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2011年6月30日 (木)

自費出版と特定商取引法

 先日、消費者庁がアートコミュミケーションに対し、特定商取引法違反で業務の改善を指示した。以下が消費者庁のニュースリリース。

特定商取引法違反の電話勧誘販売業者に対する指示処分について(消費者庁)

**********

消費者庁は、電話勧誘により俳句、短歌等の作品を書籍へ掲載するなどのサービスを提供していた事業者である株式会社アートコミュニケーション(本社:東京都豊島区)に対し、本日、特定商取引法第22条の規定に基づき、次のとおり指示しました。
① 電話勧誘販売に係る役務提供契約の締結について、契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該役務提供契約の締結について勧誘しないこと。(再勧誘の禁止)
② 電話勧誘販売に係る役務提供契約の締結について、迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘しないこと。(迷惑勧誘の禁止)

1.株式会社アートコミュニケーション(以下「同社」という。)は、全国の図書館から氏名、住所、電話番号などの情報が記載された作品集を収集するなどして、そこから得た情報に基づき消費者宅に電話をかけ、同社が発行する書籍である「Mahoroba(まほろば)」、「Lifework(ライフワーク)」などへの俳句、短歌等の作品の有料掲載、あるいは、作品展における俳句、短歌等の有料展示サービスについて、電話勧誘販売(有料役務提供)を行っていました。

2.認定した違反行為は以下のとおりです。
(1)同社は、消費者が「値段(書籍への掲載料)が高いので、できません。」と断っているにもかかわらず、「宣伝のために説明させてもらいます。」と言って話を続けたり、「(同社に対して一旦考えておくと伝えた後、断りたいと言う意味で)やめるから。」と申し入れをしたにもかかわらず、「入会すると言ったではないか。」と言って、申し入れを受け入れず勧誘を続けるなど、契約の締結をしない旨の意思を表示している消費者に対し、引き続き勧誘を行っていました。
(2)同社は、消費者が明確に断って電話を切った後に、ごく短い間に立て続けに4、5回もの電話をかけて勧誘を続けたり、あるいは、10日くらいの間にわたり、毎日のように消費者に対し電話をかけて勧誘を続けるなど、消費者が迷惑を覚えるような執ような勧誘を行っていました。

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 アートコミュニケーションの商法は「褒め上げ商法」と言われていたらしい。もっとも作品を褒め上げて出版を勧誘する手法は文芸社や新風舎(倒産)でも行われており、悪質出版業者の勧誘方法のひとつだ。

“褒め上げ商法”出版社処分 NHKニュース

 このアートコミュニケーションという会社、どうやらブログなどに批判的なことを書くと、削除要請をしていたらしい。幻冬舎ルネッサンスと甲乙つけがたい。

アートコミュニケーションから削除要求(追記修正あり)(Archives)

 特定商取引法では、訪問販売、電話勧誘販売、通信販売、業務提供誘引販売取引、特定継続的役務提供、連鎖販売取引の6つの取引形態を対象としているのだが、以前は訪問販売、電話勧誘販売、通信販売では、指定された商品やサービス等が規制の対象となっていた。そして、その「指定商品」の一覧は以前から知っていたがここには「雑誌、書籍」というのはあっても「自費出版」は入っていなかった。特定継続的役務提供にも自費出版サービスというのは入っていない。だから、自費出版が特定商取引法の適用を受けるのはちょっと難しいのでは、というのが私の認識だった。

 しかし、平成21年12月1日から「特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律」が施行され、「指定商品」の枠がはずされて原則としてすべての商品・サービスが規制対象になった。以下参照。

悪質商法などの消費者被害を防ぐため 特定商取引法と割賦販売法が改正されました(政府広報)

 アートコミュニケーションに関しては、以前から悪質なことをやっているという話は耳にしていた。今回、消費者庁がアートコミュニケーションを特定商取引法違反として指示処分したというのは、この改正によって自費出版も特定商取引法の対象となることを明確に認めたということだろう。

 もっとも文芸社の元社員である「クンちゃん」によれば、監督官庁は改正前においても自費出版は特商法適用と公式に述べていたらしい。これは知らなんだ!

幻冬舎Rのミッフィー問題をどうすんべか?③(通算No49) 

 ならば、改正前の事例であっても特定商取引法に反するような勧誘などがあれば、適用されるという理解になる。これまで泣き寝入りしていた著者の方たちは、これを活用しない手はないだろう。どんなことが違反になるのかは、以下が参考になる。

消費生活安心ガイド

 以下のページに特定商取引法の規制対象となる「電話勧誘販売」について説明されている。

特定商取引法の規制対象となる「電話勧誘販売」 

 私が文芸社と契約した時も、契約すると言っていないのに勧誘の電話があり、期限までに契約すれば有利になると説明した。さらに、契約書を速達で送りつけて契約を急がせた。あのような行為は特商法違反に該当するのだろう。文芸社や幻冬舎ルネッサンスがやっているような著者に印税を支払う商法は「連鎖販売取引」には該当しないのだろうか?

 身に覚えがある人は消費者庁が相談窓口としている以下の相談室に電話してみることをお勧めしたい。

北海道経済産業局消費者相談室 電話 011-709-1785
東北経済産業局消費者相談室 022-261-3011
関東経済産業局消費者相談室 048-601-1239
中部経済産業局消費者相談室 052-951-2836
近畿経済産業局消費者相談室 06-6966-6028
中国経済産業局消費者相談室 082-224-5673
四国経済産業局消費者相談室 087-811-8527
九州経済産業局消費者相談室 092-482-5458
沖縄総合事務局経済産業部消費者相談室 098-862-4373

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