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2011年10月24日 (月)

山田真医師が語る福島の尋常ならざる現状

 小児科医である山田真さんの講演会での話が、渡辺容子さんのブログ「暗川」で紹介されている。福島の現状に踏み込んだ興味深い内容だ。

山田真医師講演会報告 

 福島第一原発の事故から7カ月以上が経ち、福一に関する報道もめっきり減ってきた。今、福島では除染によって線量を減らし、住民を戻すことに重点が置かれているようだ。私から見れば、狂気じみたことが行われているとしか思えない。新聞報道などを見ても、福島の方たちの中には、復興を信じている人たちが大勢いるようだ。

 前回の記事で紹介した「わたしたちの涙で雪だるまが溶けた」という子どもたちの作文集を読むと、チェルノブイリの事故のときも住民には情報が隠蔽されて避難は遅れたとはいえ、事故後まもなく子どもたちはサナトリウムに送られるなどの対応がとられたことがよく分かる。また、避難させられたものの、大半の住民は汚染された町には帰れず、避難先を転々としているのだ。それなのに、なぜ福島ではチェルノブイリとは反対のようなことが行われているのか・・・。

 福島の場合は汚染の範囲はチェルノブイリほどではないが、汚染の程度はそれほど変わらない。そして人口密度はベラルーシに比べてはるかに高い。福島の方たちがあれほどの汚染の中で、どうしたらそんな楽天的な気持ちになれるのか信じがたいのだが、山田医師の話から状況がつかめてきた。

 福島では「リスクはゼロではないが、覚悟して生きればいい」という考えが蔓延しているらしい。そのような考えが広まれば広まるほど「大丈夫だ」と思い込んでしまうのだろう。山下俊一氏は福島医大の副学長になり、言いたい放題言っているという。恐らく福島の人たちは、彼のような御用学者や政府の肩を持つマスコミによって、知らず知らずにマインドコントロールされているのだ。

 放射能を怖いと思う意識はあっても、実際に健康被害が目に見えて現れない以上、移住の決断をするのは大変なことだ。人というのは自分に都合のいい意見を支持し、都合の悪い意見は排除したくなるものだ。避難したくてもできない、という状況につけこんで御用学者や御用マスコミが「リスクは小さい」「放射能だけがリスクではない」と吹聴し思い込ませれば、人々はそれを信じたくなる。そして、次第に「信じたい」が「信じる」へと傾き思い込んでしまったら最後、放射能を怖がる人たちを批判するようになる。人々が二極化してしまうのだ。これは日本が戦争に突入していったときの状況と何も変わらない。

 原発を建設するときも、電力会社は地域の人たちをお金で買収して賛成派をつくりだし、反対派と対立させるのだ。そして賛成派に加担することで反対派を排除する。今、福島で起きていることもこれと大差ないのではなかろうか。

 放射能の授業をして退職させられた教師がいるとか、相談会に行ったことが知られると村八分にされるとのことだが、こうなると思い込みも末期的だ。もはや正気とは思えない世界になっているような気がする。

 避難できる人の多くはすでに出ていってしまい、残されて「大丈夫」を信じたい人たちが残っているというのなら、詐欺師の手にかかってしまった人たちが犠牲にされようとしているとしか思えない。これがインターネットの発達した時代に起こっていることかと思うと、なんとも絶望的な気持ちになる。

 今は安全デマを振りまいている山下俊一氏も、放射線による健康被害が顕在化する頃には福島から出ていってしまうのかもしれない。あるいは平然と「想定外だった」などと言うつもりなのか。今でもいい加減なことを言っている御用学者を見るにつけ、人というのはどこまで冷たく無責任になれるのだろうと思う。

 そして、健康被害が顕在化してこないと住民たちは自分たちが騙されマインドコントロールされていたことに気付かないのかも知れない。いくら楽天的な人でも、危険性をきちんと知らされないまま何年か後に自分や家族に深刻な健康被害が生じたなら、「運が悪かった」といって済ませることはできないだろう。でも「騙された」と気づいた時にはすでに遅い。

 ところで、山田医師は、鼻血と下痢の症状は、今のところ放射線によるとは言えないと考えているようだ。これについて「菊池誠さんの野呂美加さん批判は科学的か?」でも触れたが、私自身は今回の原発事故による影響で鼻血や下痢の症状があらわれている可能性は十分にあると思っている。

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