ | 2011年12月24日 (土) 17:14

 このあと、「ひねもす」さんという方から私の意見に賛同するコメントがあり、杉山さんが「ひねもす」さんに以下の返信をしているのだが、それは私への返事も兼ねている。そこで、この返信について私の意見を指摘しておきたい。なお、杉山さんのコメントをそのまま転載するのは著作権法上問題があるかもしれないが、杉さんも私のコメントを無断転載しているので文句はないだろう。

私が重要な論点だと思っているのは、瓦礫を野積みにしておくしかない現状のリスクをどう評価するかという点です。

 なお、ある証言を否定したいときに、その証人の別証言からウソや記憶違いを探し、だからこの証人の言うことは信用できないといって、証言の信憑性を落とすことは、裁判では良くやる方法です。

 廃炉訴訟に勝つためにはそのくらいのテクニックは覚えておいた方が良いと思います。

 また、裁判に勝つためには、頭の固い裁判官に理解してもらう必要があります。なんでこんなことも解らないのかと頭に来ることもあります。それでもじっと我慢して、丁寧に説明を続ける必要があります。この程度の議論で、投げ出すようでは、とても勝ち目はありません。

 また、低線量被曝の健康被害についていろんな説がありますが、裁判所がICRP以外を採用するはずありません。仮にどんなに正しいことを説明しても、バズビー説など絶対に採用されません。そんな極端な説を持ち出せば、心証を悪くして逆効果になるだけです。

 ところで、行政を批判して何度か住民訴訟を起こしたことがありますが、原告は私一人、被告が県知事以下幹部職員と県議合計30人以上ということもありました。それはもう、集団で徹底的に攻撃されましたが異様とは思いませんでした。これは、1審勝訴。2審3審引き分け。実質勝訴でした。

投稿: 杉山弘一 | 2011年12月24日 (土) 22:40

 杉山氏は本当に論理のすり替えが上手い。このコメントもまさにそうだ。私は青木さんや院長さんの別記事からあら探しのように間違いや不備を探し出し、それを根拠に「この人の言っていることは信用できない」と主張するのは論点のすり替えだと主張した。しかし、この返答はそれに対する答えになっていない。裁判のテクニック論にすり替えて誤魔化しているだけだ。

 杉山氏の論理でいくなら、「間違いをした人は信用できない」ということになる。人は誰でも間違いや勘違いをするから、世の中の人は誰も信用できないということになってしまう。こんな論法は社会では通用しない。青木さんの記事に誤りがあるなら、岩上さんは週刊金曜日の編集部に指摘するべきだし、院長さんの記事に誤りがあるなら杉山さんは院長さんに教えてあげればいい。それだけの話だ。院長さんは、本当に間違いなら記事を修正されるだろう。お二人とも指摘したのだろうか?

 ICRPについての記述も同じだ。裁判所はICRP以外を採用しないからICRP説を主張すべきだというテクニック論を展開する。杉山氏がICRPを支持して自説を展開されるのは自由だ。しかし杉山氏のこの主張は、私がICRPを支持しないことの反論になっていない。

 裁判では事実をもとに主張を行うのが原則だ。私たちはチェルノブイリの事故や福島の事故で起こった事実を客観的に見て、ICRPを支持するかしないかを判断すべきだ。裁判での戦術は必ずしも否定はしないが、戦術以前に事実で闘うべきではなかろうか。なお、裁判での主張は基本的には弁護団に委ねることになるので、ここではこれ以上は言及しない。

 また、コメント欄での論点のすり替えによる攻撃について、ご自身の裁判経験を持ち出して言い訳しているが、ブログのコメントと裁判では目的や性質が全く違うことを理解していない。ことごとく言い訳をしないと気が済まない方のようだ。

 最後に杉山氏の「瓦礫を野積みにしておくしかない現状のリスクについて言及して欲しかったですが、もうかなわないようです。まあ、そんなことはまったく考慮していなかったのでしょうから、どうしても触れたくないでしょうが」という嫌味たっぷりのコメントに答えておきたい。

 私は瓦礫が野積みされて復興の妨げになっていることを、どうでもいいとはもちろん思っていない。これは誰でもそうだろう。しかし、だからといって、住民の反対を押し切り汚染された瓦礫を安易に処分していいとは決して思わない。ここにも、行き詰ると突っ込みどころを変えるという杉山氏の得意な論点のすり替えがなされている。

 瓦礫処理には放射能汚染をはじめとして様々な問題があり、国民の理解が得られていない。たとえば「週刊金曜日」2011年12月16日号で樫田秀樹氏が「震災瓦礫に運ばれて全国に広がるアスベスト」という記事を書き、アスベストの危険性に警鐘を鳴らしている。他にもヒ素をはじめ様々な有毒物質が含まれているという情報がある。

震災影響で海岸から“ヒ素”を検出…津波で海底の沈殿物が巻き上がる(atmic-Tokyo)

東北沿岸の科学汚染~カドミウム・ヒ素・シアン化合物・六価クロム・ダイオキシン~(語られる言葉の川へ)

 国はそのような指摘を無視し、「復興」の名の元に強引に全国での瓦礫処理を進めている。これはどう見ても民主的なやり方ではない。

 杉山氏は「焼却のリスクは小さいから復興を優先すべきだ」という考えなのだろうが、私は「復興は大事だが、全国での焼却や埋め立てによるリスクは大きく慎重に対応すべきだ」ということだ。あくまでも意見の相違だから、これ以上お互いに意見を言い合っても平行線でしかないだろう。それなのに、なぜ意見の相違だということを理解せず、いつまでも執拗に突っ込んでくるのだろう。

 瓦礫処理の問題については、私は11月27日にツイッターで青山貞一氏と池田こみち氏の提案を紹介している。

 http://twitter.com/#!/onigumoobasan/status/140794178878709760 

 青山氏・池田氏の提案をお読みいただきたい。具体的な瓦礫の処理方法にも言及している。

原理的に間違っている国の汚染瓦礫処理と私たちの提案

【12月29日追記】
杉山氏のコメントでの反論に関して以下の点を追加しておきたい。

①12月22日(木)21:28のコメントで、大熊町の遺体について触れているが、院長さんは遺体のあった場所の土壌汚染から、その場所が事故後3日ほどで致死量の7Sv-10Svに達していた可能性があると言っているのであり、遺体の10万cpmを問題にしているのではない。
http://onodekita.sblo.jp/article/47795460.html 

②カリウムについて以下に参考サイトを挙げておく。放射性カリウムと他の核種をベクレル数で比較するのは意味がない。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-05-13 

③杉山氏は「鬼蜘蛛おばさんは詐欺の片棒担いでます」と書いているが、私の紹介した記事が間違っていなければ名誉毀損だ。また、トラックバックを張らないのがマナー違反などという話は聞いたことがない。

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コメント

松田さん
 ブログ「市民の目 沼田」に投稿した私の拙いコメントを読んで頂きありがとうございます。
 松田さんから「岩上欣也さんが引用した週刊金曜日も無断転載ではないでしょうか。」と著作権上の貴重なご指摘を頂きましたので、青木泰氏が書かれた「週間金曜日」掲載記事「放射能汚染がれきや汚泥、剪定ごみは燃やしてはいけない」のリンク先を当初の
http://hostingserver.sakura.ne.jp/data/kinyoubi-aoki.pdf
から
http://gomi54.cocolog-nifty.com/blog/files/031.pdf
へ訂正させていただきます。
 訂正したリンク先は、青木泰氏ご本人のブログ
http://gomigoshi.at.webry.info/
で紹介されたものですので著者ご本人と私との間には著作権の問題は生じないと思われます。もし仮に「週間金曜日」社から著作権上の問題を指摘された時は、著作権は守らなければならないとの立場から真摯に対応させていただく心算です。
 とりあえず、お礼とご報告まで。

 尚、このコメントは、ブログ「市民の目 沼田」
http://numata-city.kazelog.jp/numata/2011/12/post-d553.html#comments
にも投稿しております。

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