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2011年6月23日 (木)

地震による冷却剤喪失事故を無視して騙し続ける姑息な東電

 一昨日の原子力資料情報室による解説は、田中三彦さんによる東電シミュレーション批判だった。以下がアーカイブ。

http://www.ustream.tv/recorded/15539453 

http://www.ustream.tv/recorded/15524200 

 東電が5月16日に出した公式データに基づいて田中三彦さんが解析をした結果を説明したものだ。1号機のパラメータのデータを解析し、そこから何がわかるのかを説明している。

 田中さんは時間をかけて丁寧に説明されているので詳しいことはアーカイブを見ていただきたい。田中さんは、福島原発は地震そのものによる配管破断で冷却剤喪失事故を起こした可能性が高いとだいぶ前から指摘している。今回の田中さんの主張はおおむね次のようなことだ。

 田中さんの分析の要点は二つ。地震直後から圧力容器内の水位がどんどん下がっているが、どのように漏れたのかということと、格納容器の圧力が設計圧力の4気圧から7.4気圧に上昇したのはなぜか、ということ。

 田中さんは、配管が破断して格納容器内に蒸気が充満、圧力抑制プールが地震で揺れを生じ、蒸気が圧抑制室のプールに吸収されず、圧力抑制機能が働かずに格納容器内の圧力が上昇しつづけたのではないかと推測。配管破断は一気に壊れたのではなく、小さな破断が少しずつ大きくなったのだろうという。再循環系の配管が破断されたか、あるいは主蒸気管かもしれないとのこと。

 一方、東電は配管破断がなかったというストーリーをつくりたいために、急激なメルトダウンが起こって圧力容器に穴があき、格納容器に水蒸気が噴き出して圧力が7.4気圧まで上昇したということにした。配管破断がない、圧力抑制機能も落ちていない、非常用復水器が動いていない、という条件でシミュレーションをしている。しかし、東電の描いたシミュレーションは、データを解析すると辻褄が合わなくなる。東電のシミュレーションのとおりなら、メルトダウンはもっと早く起きていなければ説明がつかない。東電は事故原因を地震ではなく、津波による電源喪失にしたいということだ。

 早期にメルトダウンがあったとしなければ、地震による配管破断を無視した都合のいいシミュレーションをつくることができない。だから、わざわざ1号機ではメルトダウンがかなり早い時点で起きていたと後になって発表したのだ。そして辻褄の合わない水位計の値については、嘘ということで誤魔化している。こういう虚偽のシミュレーションをでっちあげて、IAEAに報告していたということらしい。

 この田中さんの説明は非常に重要だ。東電は何としてでも地震そのものによって原子炉が壊れたということを認めたくないのだ。事故の原因を津波による電源喪失だとすることで、津波対策をすれば原発を再稼働しても問題ないとしたいのだろう。何と姑息なのだろう。そして、政府もそれに同調して再稼働の方向に動いている。

 これほど国民を馬鹿にしたことはない。いったい、東電も政府もいつまで国民を騙しつづけるつもりなのだろうか。

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