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2011年8月

2011年8月31日 (水)

人類史上最悪の惨事となった福島第一原発事故

 昨日ツイッターで紹介した、ドイツの放送局が放映した福島原発の実態の動画は削除されてしまったのだが、以下のサイトで見ることができる。

ドイツZDF-Frontal21福島原発事故、その後(日本語字幕)
http://www.dailymotion.com/video/xkso3d_yyyzdf-frontal21-yyyyyy-yyy-yyyyy_news 

 原発から80キロ離れた農家の大沢さんの告発は衝撃的だ。事故後、作物の検査を行政機関に依頼したら、原発の20・30キロ圏から離れているので検査の必要はないと断られた。汚染調査をすべき福島県の食品衛生検査所は、コンセプトもなく人手も計測器も足りず、市民の検査は引き受けられない状態だ。

 大沢さんは自分の水田の土を自費で独立の検査所に持ち込んで検査してもらったところ、基準値の7倍もの5万3千ベクレル/キロのセシウム137が検出され、米作りをあきらめたという。こうした汚染の実態を、地元の人たちは知らされていない

 大沢さんは福島大学に内部被曝の検査を拒否された。隣の県の病院に問い合わせた友人は「福島県知事から福島県民の診察を受け入れないよう指示されているそうだ」と言われた。何から何まで隠蔽と過小評価だ。

 クリス・バズビー氏は「日本政府は犯罪的だ」と糾弾している。さらに以下のようなことも言っている。

「これは人間の想像力をこえる惨事です」
「制御不能の状況であることは当初から明らかだった」
「どうしたらいいのか誰にもわからないし、簡単な答えもない」
「これは人類史上最悪の惨事だと思う」

 この内容はおそらく日本のマスコミはまず報道しないだろう。多くの人に広めていただきたいと思う。

2011年8月28日 (日)

然別川三の沢ダムのスリット工事

 27日に、然別川の三の沢砂防ダムの視察に行ってきた。この砂防ダムは魚が往来できるように2本のスリットを入れることになり、昨年から工事が始まっている。今は堆積した土砂を一部とり除き、そこまでスリットを入れた状態だが、最終的には川底までスリットを入れる予定だ(そうしないと魚道という目的が果たせない)。下の写真は下流側から見たダム。

P10300181

 この工事をしているのは十勝総合振興局帯広建設管理部(旧帯広土木現業所)だ。私たち(十勝自然保護協会)はスリットではなく、堤体の中央を大きくカットするだけでよいと提案したのだが、土石流が防げないという理由で受け入れられなかった。下の写真は上流側から見たダム。

P10300202

 このスリットだが、私たちへの説明では幅が1メートルとのことだった。しかし、実際には1メートル60センチほどある。しかも、堤体の上部には新たにコンクリートを付け足している。なぜこんなことをするのか意味不明だ。帯広建設管理部によると、このスリットだけでは巨岩の流下を防げないということで、スリットの部分に70センチ間隔(最下部は1.5メートル)で金属の横棒を7本取りつけることになっている。

 巨岩の流下による被害を防止しなければならないとしきりに言うのだが、ダムの堆積物を見ても巨岩らしきものはない。少なくとも1メートル60センチ×1メートル50センチの空隙を通りぬけられないような巨岩など見当たらない。だいいち、7本もの横棒を入れる必要性など全くない。無駄もいいところだ。

 下の写真では枯れて上部が折れた木が川の中に立っているのがわかると思う。これはかつて河畔に生育していたケヤマハンノキが、運ばれてきた土砂で埋まってしまったものだ。ただし、埋もれたことが原因で枯れたのかどうかは分からない。スリット化工事で堆積した土砂を取り除いたため、埋もれていた部分が出てきたのだ。

P10300423

 砂防ダムを造ったために、このように河畔の木が堆積物によって埋もれていくのだ。その堆積物はシルトか小さな砂利だ。つまり、帯広建設管理部が主張するような巨岩など流れ下ってきた気配はない。

P10300464

 土石流による被害を名目に巨大な砂防ダムをつくってしまったのだが、そもそもそんなダムは必要なかったのだ。なんとも無駄なことばかりやっており、工事をすること自体が目的としか思えない。

 札内川の支流である戸蔦別川の砂防ダムもスリットを入れるそうだが、おそらくこれも同じような構図なのだろう(こちらは開発局だが)。砂防ダムの弊害を何とかするための新たな公共事業だ。

 スリットを入れて土砂を流下させるのも、魚が行き来できるようにするのも反対することにはならないが、素直に評価する気分にもなれない。まずは莫大な税金を投入して問題だらけの砂防ダムを造ってきたことの反省をきっちりしなければ意味がないからだ。もちろん、そんな反省をする気がさらさらないのが見て取れるので、評価する気になれないのだ。

 余談だが、この視察には夏休みを利用して福島から北海道に疎開している二人の小学生も参加した。今日、福島に帰るとのことだったが、放射能汚染された福島県に何の罪もない子どもたちを戻さなければならないことに胸が痛む。

 砂防ダムも利権構造の賜物だし、原発も同じだ。その犠牲になるのはいつも弱者だ。お金に振り回されて人としての心を失った大人のなんと恥知らずなことか。民主党の代表選も恥のさらし合いをしているようなものだ。

2011年8月26日 (金)

原発作業員ハッピーさんの疑問

 原発作業員のハッピー(Happy20790)さんのツイッターは、あちこちで紹介されてかなり知られているようだが、一部では東電の工作員ではないかという疑惑が持たれている。私がハッピーさんのつぶやきを知ったのは6月頃のことだったと思うが、それ以降、ハッピーさんのつぶやきはしばしばチェックしていた。

 私はいわゆる陰謀論については慎重であるべきだと思っている。地球温暖化説が原発推進派による陰謀だとか、9.11がアメリカ政府の自作自演だとかいう説があるが、基本的には信じていない。しかし、もちろんこの世に陰謀がないとも思っていない。

 実際、共同出版・自費出版問題においても、新風舎の倒産をめぐりライバル会社の関与が強く疑われたのだが、マスコミはこれをほとんど見抜けなかったのだ。私のブログ記事の削除要請問題においても悪質自費出版業者が関与していた可能性がきわめて高い。共同出版の批判を書いている私のブログには、多くの不可解なコメントがあった。評価しておだてておきながら、他方でこき下ろすような人物もいた。ほぼまちがいなく私を騙そうとして陰謀的なことが行われていたのだと思う。

 こうした経験もあるので、ハッピーさんのツイッターははじめからあまり信用していなかったというのが本音だ。私がときどき紹介しているカレイドスコープでも、6月にハッピーさんのつぶやきを紹介している。ハッピーさんのつぶやきについてあまり知らない方は、以下の記事をお読みいただきたい。

4号機建屋についてのハッピーさんの「つぶやき」

 このブログの著者は、ハッピーさんのことを信じて疑っていないようだ。この方は福島原発に関してはかなり賛同できる記事を書いているが、この記事を読んでも私のハッピーさんに対する疑惑は揺るがなかった。ハッピーさんのつぶやきには、直感で不自然だと感じさせるものがあるのだが、もちろんそんな感覚的な理由だけではない。

 ハッピーさんは3月の事故当時も福島原発で働いていて、作業現場にも頻繁に出向いて作業に関わっているらしい。しかし、それが事実ならいくら気をつけてももうとっくに被曝限度を超えているとしか思えない。福島では今でも3キロ圏内の住民の一時帰宅すら安易に許されない状況なのだ。それほど原発周辺は線量が高い。なのに、ハッピーさんはホールボディカウンターを受けたときも、たいした被曝量ではないと言っていた。あれほどの高線量のところに毎日のように出入りしているのに、にわかに信じがたい。

 3月からずっと福一で作業をしていることからも、事故処理のために集められた一般の作業員ではない。ツイッターの内容から休みの日もだいたい把握できる。あれだけの情報を書いているのだから、東電はハッピー氏を容易に特定できるだろう。ならば東電や政府の批判も適度に入れている作業員のツイッターを放置しておくのはどう考えても不可解だ。

 たとえば、先日も紹介した以下のサイトで作業員へのインタビューが掲載されているが、作業員はメディアと接触することを東電から固く禁じられているのだ。作業員のツイッターなど許されるはずもなかろう。

フクシマ作業員への匿名インタビュー(・・・just wondering)

 また、この記事の作業員の話しから、きわめて過酷な現場の実態が浮かびあがってくる。まるで地獄のような作業現場だ。その過酷さや恐ろしさは、ハッピー氏のつぶやいている現場の様子からはちょっと想像がつかない。ハッピー氏のつぶやきには、どちらかというと「過酷な中でみんな頑張っている」「工程表どおりにはいかないけれど、それでも何とかなりそうだ」という、どちらかといえば希望的な雰囲気が漂っている。

 カメラマンの小原一真さんがフクシマ第一原発に潜入して取材をしており、その様子を小原さんがご自身のホームページで報告している。

http://kazumaobara.com/2011/08/flontline-in-fukushima.html 

 ここでも、東電が取材を禁止し情報統制を行っていると書かれている。免震棟の中でさえ、毎時16マイクロシーベルトとのこと。小原さんは防護マスクをつけて30分で後頭部が痛み、1時間で痛みが限界に達したという。個人差があるとは言え、相当厳しい労働環境だ。2回の休憩をはさんだ3時間の労働で、疲労困憊になっていることが伺える。しかも、排気筒付近で1万ミリシーベルトが検出されたときも、作業員には事実が知らされていなかったという。これが現場の実態だ。

 ハッピーさんはこのような方たちと同じ作業をしているわけではないだろうが、彼のつぶやきは、上記の匿名インタビューや小原さんの報道から伝わってくる実態とかなり乖離しているとしか思えない。同じ現場で働く人でありながら、あまりにも感覚的に落差が大きいのだ。

 そして、私がもっともハッピーさんに疑惑を持ったのは、地割れからの水蒸気の件だ。ハッピーさんは、8月2日にツイッターで「敷地内、あちこち地割れして黒い水蒸気があがってると誰かがつぶやいてますが、そんな状況確認できてますか?」と質問され、以下のように答えている。

http://twitter.com/#!/Happy20790/status/98362903719198720
地割れしてるとこはあるけど、そんなの見たことないよ。デマですね。

 ツイッターでの「地割れから水蒸気」という情報に対し、デマと断言している。

 その後、8月15日には木下黄太さんが同じような情報をブログに書いた。以下の記事だ。

福島第一原発敷地内で「地割れ、水蒸気が噴出している」情報。再爆発の懸念も」 

 情報源は当然のことながら公開していないが、ツイッターとは別のようだ。その後、ハッピーさんは木下さんのブログ記事についてまた質問をされた。

http://twitter.com/#!/kinori1/status/103486331635769344
@Happy20790
いつも厳しい作業をして下さり、ありがとうございます。この記事http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/26ea73eff5b8b8d698d21dc57d1b10ba の「水蒸気が噴出する地割れ」や「六ヶ所ある10Sv/hの場所」について現場で見聞きしたことはありますでしょうか?

 これに対するハッピーさんの答えは以下。

http://twitter.com/#!/Happy20790/status/103489620678934528
@kinori1
水蒸気の事は前にも答えましたが、オイラは見たことも聞いた事もないです。10Sv/h以上の場所6ヶ所は事実だと思います。ただそれは今の所、計測できる場所のみで実際はもっと他の場所もあると思います。

 ハッピーさんは22日にさらに以下のつぶやきをしている。

http://twitter.com/#!/Happy20790/status/105600103376621568
ただいまっ(^O^)今日は構内をグルグルパトロールしてきたよ。フォロワーさんが心配してた共用プール廻りの地面も見てきたけどやっぱ水蒸気なんてなかったよ。1号機~4号機廻りも車で廻ってみたけどなかった。あと今まで行ってなかった5,6号機廻りと更に北側に行ってきた。

 とにかく地割れからの水蒸気のことは頑なに否定している。

 この水蒸気の件についてはクリス・バズビー氏も語っており、たぶん間違いないだろう。昨日の記事にも書いたが、バズビー氏はきわめて深刻な事態だと言っている。それなのに、現場をよく知るはずのハッピーさんが3度にわたって否定する不可解さ・・・。

 ここでピンときたのは、この件は東電がずっと隠しておきたいことに違いないだろうということだ。バズビー氏も、この件は完全に無視されてまったく語られないと言っている。とにかく東電も政府も隠したいことなのだ。だって、ものすごく深刻な事態なのに手のつけようがないのだから。

 ハッピー氏が工作員ではないかという疑惑が流れている中で、ハッピー氏のツイートを何回か紹介してきた大沼安史さんは、昨日とうとうこんな記事を書いた。

「ハッピーは東京電力職員による福島事故広報用(捏造隠蔽用)アカウントです」……嘘だと言ってよ、「ハッピーさん!」

 さて、この日のハッピーさんの反応は早かった。23日と24日はつぶやいていなかったが、まるで大沼さんの記事に呼応するかのように、以下のつぶやきがあった。

http://twitter.com/#!/Happy20790/status/106640457177640960
ただいまっ(^O^)ちょっと久しぶりな気が… 。って開いてみたらなんかオイラのTL凄いことになってるでし(*_*)東海アマだかバカだかわかんないけど煽動してなんなんだ(-"-;)東電と同じくらいバカでし(-_-#)工作員って…まだ言ってるし、自分の目でみて確かめりゃいいのに。

 このつぶやきを読んで直感したのは、ハッピーさんは大沼さんのブログをチェックしている人ではなかろうか、ということだ。つまり、福島原発についてのネット上の情報をこまめにチェックしている人にしか私には感じられなかった。それに、昨日のハッピーさんのつぶやきからは自分の正当化に必死になっている雰囲気が漂ってくる。

 ということで、これはあくまでも私の個人的推測に過ぎないのだが、ハッピーさんはやはり東電の関係者か、関係者から情報を得ている人物が書いている可能性が高いというのが私の見解だ。しかも、過酷な原発作業員が、ツイッターの名前やユーザー名に「Happy」なんてつける感覚が私には分からない。嘘と隠蔽を続けてきた東電のことだから、こういうことをしても全く不思議ではない。まあ、そうだとして、どうということもないのだが(いやいや、多くの人がハッピーさんの発言を広めているならそんなこともないか・・・)。もしハッピーさんの矛盾や疑惑がネット上に噴き出して不都合な状態になったときには「線量が限界になったので福一で働けなくなった」などといって、消えるのではなかろうかと私は密かに思っている。

 ハッピーさんを信じるか信じないかはもちろん個人の判断だ。しかし東電や政府が情報隠蔽に必死になっているのだから、発信者が特定できず疑問の持たれる情報に関しては慎重になる必要がある。このような情報発信に対しては鵜呑みにするのは避けるべきだ。

【2012年8月31日追記】
最近の情報からハッピーさんが原発作業員であることがほぼ間違いないと思われるため、以下の記事を書きました。

原発作業員ハッピーさんについての訂正とお詫び

2011年8月25日 (木)

福一から毎時10兆ベクレルが放出されているというバズビー氏

 以下のロシア・トゥデイのクリス・バズビー氏へのインタビューをご覧いただきたい。

http://www.youtube.com/watch?v=wKYZDPi5CHg&feature=player_embedded

 「フクシマ原発の“構造物”の亀裂はどのくらい危機的なんでしょうか?警戒すべき状況でしょうか?」という質問に、バズビー氏は以下のように答えている。

 今、蒸気が噴出しています。カリフォルニアの測定結果から言えることですが、この蒸気には“放射性アイソトープ硫黄35”が含まれています。このアイソトープは、塩素の中性子線をともないます。つまり、ここで起きている状況は、核分裂反応がずっと起きていて、膨大な量の中性子線の流速が出ており、そこへ海水です。膨大な量の放射性物質がどんどん産出され続けているわけです。それを、彼らはこれまでどうすることもできずにいます。
 ある人が私に教えてくれました。この人が東電の担当者から聞いた話です。その東電の人は、日本の首相に報告する担当の人ですが、「現在、毎時10の13乗ベクレル(=10兆)の放射能が原発から出ている」と言ったのだそうです。ということは、どう考えても、何かとんでもない事態がいまだ“進行中である”と言えるのです。それはしかし、完全に無視されて全く語られません。日本では、正しい報告がずっとなされていませんし、また国際原子力機関においてもそうです。

 東電も政府も国民に対して何も言わないが、バズビー氏の話が事実であれば福一はとんでもないことになっており、東電はそれをどうにもできないでいるのだ。東電や政府が国民に嘘ばかりつく理由がここにあるのではないか? 日本政府の対応はチェルノブイリ原発事故の際の旧ソ連以下だとしか思えない。本当に気が滅入ってくる。

 最近は福島県で除染に力を入れているというニュースが流れているが、このような状況で除染をすることにどれだけの意味があるのだろう? 私には「目くらまし」としか思えない。毎日大量の放射性物質が飛散している福島では、お金をかけて除染してもまたすぐに汚染されてしまうのが目に見えている。少なくとも福島では除染よりも避難を優先すべきだ。それに、飛散している放射性物質の核種の測定も必要だが、これはどうなっているのだろう?

 心配なのが、あちこちで地震が活発化してきていることだ。バズビー氏は「将来、同じような事故が必ず起こるでしょう」と言っているが、当然のことだ。地震大国に原発を建てること自体が狂気じみている。福島がこれほど恐ろしいことになっているのに、いまだに原発を推進したいと思っている人がいるのだから、末期的としか言いようがない。

 私の住む十勝地方でも、このところ続けて地震がある。各地で地震のニュースがあるたびに、原発は大丈夫かと身が縮む思いだ。こんな気持ちで過ごすのはもうたくさん。こんどまた大事故が起きたら日本はオシマイだろう。一日も早く、全ての原発を廃炉にさせなければならない。

 そのためには、電気が足りないから原発が必要だという発想を捨て、原発以外のエネルギーで間に合わせるように発想の転換をしなければならない。生活スタイルを変えたり、節電を徹底することでそれは可能だろう。

 以下のカレイドスコープの記事も参考になる。

バズビー博士:「地面の亀裂から水蒸気」、本当!?

2011年8月24日 (水)

大雪山国立公園の石狩川源流部で驚くべき過剰伐採

 私は参加できなかったのだが、去る21日、大雪山国立公園の中の石狩川源流部で日本森林生態系保護ネットワークと市民らが違法伐採の調査を行った。この違法伐採についてはこのブログでも何回か報じてきたが、2009年に日本森林生態系保護ネットワークのメンバーが調査に入って疑惑が発覚したものだ。2010年には北海道森林管理局の職員とともに現地に視察に入り、説明を求めていた。

 北海道森林管理局は違法な集材路や土場、そして一部の越境伐採は認めたものの、ナンバーテープのない伐根が多数あることについては違法と認めていなかった。そこで調査をするように求めたのだが、前向きな回答は得られていなかった。このために今年6月に市民団体が自ら調査しようと現地に入ったところ、伐根に新たなナンバーテープが付けられていたのだ。 以下がその写真。

P10207881

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 この新しいナンバーテープについて北海道森林管理局に問い合わせると、今年に入ってから自分たちで伐根調査をしているとのことだった。そこで、市民団体としても調査をしてみようということになった。計画伐採本数が153本となっている区画(小班)を選んで調査したのだが、なんと697本もの伐根が見つかった。544本もの木が過剰に伐られていたことになる。これは計画伐採本数の4.6倍にあたる。

 現場に行ってみるとよくわかるのだが、細い木が残されてスカスカの森林になっている。つまり、お金になりそうな大きさの木はほぼ伐りつくされてしまったということなのだ。伐根の直径はさまざまだが、40~50センチの木が多く、中には80センチ以上の大径木もあった。

 調べたのは一部の区画だけなので、他のところもこれほど過剰に伐っているのかどうかは分からないものの、おそらく計画伐採本数の数倍の木が違法に伐られたのではなかろうか。とすると、これは業者が出来心でちょっとだけ余分に伐ったなどという話しではない。お金目当ての盗伐だろう。伐採対象になっていない木を大量に伐って平然としている業者と、それを見て見ぬふりをしている林野庁の姿が見て取れる。それにしても過剰に伐られた木はどう処理されたのか?

 北海道新聞の報道によると、北海道森林管理局による伐根調査は今年の6月から7月にかけてのべ1000人体制で行われたという。森林管理局は9月にも結果を公表するとしているのでそれを待ちたいが、調査結果の誤魔化しは許されない。それに、昨年の「過剰に伐ってはいない」という言い訳についてきっちりと謝罪してもらわねばならないだろう。

 北海道での違法伐採に関しては、市民団体が「えりもの道有林」「上ノ国の国有林」などの事例を明らかにしてきたほか、大雪山国立公園の「幌加・タウシュベツの皆伐」、十勝東部森林管理署管内のナキウサギ生息地破壊なども追及してきた。それでもなお、国立公園の山奥で林道ゲートに鍵をかけ、こんな大規模な違法伐採が行われているのが実態だ。

 この木にはクマの爪痕がつけられていた(左下の斜めに並んだ5本ほど筋が爪痕)。ここに棲んでいるキムンカムイもこの酷い伐採を怒っているに違いない。

P10208093

【関連記事】
石狩川源流部で違法伐採か?
林野庁は違法伐採を認めたけれど
石狩川源流部盗伐調査(その1)見つけた盗伐の証拠

石狩川源流部盗伐調査(その2)消えた「無印良品」
石狩川源流部違法伐採合同調査での林野庁のおかしな説明
越境伐採を隠ぺいした北海道森林管理局 

2011年8月22日 (月)

政府はWSPEEDIによる拡散予測を公表せよ

 東京電力は8月17日に、7月26日から8月12日に福島第一原発から放出された放射性物質の量が「最大で毎時2億ベクレル」と発表し、事故直後に比べて1000万分の一に減少したとしている。しかし、この数値は信ぴょう性がない。なぜなら、クリス・バズビー氏はロシアの国際放送で、今も毎時10兆ベクレルの放出が続いていると言っているからだ。

バズビー博士「いまなお10兆ベクレル/時もの巨大放出続く」(大沼安史の個人新聞)

 どうして東電発表とこれほど大きな差があるのか?

 英国で放送された福島第一原発で働く作業員への匿名インタビューで、「例えば、汚染水浄化装置から汚染水が漏出していたことがあった時も、その事実はプレスには公表されましたが、実際に漏れ出した汚染水の量は公表されたもの以上のものでした」という作業員の話しがある。

フクシマの作業員への匿名インタビュー(・・・just wondering)

 東電は漏出した汚染水の量も少なめに発表しているのだ。だから、福一から放出されている放射性物質の量にしても、東電が実際より少ない数値を公表することはまったく不思議ではない。政府の過小評価は事故からずっと続いている。それにしても、この作業員の証言は現場がどんな大変な状況になっているかを物語っている。東電は作業員がマスコミ関係者と接触して現場の情報が漏れないよう、口止めに必死になっているのだ。

 今月の19日ころには各地で空中の放射線量が上昇している。札幌では16日から17日にかけて高めになった。たしかに爆発のあった3月に比べたなら減っているのだろうけれど、いまでも福一から放射性物質が飛んできているし、その量も決して安定していないようだ。

 気になるのが、風向きなどによる放射能の拡散方向だ。それにしても疑問なのが、政府がWSPEEDIによる拡散予測を出さないということだ。

 日本では、SPEEDIによる拡散予測のシステムがある。これが福島第一原発の事故のときに公表されず、住民の避難に役立たなかったのは周知の事実だ。以下はウォール・ストリート・ジャーナルの記事。

不吉な放射能拡散予測-住民批判に生かせなかった日本政府 

 SPEEDIによる予測は今でも行われており、以下の文部科学省のページの「単位量(1ベクレル)放出を仮定した予測計算結果」から見ることができる。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)等による計算結果 

 しかし、ここの表示されているのは過去のデータであり、今日や明日の予測ではない。しかも予測範囲が狭くて、福島県周辺のことしか分からない。

 SPEEDIは、放射能がどのように拡散するのか予測して、避難に役立てるためのシステムだったはずだ。過去の予測を発表しても何の意味もないだろう。馬鹿にしているという他にない。

 で、広域での拡散予測ができるのはWSPEEDIの方なのだが、こちらは5月になってようやく一部が公開されただけだ。その予測によって福島周辺のみならず、東北から関東にかけての広域での汚染が明らかになった。ところが、その後の予測は公表されていないようだ。まさか、WSPEEDIでの予測をやっていないというわけではあるまい。

 こんな具合だから、多くの人はドイツ気象局やオーストリア気象局、ノルウェー気象局などがインターネットで公表していた拡散予測を頼りにしていたのだが、それらも終了してきており、今見られるのはスイス気象局くらいだろうか。

http://www.meteocentrale.ch/en/weather/weather-extra/weather-in-japan.html 

 本来、このようなシミュレーションは当然のことならが事故を起こした当事国がきちんとやるべきことだ。ところが、この国の政府は、一向に広域の拡散予測を公表しようとしない。スーパーコンピューターに多額の税金を投じておきながら、まったく信じられない事態だ。国民は予測をもとに警戒したり、避難について判断することすらできない。そのうえニュースでは東電による過小評価の数値しか出てこない。自国民を見殺しにしているという状態だ。おそらく「放出量が減っている」、「予測は実際の拡散とは異なるので誤解を招く」とか「パニックになる」などの理由で公表しないのだろうが、これほど国民を馬鹿にした言い訳もない。

 政府は、すでに非常時を脱したとでも思っているのだろうか? 福一からの放射能の放出が続いている限り、そんなことはとても言えないはずだ。そもそも、4号機の建屋は傾いているし、あの使用済み燃料のプールは水漏れしているということだったが、その水漏れがどうなっているのかも報道がないではないか。ネット上では再爆発の可能性があるという話しも聞かれる。危機的状況はまったく変わっていない。

 とにかく東電や政府の発表をそのまま信じてはいけない。東電と政府の考えていることは、いかに事実を隠ぺいし、事故を過小評価し、国民を騙すかということだ。東電や政府が隠そうとしていることを見抜く力をつけないと、この国では生き延びることはできないのかもしれない。

2011年8月20日 (土)

泊村が原発に反対しないワケ

 泊原子力発電所3号機の営業運転が認められてしまった。道民の声を無視してさっさと了承した高橋はるみ知事は最悪だ。上田札幌市長ももっと声を大にして3号機の停止を申し入れて欲しかった。泊が大事故を起こしたなら、札幌の被害は計り知れないだろうに・・・。それに、次々と生み出される使用済み核燃料はどうするつもりなのか!

 泊原発の近くにはイソコモリグモの調査で行ったことがある。海に突き出すように建っている原発は、大津波が襲ったらひとたまりもないのではと思った。すぐ近くに海水浴場があるのだが、とてもこんなところで海水浴をしたいとは思わない。原発は通常の運転時でも放射性物質を放出しているからだ。とにかく、原発の近くというのはあまり長居をしたくない場所で、早々に退散した。

 ということで通りかかっただけなのだが、泊村には不釣り合いなほどの立派な施設がいろいろある。一目で原発交付金の恩恵にあずかっていることが見て取れる。でも、ほんとうにそんな施設が必要なのか? 原発がなくてもなんとかやっている過疎地の町村はいくらでもあるのに、この村はなにを血迷ったのか・・・。原発を受け入れたらなぜお金がもらえるのか、この村の人たちは分かっているのだろうか?

 カレイドスコープさんの以下の記事が鋭い。

魂を売った泊村は、北海道でいちばんガン死亡率が高い

 この記事によると、泊原発が営業運転をはじめた1989年から2009年までの21年間で、道と地元4町村に支払われた原発関連の交付金や税収入の総額は約959億円。もっとも多いのは泊村で546億円。何と歳入総額の57%だそうだ。

 今回の3号機の営業運転再開に対しても、地元4町村は反対しなかった。福島のあれほど深刻な事故が現在進行形なのに、目と鼻の先にある原発を止めて欲しいと言わないのは不自然を通り越して不気味だ。村民は、お金の恩恵と「村八分」の怖さで何も言えないのか。地元4町村にも原発に反対の人はいるに違いないが、おそらく正面切って反対などと言えない雰囲気なのだろう。内心は原発が怖くて仕方なくても、お金のために安全だと自分に言い聞かせ、幻想にしがみついているのかもしれない。本当の気持ちを封じ込めてしまうお金の力は恐ろしい。

 そして、福島の事故をレベル7にした翌日の4月13日に、文科省は交付金を支給する規則を変え、発電実績に応じて交付額を決めるように変更していたそうな。だから、地元としては運転停止になったら困るのだ。たとえガンになる確率が高くても(もっとも泊村民がこのことを知っているかどうかしらないが)。

 こうしたことは、もちろん地元の4町村だけの問題ではない。日本全体に横たわる問題だ。

 高橋はるみ知事の資金管理団体の会長は、元北電会長。しかも、北電幹部から政治献金。こんな関係では、原発に反対などとてもできないだろう。自国で世界最悪レベルの事故が起きても、こういう構図を絶ち切る選択肢が彼女にはない。高橋知事も道民の命よりお金と権力が一番大事なのだ。

 北電から広告をもらっている北海道新聞の報道もお粗末だ。8月18日の北海道新聞朝刊で、「冬の電力不足は回避 北電 来春以降は見通せず」との記事が掲載された。北電や知事の言い訳を垂れ流するかのような記事はいいかげんにしてほしい。

2011年8月19日 (金)

「泊原発3号機を止めよう!札幌デモ」のお知らせ

 「脱原発ネットワーク・北海道」からのデモのお知らせを転載する。札幌近郊在住の方は、多くの人に広めていただきたい。

**********

福島事故以来、世界で初めて原発の営業運転を再開した知事として、今や高橋知事は世界中で有名になりました。

UHBが泊3号機再開に関する世論調査を行い、賛成593票、反対1647票だったそうです。

8月21日、皆で、道民は泊3号営業運転再開を認めていないことを伝え、知事の容認撤回を求めて、一緒に歩きましょう。

そのあと、札幌駅前南口で、14:30より街宣です。

・日 時:8月21日(日)13時集合
・集合場所:札幌市役所前
・ルート:大通り公園3丁目~JR札幌駅南口付近
・問合せ:shut泊 泉かおり(09026951937)

**********

2011年8月18日 (木)

高橋はるみ知事の泊3号機本格運転了承に批判が続出

 高橋はるみ知事が、泊原発3号機の営業運転再開を認めた。高橋知事のコメントは以下。

 道としては、国から頂いた回答については、理解できるものと判断したところであり、従って、国において、最終検査の手続きを行われることについて異議はない。
 私としては、原子力発電所に関しては、何よりも安全を優先し、道民の不安の解消に努めながら対応をすべきものと考えており、国においては、今回の福島の事故を踏まえ、今後、責任を持って安全対策に万全を期すとともに、原発立地地域との信頼関係を損なうことのないよう、誠実かつ丁寧な対応を強く求める。
 特に、提起検査中の原子力発電所に係る再稼働については、より慎重な判断を要すると考えられることから、一層の安全性の工場と、より丁寧な対応を求める。
 また、今後とも、道民の安全・安心を図る観点から必要な要請を行う際は、誠実な対応を求める。

 高橋知事のコメントは論理が破たんしていて詭弁でしかない。道民の安全・安心を優先するなら、どうして営業運転再開が認められるのか? 政府への質問書といい、まったくの出来レースだったのだろう。もともと原発容認派で北電との結びつきがある高橋知事は、「はじめに容認ありき」だったのだ。

 高橋知事への批判は道民のみならず全国から押し寄せている。全国の5つの市民団体が以下の抗議声明を出した。無責任きわまりない高橋知事は、福島に行って原発事故の実態を見てくるべきだろう。というか、福島に居住してもらいたいものだ。

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【抗議声明】

多くの反対の声を踏みにじりありもしない「安全委員会によるダブルチェック」にしがみついた北海道知事の泊3号本格運転再開の了承に抗議する

 北海道の高橋はるみ知事は、本日17日午後、泊3号の本格運転再開を了承すると表明した。これによって、海江田経産大臣は泊3号の定期検査終了を認め、北海道電力は本格運転を再開しようとしている。私たちはこれに強く抗議する。

 福島第一原発事故後に初めての本格運転となる泊3号の運転再開について、北海道内はもとより、全国から反対の声が、知事や道議会議員及び泊原発周辺町村にFAXやメール等で届けられた。
 北海道の市民は、道庁前で連日の座り込み、デモ、ビラまきなどで反対を訴えた。福島第一原発事故によって北海道に避難されている人々も加わった。
 10km圏外の蘭越町、ニセコ町、余市町等は、知事から情報さえ伝わってこないことに強く抗議してきた。知事は本日の了承表明にあたっても、泊など地元4町村以外のこれら町村の声を聞くことさえしなかった。
 昨日の道議会特別委員会は深夜に及び、議員からは早期の運転再開について知事への批判が相次いだ。
 全国の人々は、福島第一原発の事故の実態も明らかにならない現状で、事故の検証も終わっていない中、事故の教訓が何ら活かされることなく、これまでの原子力安全・保安院の検査だけで運転再開することに強い抗議の意思を示した。事故後、設置許可の前提となっている安全設計審査指針が誤りだったことは、原子力安全委員会自らが認めていた。
 高橋知事は、これら全ての声を踏みにじって、運転再開を了承した。

 知事は安全性の判断について、最終的に「原子力安全委員会によるダブルチェックによって安全性が確認された」ことを根拠にした。8月11日に開催された安全委員会の実態は、広く報道などで知らされていた。泊3号の運転再開に関する議論はわずか15分で、班目委員長は、安全委員会としての判断はしないとはっきり公言した。「定期検査は原子力安全・保安院でしっかりやってもらうことになっている」「保安院が報告したいと言ってきたので議題にあげただけだ」。安全委員会は、抗議の高まりの中で、当日の記者会見さえ開くことはできなかった。

 ありもしない「安全委員会によるダブルチェック」という「神話」にただひたすらしがみつき、泊3号の運転再開了承など、断じて許されない。
 泊3号の本格運転再開を直ちに中止するよう要求する。

2011年8月17日
   Shut泊
   グリーン・アクション
   国際環境NGO FoE Japan
   福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

2011年8月16日 (火)

「村八分」社会から脱却しなければ原発はなくせない

 昨日は敗戦の日。今年は福島第一原発の大事故が重なり、いつもよりやりきれない思いでこの日を迎えた。戦争はあまりにも残忍で悲惨だが、原発事故も放射能汚染で多くの人に死をもたらし苦しめるという点で悲惨さに変わりはない。むしろ、目に見えないからこそ恐怖から逃避しようとする、考えることを避けて安心情報にすがりついてしまうという恐ろしさがあるのではないだろうか。それに、戦争と原発事故は根っこで共通するものがあると思えてならない・・・。

 「創」9・10月号に宮台真司さん、飯田哲也さん、神保哲生さんによる対談「原発ムラという怪物をなぜ我々は作ってしまったのか」が掲載されている。これはロフトプラスワンで行われ、ビデオニュース・ドットコムで配信された議論を収録したものだ。

 ここで語られているのは、原子力ムラという怪物をつくり存続させてきた日本人、日本社会の問題だ。宮台さんの発言をいくつか紹介しよう。前後の話しを飛ばしているのでやや分かりにくいかと思うが、重要な指摘だ。

 つまり問題は「不合理な原発をどうするか」より「不合理が自明な原発をどうにもできない社会をどうするか」なのです。その意味で、かつての敗戦をもたらした問題が「拙劣な戦略をどうするか」より「拙劣さが自明な戦略をどうにもできない社会をどうするか」という形で現れざるを得ないのと、同じです。

 日本は先進国で唯一、共同体自治の概念が存在せず、何ごとにつけ依存する社会です。国家に依存し、市場に依存し、地域独占的電力会社に依存し、マスコミに依存する。総じて巨大なシステムに依存し、自明性に依存します。近代社会に必要な〈引き受けて考える作法〉ではなく〈任せて文句垂れる作法〉です。

 日本では、リアルとアンリアルの境界線の維持、つまり「空気を維持」が、第一原則になります。だから、リアルとアンリアルの境界線を変える可能性がある「最終目標は何だったか」を問う者は、KY(空気読めない)の烙印を押され、パージされる。原子力ムラだけでなく、学会にも会社にも蔓延するクセです。

 〈悪い共同体〉かどうかは、空気に支配されずに科学を含めた知識を尊重できるか否かで判断できます。さっき、日本は〈引き受けて考える作法〉ならぬ〈任せて文句垂れる作法〉だと言いましたが、任せた先が〈知識を尊重するコミュニケーション〉ならぬ〈空気に支配されるコミュニケーション〉に淫します。

 また、飯田哲也さんは以下のような意見を述べている。

 僕はヨーロッパに言って、向こうの事情の全体像を自分なりに理解しようとしました。おぼろげに見えてきたのは、非常に乱暴に言ってしまうと、レイチェル・カーソンから始まる環境思想を原則・原理レベルに消化して積み重ねながら具体的な社会への適用に落としていくこと、つまり知識と政策と実践を繰り返しながら、ともかく丁寧に積み重なったものはよほどのことがない限り覆されないので、どんどん分厚く、体系的になっていくわけです。

 「空気を読む」というのは、私の大嫌いな言葉だ。しかし、現実の日本社会は子どもからいい年をした大人に至るまで、この「空気を読む」に支配されている。他の人と違う意見を言っただけで「出る杭は打て」とばかりに叩かれる。本人と意見を戦わせるのではなく、無視やいじめといった手段によって仲間はずれにするのだ。いわゆる「村八分」だ。

 よく考えればまっとうなことであっても、それがその場の空気になじまなければ、あるいは強い者の意見と異なっていたら、それだけで攻撃されてしまう。皆とうまくやっていきたいと思ったら、言いたいことも言わずに貝になるしかない。多くの人はひたすら「空気を読む」ことに神経質になり、心にもないことを言って周りに合わせるという窮屈な集団の中に生きている。そういう集団においては、科学的にどうか、論理的にどうか、という議論は置き去りにされる。つまり、思考停止状態で力の強い者に従うことが日常化している。

 日本はいつまでたっても「村八分」社会から脱却できない。というよりどんどんそれがエスカレートしているのではないだろうか。近年の学校でのいじめや不登校、自殺の増加などを見ていると、こうした傾向は強まっているとしか思えない。もちろん、子どもたちがそんな状態に陥っていくのは、大人社会の反映だろう。科学的、論理的思考を許さない社会が、まっとうな社会になるはずがない。

 原発事故が起こって以来、インターネットの世界では原発事故の真実を伝えよう、あるいは放射能汚染の実態や被曝の恐ろしさを伝えようと必死になっている人たちがいる。真実を隠蔽する東電や政府の言うことを鵜呑みにして取り返しのつかないことにならないよう、個人個人で判断をしてもらうためだ。ところが、そういう人にまで噛みつく人がいる。避難など無理なのに、無責任な発言をするなと・・・。

 汚染された地域に住む人々の悲痛な気持ちや不安はもちろん分かるが、文句を言う矛先を完全に間違えている。まさに宮台さんの言っている〈引き受けて考える作法〉ではなく〈任せて文句垂れる作法〉の典型であり、思考停止状態だ。

 福島第一原発の事故で、これまで表に出てこなかった原子力ムラの存在が浮き彫りにされた。この原子力ムラという利権構造も、日本人の心に巣食う「空気を読む」という悪しき習性によって生き続けてきたのだ。ここがヨーロッパとは決定的に違う。

 原子力ムラは日本に数々あるムラの一部でしかない。治水を掲げて巨大ダムを推し進める「ダム・治水ムラ」、必要もない道路をつくる「道路ムラ」、違法伐採で自然破壊する「林業ムラ」・・・。数々のムラが日本を支配し、犠牲になっているのはいつも国民だ。しかし、その国民の大半は、「空気を読む」ことに腐心して日々を送っている。ごく一部の「空気を読まない」で権力と立ち向かう人々を除いて。

 もちろんヨーロッパにも「原子力ムラ」は存在する。しかし、ヨーロッパの人たちのほうが日本人より科学的・論理的思考を大切にするし、「空気を読む」という習慣もない(と思う)。だから、政治に民意が反映されやすいのだろう。彼らはきちんと歴史に学び、軌道修正することができるのだ。

 原子力から手をきるには、そして怪しげなムラを抱えてしまった日本社会を変えるには、一人ひとりが「空気を読む」という悪しき習慣から脱却しなければならない。今、日本人は原発事故を前にしてその選択を迫られているのだと思う。

2011年8月15日 (月)

泊原発で過去に記録の改ざんがあった

 高橋はるみ知事は泊原発3号機の営業運転再開を認める方針のようだが、泊原発では検査記録の改ざんが行われていたという告発がある。これは週刊現代で報じられたものだ。以下にその記事が掲載されている。

「泊原発3号機・検査結果は真っ赤な改ざんです。」と検査官の下請けさんが内部告発。(「権力とマスコミの横暴を正し、人権を守る国民の会」in入間)

 これを読むと、安全性を第一に考えねばならない原発内で記録の改ざん、実験データの改ざんが行われ、事故原因の究明がおろそかにされているのかが分かる。こういうことは全国の原発で日常茶飯事なのだろう。これが日本の原発の実態だ。

 北海道電力は毎月「あなたのでんき」というパンフレットを配布しているが、そこでは福島第一原発の事故を受けて、津波や電源喪失に対する対策をしたと説明されている。8月号では「泊発電所におけるシビアアクシデントへの対応策についてお知らせします」として、5項目の対応策が書かれている。重大な事故を想定した対策をしているから安全だといいたげだ。

 しかし、いくら対策をしても事故はなくせない。人間のやることに間違いはつきものだし、北海道だっていつ巨大地震に襲われるか分からない。シビアアクシデントなどあってはならないのであり、対策をとればいいというものではない。

 北電も知事もいったい何を考えているのだろう? 福島第一原発の事故を見れば、ひとたび重大な事故を起こしたらアウトだということは自明だ。作業員に大量被曝させ、地域住民どころか世界中の人々の命を脅かし、農畜産物を放射能汚染させ、放射能汚泥を発生させ、地域も国の経済も崩壊させる。それなのに電力会社は保障すらろくにできない。

 あれだけの大事故を前にして、なぜ、電力会社も知事も原発廃止の選択ができないのか。そこまでお金や利権が大切なのか? あまりにも無責任で言葉もない。

2011年8月14日 (日)

裁判記録の閲覧・謄写の実情

 昨日は「不可解な縦覧文書のコピー禁止の理由」という記事を書いたが、今回は裁判に関わる書面の複写のことについて書いておきたい。

 裁判所に保管されている裁判記録は原則として閲覧することができる。裁判は原則公開ということになっているからだ。ただし刑事裁判の場合は制限が多いらしい。裁判は公開ではあるのだが、実際には書面のやりとりが主なので傍聴に行っても何をやっているのかさっぱり分からない。だから、具体的にどのようなやりとりがされているのかは裁判所に行って記録を閲覧するしかない。もっとも裁判記録を閲覧するには、事件番号をあらかじめ調べておく必要がある。

 ところで、第三者による裁判記録の閲覧は、その名のとおり「閲覧」しかできず謄写(複写)は禁止されている。しかし、利害関係者の場合は謄写もできることになっている。私も札幌地裁に裁判記録の閲覧・謄写に行ったことがあるのだが、裁判所の対応にはいろいろ驚くことばかりだった。

 まず、あらかじめ電話をして事件番号を告げ、裁判所に行く日時を伝えておいた。事件によっては閲覧できないものもあるようだし、事件記録を準備するにも時間がかかるらしい。

 閲覧・謄写の手続きを済ませると、記録閲覧室で分厚い裁判記録を渡される。書類は紐で綴じられており見ただけでコピーするのは難儀だなあと思うのだが、それを見越したように書類をバラさないようにと言われる。しかも、コピーしやすくするために紐を緩めたい場合も、係員に申し出でろというのだから、呆れてしまった。監視下で閲覧しコピーを取らなければならないという感じだ。

 コピー機はコンビニなどにあるような、お金を入れて自分で操作するタイプだ。この料金がコンビニの倍の一枚20円もするのだ。職員にコピーを依頼する場合は、何と1枚50円になる。今の時代、維持経費を入れても20円というのは高すぎで、どう考えてもボッタくりだろう。

 分厚い書類を全部コピーしていたら時間も労力も金額も大変だ。そこで、カメラでの撮影をしていいか聞いてみると、ダメだという。コピーによる複写が可能でも写真撮影がダメだとは、まったく理解できない対応だ。カメラを許可してしまったら、コピー代で稼げなくなるからだろうか?

 ちなみにインターネットで調べてみると、カメラによる撮影は裁判所によって対応が違うようだ。これも信じがたいことだ。

 ある程度の謄写をするにはそれなりの時間がかかるのだが、コピー機を長時間使っている人がいたら待たされることになる。遠くから閲覧・謄写に来たのにコピーで待たされ、写真撮影もできないなどという事態は問題だろう。

 裁判記録の閲覧や謄写ができるといっても、実態はこんな具合なのだ。裁判所は国民に対して開かれているとはちょっと言い難い。少なくともコピー代金は高すぎるし、カメラでの撮影が禁止というのも見直すべきだと思う。

2011年8月13日 (土)

不可解な縦覧文書のコピー禁止の理由

 7月の下旬のことなのだが、「岩松発電所新設工事環境影響評価方法書」の縦覧をしているという情報を得たので、縦覧場所である十勝総合振興局(旧十勝支)に出かけた。これは北海道の環境影響評価条例に基づいて実施されているもので、縦覧期間は1カ月しかない。

 縦覧には自然保護団体のメンバー2人で行ったのだが、縦覧用の資料は一冊しかないという。仕方ないので2人で一冊を見たのだが、もし同時に2人以上の縦覧希望者が訪れたなら先着順ということになるのだろう。遠くからやってきて何時間も待たされたのではたまらない。一冊しか置かないというのはいかなる理由なのだろうか?

 さて、それなりにボリュームのある資料なのでコピーをしたいと聞くと、コピーは禁止だという。それではデジカメの撮影はどうかと聞くと、これもダメだという。理由を尋ねると「北海道電力に著作権があるので・・・」ということだった。

 なんとも釈然としないが、コピーがダメだというのだからメモを取るしかない。それにしても、著作権が北電だから複写が禁止だというのは解せないではないか。何もすべてを複写したいわけではなく、重要部分だけでいいのだし、目的は意見書を書くためだ。それに著作権法では文書などの複写が全面的に禁止されているわけではない。私的使用であればコピーは認められる。著作権を理由にコピーを禁じるのはやはりおかしいのではないか?

 そこで、縦覧文書を返す前に担当者にもう一度突っ込んで聞いてみると、今度は「これは北電の所有している著作物で、こちらは縦覧のために場所を提供しているだけです。コピーについて問われた場合、道庁からそう答えるよう言われています」と何とも事務的な答えだ。条例に基づいて道民に縦覧しているのに、北電の所有物という理由でコピーを禁止するのも変だ。借りているものだからといって私的使用のためにコピーしたらいけないということにはならないだろう。

 岩松ダムの新設工事は北電の事業なのだが、電力会社は独占企業で道民が支払う電気代で成り立っているのだ。それなのに北電の所有物、著作物であるという理由でコピーを取るなというのはふざけた話しではないか。しかも行政文書ではないから開示請求の対象にもならない。

 公共事業のパブリックコメントであれば寄せられた意見は普通ホームページに掲載される。しかし北電の事業の場合、意見は北電に出すことになっており、提出した意見がホームページなどで公開されるのかどうかも分からない。

 いずれにしても、道民にじっくり検討して意見を言って欲しい、という姿勢ではない。

2011年8月12日 (金)

クンちゃんブログの削除に乗り出した文芸社

 少し前に「批判ブログの削除に必死な幻冬舎ルネッサンス」という記事を書いたが、今度は文芸社の話し。

 昨日、元文芸社社員である「クンちゃん」のブログを覗いたところ、なんだか様子が変だ。どうやらクンちゃんの内部告発に対し、文芸社が我慢ならなくなってブログ運営会社のgooに削除要請をしたようだ。なんと姑息なことか。

非緊急速報・文芸社、クンちゃんブログ削除をgooに要求! クンちゃん屈服の気配!?

 とはいっても、そこはさすがのクンちゃん。なんと削除要請のあった記事を再度アップしてしまった。とにかく証拠となる書類をちゃんとアップしている記事なのに、一体なにが名誉毀損だというのだろう。クンちゃんも通算No18の記事の「追記」で以下のように書いている。

 こうまでして、文芸社を防衛しようとしたクンちゃんが、いま何故、これらを公表するのか。

 それは、これほどまでに度を超した人物が、実質的にこの会社を動かしている実態を明らかにすることがひとつ。
 それから、役所はすべて(これは行政から、司法から、捜査機関に至るまで)同様であるが、
 いったん落着させた事案を再びいじくりまわすことはない。
 検察には、たとえば不起訴事案を「再起」するという処分があるが、そんな措置は簡単にはできない。
 裁判の「再審」もしかりであることは誰でも承知している。
 行政も同じである。いい加減な措置であろうと、いったん終結させた事案を再び問題にすれば、多くの人間の責任が問われる。
 したがって、この問題をいま公表したところで、ふたたび蒸し返しにはならないと知っているからである。それを証明づけるため
 に、担当官の名刺記載のアドレスに、このブログを送信しておいた。

 つまり公益目的に公共の利益に関する事実を書いているのだから、名誉毀損に該当しないのは明らかだ。それにここに書かれた不法行為が罪に問われることもまずない。gooが通報者に言われたままに削除要請をしているのであれば、見識を問われるというものだ。

 クンちゃんは削除要請に応じないと思うが、gooの対応が見ものだ。ちなみに、ブログの削除要請に関して以前私が書いた記事をここに紹介しておこう。

削除要請とブログ運営会社の姿勢 

 ここではブログ運営会社から名誉毀損を理由として削除要請の通知を受けた有田芳生さんと山口貴士弁護士の事例を紹介している。お二人とも名誉毀損は不当であるとして記事の削除を拒否したのだが、ブログ運営会社は強制的な削除はしていない。記事を書いた本人が認めてもいないのに、裁判所でもないブログ運営会社が勝手に名誉毀損だと決めつけて強制削除してしまったのなら、権利の濫用ではないだろうか。だから、ブログ運営会社も削除することはできないのだ。

 誰が見ても明らかな誹謗中傷を書いているのならともかく、名誉毀損か否かで当事者同士の見解が食い違っているのなら、その最終判断は裁判などといった法的判断に任せるべきなのだ。

 だから、ブログ運営会社に削除を要請する方も姑息だし、通知があったからといってすぐに利用規約を持ち出して削除要請を求める運営会社もどうかと思う。それに通報者の名前を通知しないというのもおかしな話だ。

 こんなことがあったので、削除要請のあったクンちゃんの記事をもう一度読み直してみた。文芸社の内情が赤裸々に語られているのだが、これは単に知られたくないだけの話だろう。文芸社だって、これとよく似た真実を追求する本を出版しているではないか。そのことは以下の記事にちゃんと書いてある。

本屋に並ぶ「私家版」、その光と影 

 この記事には触れられていないが、「命の雫」(島袋勉著、文芸社刊)という本は自衛隊の「訓練」という名の暴行によって亡くなった若き自衛隊員の父親の手記だ。

 このような本を出版している一方で、自社の内実を書いたブログ記事は誹謗中傷だといって削除を求めるのは矛盾している。社員の不法行為を暴かれたくないなら、不法行為とは無縁の会社を目指せばいいではないか。クンちゃんだって、それを望んで書いているのだ。

2011年8月10日 (水)

原発がないと北海道の電力は不足するのか?

 泊原発3号機の営業運転再開を巡って、高橋はるみ知事が不満を示している。といっても高橋知事は再開を容認する姿勢を崩してはいない。

 高橋知事は、「3号機の営業運転再開が再稼働に当たらない」ということについて国から納得できる回答があれば営業運転再開を認めるという無責任な態度をとってきた。そして、その回答が9日にあったのだ。

 ところが、北電は知事の最終判断を待たずに9日に原子力安全・保安院に対して3号機の最終検査を申請した。こういう姿勢に知事は不満を露わにしたというわけだ。つまり、手続き上の問題で気分を損ねたということに過ぎない。

 泊原発の3号機については、道内の住民38人が営業運転再開差し止め訴訟を起こしたばかりだ。ところが知事は道民の意見を聞いて判断しようという姿勢がまったくない。高橋知事は原発がなければ電力が不足すると言っているのだが、本当にそうだろうか?

 以下のサイトをご覧いただきたい。

今朝の北海道新聞にエネルギー問題を考えると云う特集が載っていました

 これによると北海道電力の場合、原発を除く電力供給量は624万kWであるのに対し、最大需要電力は547万kWなのだ。

広がる「原発不要論」==北海道では、泊原発がなくても、冬場の需要もOK==焦りの中で既成事実化を急ぐ北海道電力=

 この記事にあるように、北海道新聞は泊原発がなくても企業が所有する自家発電を総動員すると十分賄える、という記事を書いているそうだ。

 さらに以下の記事をお読みいただきたい。

北海道電力浮遊の需給仮に泊原発全停止でも問題がないとのこと

 この記事を書かれたご本人が北電に電話で確認したところ、「北海道のピークは12月となっています。仮に泊原発が全部止まったとしても問題なく電力を需給できるだけの余力があります」と答えたそうだ。

 北海道電力では、東北・東京電力に海底送電線経由で60万kWの電力を提供しており、さらに夏場は30万kWの追加支援を実施しているのだが、この90万kWというのは、泊原発3号機の発電量に等しい。つまり、北海道民は本州の人たちのために危険な原発を押し付けられているようなものであり、福島原発と同じ構図だ。都市の電力が足りないというのなら、地方に原発を押し付けるのではなく都市に原発を建設してもらいたい。

 そもそも北海道では人口が減少している。太陽光などの自然エネルギーのほか、天然ガスやバイオガスの利用を進めれば、原発などまったく必要ないだろう。それに、節電意識はまだまだ低い。高橋はるみ知事は電力不足を原発容認の根拠としているが、勉強不足であり努力不足だ。というより、高橋知事にとっては「はじめに原発ありき」なのだろう。

2011年8月 9日 (火)

告訴状を送った警察署の速やかなる対応

 私の戸籍謄本の不正取得事件については「行政書士が私の個人情報を不正に取得していたことが判明!」 に書いたが、元文芸社社員「クンちゃん」のブログでは、行政書士が戸籍謄本を取得する際に使用した職務上請求書を掲載している。実物を見たい方は以下をどうぞ。

続続・ダニの正体に迫る鬼蜘蛛! 不正使用の「職務上請求書」はこれだ!(通算No57) 

 さて、違法行為が判明した以上、法的手段を行使することにした。この戸籍謄本不正取得は戸籍法133条違反だ。私の戸籍の所在地を知るために家族の住民票も不正取得しているとしか考えられず、これは住民基本台帳法52条違反になる。また、不正取得された戸籍謄本が興信所に渡されているなら、興信所も共犯ということになる。こちらは刑法第61条1項に該当する。そこで告訴状を書いて証拠資料とともにK行政書士の事務所所在地の管轄警察署に7月28日に送付した。

 警察署の反応は素晴らしく早く、翌29日の午後に電話があった。あまりにも迅速で素晴らしい対応だったので、さっそく捜査に取り掛かるのかと思いきや、どうも様子がおかしい。で、そのやり取りなどを、ここで紹介してしまおう。実際にはもっと細かいことも話したのだが、だいたいこのようなやりとりがあったということで、お読みいただきたい。

 まず、電話してきた刑事課のN崎さん、警察署の名前を告げたあとこのようにおっしゃった。

N崎:告訴状が届いたんですが、こういうものをなんでこちらに送ったんですか?

 一瞬頭の中が???状態になった。が、そのあとN崎さんが言いたいことを察した。

松田:何でって、そちらはK行政書士の事務所所在地の管轄警察署だからですよ。

N崎:こういう物を送られても・・・会ってお話を聞かなければならないんです。東京まで来られませんか?

松田:遠いので簡単には行けないです。分からないことがあれば、電話で説明しますから。

N崎:電話ではダメなんです。被害者の方に直接お話しを聞いて調書を取らなければならないので。それから、告訴状と資料が一体となっていないので、これではまずい。

松田:以前、東京地検に告発したことがあるんですけど、同じような形式でちゃんと受け取りましたよ。

N崎:・・・。あとでまた電話します。

 ということで、電話は一度切られ、しばらくしてからまた電話があった。

N崎:やはり、直接話を聞いて調書をとらなければならないんです。

松田:被害届ならそうでしょうけど、告訴は書面でできるはずですよ。

 少しやりとりしたが、N崎氏は「もう一度電話する」といって電話を切った。その後、上司と思われるF井氏から電話がかかってきた。

F井:事件として成り立つかどうか分からないんです。背景がわからないので、こちらに来ていただいて話を聞き、調書をとらなければならないんです。こちらに来られないというのであれば、そちらの所管の警察署に行って説明し、調書をとってもらいたいんですよね。

松田:背景なら、告訴状に書いてありますよ。分からないところがあるなら、電話で聞けば説明します。

F井:担当者と電話を代わっただけで、私は告訴状は読んでいないんです。書面だけで捜査するわけにはいかないんですよ。告訴の場合も、みなさん、来ていただいているんです。

松田:まず告訴状を読んでから電話してもらえませんか。告訴はどこの警察署にもできるはずでしょ。東京の行政書士の不正行為ですから、帯広に告訴したら東京に移送しなければならないでしょ。以前、帯広警察署に告発のことで問い合わせをしたことがありますが、東京での事件であれば東京に出してほしいと言われましたよ。被害者の居住地では東京に出せといい、東京では被害者の居住地に出せというならたらい回しではないですか。

F井:ふつう告訴は被害者の居住地にするものなんです。たとえば私の管轄地に居住している被害者が、大阪で起こった事件で告訴した場合、こちらで受けて大阪に行って捜査します。とにかく調書をつくらなければならないので、東京に来られないのなら地元の警察署に出してください。

松田:調書が必要だって言いますけど、その法的根拠は何なんですか?

F井:そういうことじゃなくて、被害者に直接会って話をきかないと進められないんです。別に受理しないといっているわけではないですよ。来てほしいと言っているだけです。人を拘束したりというのは責任があるので、きちんとした証拠をとらなければそんな簡単に動けないんですよ。

松田:それじゃあ、交通費を出してくれるんですか?

F井:それは出せません。

 とにかく東京に来い、来られないなら帯広に出してほしいと繰り返されるので、「弁護士に相談してみます」といって電話を切り、すぐに弁護士に電話した。弁護士からは以下のようなアドバイスがあった。

・(概要と添付した資料について説明すると)それだけ証拠を出しているなら、十分だと思う。
・犯罪の行為地は東京なので、東京の警察署に出すのは適切。
・調書というのは証拠となるものだ。もし東京に行けないのであれば、何が知りたいのか具体的に項目を提示してもらい、それに対して供述書を出せばよいだろう。

 弁護士の言っていることはもっともだ。そこでF井氏に電話して、上記の弁護士の見解を伝え、供述書を出すということで対応してほしいと伝えた。すると、今度はこんな風に言ってくる。

F井:何と言う弁護士ですか? 弁護士と直接話しをしたいので、電話番号を教えてほしい。いや、弁護士からこっちに電話してほしいと、そう伝えてください。

松田:告訴を弁護士に委任しているわけではないので、弁護士は詳しいことは知らないんです。

 弁護士の見解を伝えた途端、こんどは私ではなく弁護士と話しをしたいという。とりあえずここで電話を切り、弁護士に再度電話で相談すると以下のアドバイスがあった。

・警察が受けるのか受けないのかはっきりさせ、受けないというなら検察に出したらどうか。

 ということで、再びF井氏に電話。

松田:受理するんですか、しないんですか?

F井:受理しないといっているわけじゃないんですよ。東京に来られないなら帯広に出してほしいと言っているだけなんです。

松田:東京には行けません。行けないなら進められないってことなんですか?

F井:そうですね…。

松田:それなら検察に出しますから。その際には警察署の対応についても説明させてもらいます。

 告訴状の宛先を東京地検に書きなおしていると、4時半ころにF井氏から再度電話があった。

F井:さきほど告訴状を読んで内容は分かりました。北海道ではなく東京で戸籍や住民票の取得をしているんですね。ならば東京の方で捜査することになる。さきほど帯広警察署に出すように言いましたが、帯広警察署に出すとこちらに送ってもらったりしなければならないので時間がかかります。行政書士が区役所に申請書を出しているのは8月22日だから、19日で時効になるんです。時効が迫っているので、こちらで受けても、あちこち事情聴取したり検察に上げなければならないので間に合わないと思います。告訴状はそちらに返送しましょうか?

松田:帯広警察署には出しません。告訴状はそちらに置いておいてください。

 さきほどまでは「調書が必要」と主張していたが、こんどは「時効が迫っている」といってあくまでも受理できないということのようだ。少なくとも、私はそう受け止めた。

 それにしても不可解なのは時効が19日(金)であると言っていたことだ。申請書を出した22日が違法行為を行った日だと考えているようだが、それなら21日が時効ではないか。土日が挟まっているので実質19日が期限だと言いたいのだろうが、時効が繰り上がるなど聞いたことがない。それに、戸籍法は違法申請を禁止しているのではなく、違法取得を禁止しているのだ。K行政書士は戸籍謄本の写しを郵送してもらっており、入手したのは26日以降と考えられる。ならば時効は25日だろう。まあ、警察官も間違えることはあるだろう。さっきも、帯広に出すのはやはり不適切だと訂正したのだから。

 ちなみに刑事訴訟法第242条では、告訴・告発を受けた司法警察員は速やかに書類および証拠物を検察官に送付しなければならないとしている。時効が迫っているといってもまだ3週間以上あるではないか・・・。まさかF井さん、この条文をご存知ないわけではなかろう。

 F井氏は最後に「告訴状を返送しましょうか?」と聞いたが、私が返送を了解したなら「告訴人が自ら告訴を取り下げた」という扱いになったのだろう。

 もちろん、このあと直ぐに東京地検特捜部直告班に告訴したことは言うまでもない。形式上の問題で不受理にならないよう、念のため「告訴人が告訴状のタイトル及び内容等で不備等がありましたが、ただちに追完いたしますので、ご連絡くださるようお願いいたします」と付記しておいた。東京地検には1日に届いているはずだが、今のところ地検からは何の連絡もない。受理したのであろうと考えている。

 警察は送検する手間が省けたから時間の短縮になっただろう。私への電話は実に速やかだったが、同じくらい速やかに捜査に取りかかれば、優秀な捜査官はこの単純で明快な不正事件を立件することなど、お手の物だろう。しかも、興信所の調査報告書を持っている「クンちゃん」は、「続続続・ダニの正体に迫る鬼蜘蛛! 法的措置に出る鬼蜘蛛!(通算N57)」という記事で「なんらかの法的根拠のある開示命令的なものがクンちゃんに来れば開示できます」と言っているのだから、捜査機関は容易に調査報告書を入手できるはずだ。

 こんな単純な事件が解決できないなら、まさに職務怠慢ということになる・・・と思う。東京地検には大いに期待したい。

2011年8月 7日 (日)

店主の心意気が伝わってくるいわた書店

 北海道新聞の日曜日の2面に「サンデー討論」という対論形式のコーナーがある。今日のそのコーナーを見て、思わず目が釘付けになった。

 今回のテーマは「マチの本屋はどうあるべきか」。発言されているお二人のうちの一人は、砂川の「いわた書店」の岩田徹さんだ。

 私は昨年「小さな街の書店のゆくえ」という記事を書いたのだが、実はここで取り上げている書店とは、この「いわた書店」なのだ。書店の名前は記憶になかったが、これを読んですぐに「あの本屋さんだ!」とピンときた。

 私は上記のブログ記事で「もちろん大きな書店ではありませんが、驚いたのは社会系の本が充実していたこと。ふつうこの規模の書店では、雑誌とか実用本、話題になっている本やベストセラーの本などが主流です。どうみても、売れる本を売ろうというのではなく、売りたい本を売るという、店主の主張が伝わってくる選本です」と書いた。

 サンデー討論で岩田さんはこんなことを言っている。

 「かつて砂川でも大きな書店の進出がありました。40坪対200坪、同じ土俵じゃ負けちゃいます。量より質で活路を見出しました」
 「店内も工夫しています。市立病院が近いので医療関係の本や、僕が一番売りたいと思う本を手前に置きます・・・」

 私の感じた通りだった。たとえ小さな街の小さな本屋さんでも、お客さんのニーズを知り、店内の配置もきめ細かい工夫をする。そして、店主が本の仕入れを実に念入りにやっていることが、この記事からしっかりと伝わってくる。

 岩田さんは最後にこう言っている。 「その町のお客さんを覚え、その人に向けた本を並べられたら、マチの本屋は十分やっていけると思います」

 その通りだと思う。今は大型店ばかりが人気だが、お店というのは大きければいいというものではない。あまりにも大きな書店では検索機で在庫の有無や置かれている棚を確認しなければ本を探すのも大変だし、これでは何とも味気ない。自分の居住する地域にあって限られたスペースに「光る一冊」を見つけられる書店、お客さんの意向をきめ細かく汲み取って仕入れに活かす書店こそ、充実しているといえるのではないだろうか。

 いわた書店のHPを覗いてみた。トップページを読むだけで、店主の心意気が伝わってくる。

http://homepage3.nifty.com/iwata/

【8月8日追記】

北海道新聞の記事は、いわた書店のサイト(波乱万丈いわた書店日記)で紹介されている。
http://homepage3.nifty.com/iwata/

マイマイガの寄生蜂

 「カラマツを食害するマイマイガ」 で書いたように、私の居住地周辺では今年もマイマイガの幼虫が大発生した。しかし、それと同時にマイマイガの幼虫に寄生したコマユバチをあちこちで見かけた。こんなのがあちこちにある。

P10209401

 もっと凄いのはこちら。これだけ大量に寄生されたら、ひとたまりもないだろう。

P10209322

 だから、蛹になる前に死んでしまった幼虫も多数いるのだ。とはいっても無事に蛹になったマイマイガも多数いる。ところが、その蛹もやはり寄生蜂に狙われているのだ。以下はヒメバチの仲間だと思うが、マイマイガの蛹を物色している。

P10209393

 マイマイガの蛹もそれを知っているのだろう。巧みに木の葉を綴り合わせて寄生蜂の攻撃を防いでいるものも多い。しかし、寄生蜂も綴り合わせた葉の隙間から何とか蛹に卵を産みつけようとする。下は蛹に産卵する寄生蜂。

P10209374

 こういう光景を見ると、やはり自然はうまくできていると思う。マイマイガが増えれば寄生蜂が増える。その寄生蜂も寄主が減ればまた減っていくのだ。こうやって大発生は終息に向かう。

 今のところまだマイマイガの成虫は見られない。果たして、これだけの天敵が発生したなかで、成虫はどれくらい発生するのだろうか。

田中三彦氏出演の幻の映画「あしたが消える-どうして原発?-」

 昨日は原子力資料情報室が田中三彦氏の冷却剤喪失事故についての解説を中継した。福島第一原子力発電所の冷却剤喪失事故については「地震による冷却剤喪失事故を無視して国民を騙し続ける姑息な東電」に簡単に書いたが、今回は英語逐次通訳つきの解説だった。以下はアーカイブ映像。

http://www.ustream.tv/recorded/16467539 

 冒頭に今から22年前に制作されて公開されずにいた幻のドキュメンタリー映画「あしたが消える-どうして原発?-」が流された。5分ほどの短い映像なので、ここだけでもご覧いただきたい。若き田中三彦さんが、福島第一原発4号機の欠陥について告発したときのものだ。以前から事故の可能性が指摘されていたにも関わらず、電力会社は何ら対策をとってこなかったのだ。1989年1月に起きた福島第二原発3号炉の事故についても言及しているが、こうした事故が起きる背景には、アラームを無視するなどの電力会社の体質の問題があるという。日本の原発が、いかに安全性を軽視していたのかがよく分かる。

 田中さんの昨日の解説は2時間以上にもなるが、文章による解説が原子力資料情報室のホームページに掲載されている。

“想定外”のためなら何でもする 東電、「シミュレーション解析」騙しのテクニック

 今でも多くの人が津波によって電源を喪失したことが事故の原因だと考えているようだが、地震そのものによって壊れた可能性がきわめて高い。ならば、地震大国の日本で原発を稼働させ続けることは自滅の道を歩むことを意味する。

 政府は福島の事故を受けて、あくまでも想定外の津波に対する対策に重点を置いている。しかし地震で冷却剤喪失事故を起こすなら、いくら津波対策をしても意味がない。

 「あしたが消える-どうして原発?-」が封印されてしまったのは、恐らく圧力がかけられたからだろう。そして、あの福島の大事故の現実を前にしても未だにマスコミは田中さんの「冷却剤喪失事故」の解析を報じようとしない。この国のマスコミは終わっている。

2011年8月 6日 (土)

枯れたトドマツに集まるシラフヨツボシヒゲナガカミキリ

 我が家の敷地にあったトドマツが大きくなりすぎたため、昨年、全面的に枝払いをして枯死させた。そのトドマツに、夕刻になるとヒゲナガカミキリが集まってくることに気付いた。

P10209431

 集まってくるのは、天気のよい日の夕方から夜にかけてだ。下から見上げると多いときには20頭くらいのカミキリが確認できる。その大半がペアになっている。はじめはヒゲナガカミキリだと思っていたのだが、よく見るとすべてがシラフヨツボシヒゲナガカミキリだった。ヒゲナガカミキリの場合は胸部の側方に白い斑点があるのだが、シラフヨツボシヒゲナガカミキリではそれがない。

 さて、ペアになっているといっても交尾をしているわけではない。雌は樹皮をかじって傷つけているのだ。雄は雌の体を押さえるようにしている。

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 そして、樹皮に傷をつけるとこんどは向きを変えて腹部の先端を傷口に差し込んでいる。産卵しているのだ。産卵の時も、雄は雌の体に脚をかけて押さえている。雄は雌を守っているのだろう。

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 トドマツの幹を見ると、あちこちにカミキリがかじって傷つけた跡(産卵痕)が残されている。

P10209554

 かつて、大雪山国立公園の十勝三股周辺で伐採が盛んに行われていた頃、土場の丸太に多くのカミキリムシが集まるということで、昆虫マニアの間では有名だった。カミキリムシは伐られた丸太を察知して集まってくるのだ。しかし、カミキリムシのもともとの産卵木は伐採木ではなく自然に存在する枯損木だ。我が家のたった1本の枯れたトドマツですら何十匹ものカミキリムシが集まってくる。一体どうして枯れた木を察知するのだろうか。

2011年8月 5日 (金)

ウチダザリガニを増やした機関庫川の河川改修

 去る7月25日、帯広市内を流れる機関庫川の河川改修事業について、河川管理者の帯広建設管理部(旧帯広土木現業所)による現地説明会が開催された。

 この日視察したのは帯広北高校から「まなび野公園」にかけての区間、および稲田4号橋付近だ。帯広北高校から「えがお橋」の上流までは昨年でほぼ整備が終わっている。

 長靴で渡れる小さな河川に、ずいぶん大掛かりな工事をするという印象だが、10年に1度の確率の規模の洪水を想定して断面を確保するのだという。十勝川の場合は150年に1度の確率の洪水に対応する河川整備をしているが、小中河川の場合は10年~30年に1度の確率の洪水に対応した整備をするとのこと。また、川の両側に管理道路(片方は舗装道路でもう片方は砂利道)をつけるという。

 実際に現地を見て、いくつかの疑問が浮かびあがった。まず、昨年河川改修をした「えがお橋」から帯広北高校にかけての区間で河床に玉石を敷いていること。この河川にはもともと玉石はないので、意図的に持ち込んだものだ。この玉石は特定外来生物であるウチダザリガニの格好の生息地となる。しかも、このあたりの河川敷は樹木がないために川に直射日光が当たり、藻類が付着している。これがウチダザリガニの餌にもなる。

P10208901

 下の写真は「えがお橋」の上流。ここにはかつてバイカモが生育していたが、今は見られない。ウチダザリガニが採食してしまったようだ。このあたりでは、地域住民の方が河川敷の草刈りをしているという。なんとも味気ない景観だ。

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 この河川改修は「ふるさとの川整備事業」として国交省から認定を受けている。では「ふるさとの川整備事業」とは何か? 以下に説明がある。

ふるさとの川整備事業(国土交通省)

 これによると目的は「河川本来の自然環境の保全・創出や周辺環境との調和を図りつつ、地域整備と一体となった河川改修を行い、良好な水辺空間の形成を図ること」なのだそうだ。しかし、「自然環境の創出」とはなんだろうか? 自然環境の保全や復元ならわかるが、創出というのは意味不明だ。神様じゃあるまいし、「創出」などとはおこがましい。こういう発想がいかがわしい「多自然型川づくり」につながっているのだろう。

 河川管理者は、洗掘を防ぐ目的で玉石を入れたと説明していたが、おそらく川の水深を均一化し、玉石を敷くことで子どもたちの水遊びの場をつくりたかったのだ。しかし、利用を中心とした不自然きわまりなりない発想によって、ウチダザリガニを増やしバイカモを消滅させることになってしまった。

 7月30日には十勝自然保護協会がこのあたりで「稲田のウチダザリガニを退治する会」を実施したが、何と684匹も捕獲された。

 もう一つ不可解なのは、河川の両側に管理用道路を整備するということだ。なぜ両側に整備しなければならないのだろう? 道路の整備は一部の樹木の伐採をすることにもなる。散策の道が欲しいのなら、遊歩道で十分だろう。両側の管理道は過剰な整備としか思えない。

 河川管理者によると、この川の隣接地に住宅が造成されたので、洪水被害を防ぐために河川改修が必要になったのだという。川の近くまで宅地開発をさせたことにも問題がある。また、洪水対策であればこれほど大掛かりな工事をしなくても、部分的な掘削と土盛りで対応可能なのではなかろうか。とにかく、工事のための整備という感が否めない。

 下の写真は豊成小学校建設地のあたりだ。奥の樹木が生い茂っているところが河畔林で、この中を蛇行して機関庫川が流れている。こういう景観が機関庫川の原風景だ。機関庫川は「キラッと帯広!景観百選」にも選定されているのだが、こうした原風景に近い河川に戻すことこそ「自然百景」にふさわしいのではなかろうか。

P10208993

 この豊成小学校の隣接地にある池にも玉石を入れて整備をするらしい。

豊成小学校移転準備検討委員会ニュース

 しかし、説明会では池の整備についての説明は一切なく「ここの部分は管理用道路をつけるだけで基本的に手をつけない」と言っていた。

 水辺の空間を散策などに利用するのはいいのだが、本来と異なる環境を創出するなら自然破壊でしかない。自然の池と人口の池の位置づけを履き違えたような整備も疑問だ。

【8月10日追記】
 豊成小学校の隣接地にある池は、自然のものではなく以前の地主が掘ったものであることが判明しました。お詫びして訂正します。

2011年8月 3日 (水)

泊原発の廃炉を求める裁判に参加・支援を!

 「泊原発の廃炉を求め弁護士らが提訴へ」でお知らせしたように、去る7月7日に「泊原発の廃炉をめざす会」の設立集会が開かれ、330人もの方たちが参加されたそうだ。公式サイトも立ちあがった。

泊原発の廃炉をめざす会 

 会では10月末までに北海道電力に対し泊原発の廃炉を求める訴訟を起こす予定にしている。めざすは1000人規模の原告団だ。原告になりたい方も、サポーターとして協力したいという方も、一口1000円を送金することで参加できる。申し込みは以下のページから。

参加要項 

 また、会では道内各地で講演会を予定しており、8月6日には以下の講演会が開催される。

講演会「泊の活断層について」
日時:2011年8月6日
講師:渡辺満久 東洋大学教授
時間:17:30 ~ 20:00(開場17時)
場所:かでる2・7 820号室(札幌市中央区北2条西7丁目道民活動センタービル)

 さらに8月17日、18日にも小野有五氏の講演会が予定されている。詳細については以下をご覧いただきたい。

イベント情報 

 泊原発については、つい先日、泊三号機の営業運転差し止め訴訟も起こされた。この訴訟をはじめ道内でのアクションなどについては、以下のサイトを参照していただきたい。

脱原発ネットワーク・北海道 

 福島第一原発がとんでもない状況になっているのに、政府や東電は相変わらず情報を隠ぺいしたり安心情報ばかり流している。一人ひとりが声を上げなければ原発を止めることはできない。メール、ブログ、ツイッターなどで多くの人に知らせてほしい。

2011年8月 2日 (火)

児玉龍彦教授の発言の重大性

 7月27日の衆議院厚生労働委員会での児玉龍彦教授が話しがYouTubeにアップされ、ツイッターなどで大きな反響を呼んでいたのだが、YouTubeや書き起こしをしたブログなども削除されているとか。以下は岩上安身さんのツイッター。

http://twitter.com/#!/iwakamiyasumi/status/98106635683246080
拡散します。 RT @sasuriya34: @hanayuu 児玉教授のYouTubeどころか文字おこしブログ自体も削除されまくってるようで。。保存していた動画を自宅サーバーに上げました。これなら削除されないかと。拡散お願いします。 
http://sasuriya.net/ 

 児玉教授の発言を書き起こした守田敏也さんの以下のページを是非お読みいただきたい。

放射線の健康への影響について(児玉龍彦教授国会発言)改訂版(明日に向けて)

児玉龍彦さん発言の補足資料です・・・ 

 守田さんは児玉さんの発言に対して詳しく考察しており、これも大変参考になる。

シーベルトの嘘(小玉龍彦教授の発言によせて①)

南相馬の放射能汚染除去について考える(児玉龍彦教授の発言によれて②)

 クリス・ガンダーセン氏も、ホールボディーカウンターではセシウム以外の危険な核種による被ばくは分からないと言っていた。

ホールボディーカウンターより核種の調査をすべき

 内部被ばくの場合、一般の線量計では測れないα線やβ線を出す核種がどうなっているのかが問題なのだ。政府もマスコミもこういった重要なことをほとんど報道しない。児玉さんも、まさしくそのことについて指摘している。

 守田さんはYouTubeを引用し、枝野官房長官が南相馬市を訪問したときだけ重装備だったことを取り上げ、南相馬市からα線を出す核種が見つかっていることについて言及している。政府はこういうことを知っていながら住民に伝えていないとしたら、あるいは「健康に影響を与えるレベルではない」などと言っているのなら、その責任は限りなく重い。

 昨日は福島第一原発の1号機と2号機の間で毎時10シーベルト以上という猛烈に高い放射線量が測定されたというニュースが流れた。これについての小出裕章さんのコメント(毎日放送「たねまきジャーナル」の書き起こし)が、以下に掲載されている。

小出裕章「10シーベルトの被曝をすると2週間以内で死にます」(ざまあみやがれい!)

 そして、今日になって、別の場所でも毎時10シーベルト以上を測定したと報道された。とんでもなく高い線量だが、東電も政府もその原因についてはっきりしたことを言わない。いったい福一では何が起こっているのだろう?

2011年8月 1日 (月)

カラマツを食害するマイマイガ

 昨年、「カラマツハラアカハバチの大発生」という記事を書いたが、今年も同じカラマツが食害を受けていた。

P10209131

 枝先の色の薄い葉が長枝の葉で、色が濃く束生しているのが短枝の葉。食べられているのは短枝の葉だ。カラマツハラアカハバチは、長枝の葉は食べずに短枝の葉を食べる。だからはじめは今年もハバチに食べられたのだろうと思っていた。

 ところがカラマツの下の道路の状況が昨年とは違うことに気がついた。ハバチのような細かい糞ではなく、粒状の糞だ。

P10209202

 そこで、枝先をよくよく見ると、マイマイガだ。こちらは終齢幼虫。もうじき蛹になるだろう。

P10209163

 蛹もあちこちについている。

P10209184

 北海道ではマイマイガが3年ほど前に大発生し、昨年あたりから終息に向かっていたようだが、私の居住地あたりでは今年もかなりマイマイガの幼虫を目にした。シラカンバ、イタヤカエデ、オオバボダイジュなどがかなり食べられたし、樹の枝から糸を引いて下に移動する幼虫もずいぶん目にした。幼虫はこうやって移動するので「ブランコ毛虫」とも言われている。

 そして、木の葉だけではなく草本の葉まで食べてしまう。驚いたことに鉢植えのゼラニウムの葉まで食べられた。あんな匂いのきつい植物でも平気で食べてしまうのだ。

 今年ももうじきマイマイガの成虫が大発生し、家の壁に卵を産みつけられると思うとちょっと気が重い。

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