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2011年4月26日 (火)

驚きの合同記者会見

 東電や原子力安全・保安院の記者会見の様子はジャーナリストの岩上安身さんなどがインターネットで公開しているが、これまではあまり見ていなかった。しかし、昨日は合同記者会見になったということもあったので中継を見てみた。

 なんとも不可解な記者会見だ。東京電力、原子力安全・保安院、原子力安全委員会というのは独立した別の組織であり、立場も考え方も異なるはずだ。ところが、まるで意思統一しているかのようだ。自分たちにとって都合が良いように、裏ですり合わせしているように思えてならない。同じ場所でやるのはいいとしても、合同でやること自体がおかしい。これでは「同じ穴の狢」であることを自ら認めているようなものだ。

 合同になったために、参加する記者の数も多くなった。説明が広範囲にわたるので、記者の質問も散漫になる。しかも、一番前ではじめから手を挙げていたフリー記者の田中龍作さんを、なかなか指さないという恣意的な進行が露わだった。

 この進行を見ていて、かつて、士幌町で行われた士幌高原道路の説明会のことを思い出した。会場には大勢の地域住民がバスなどで動員されていた。中には腰の曲がったお年寄りもいるし、何の説明会なのかよく分かっていないような若者すらいる。質疑応答になると、主催者の帯広土木現業所は、意図的に地元の推進派の人たちばかりを指し、前の席でずっと手を挙げていた私やSさんを徹底的に無視したのだ。司会者は私の顔をもちろん知っているのだが、反対派の人たちがいる席のほうには顔を向けようともしない。

 指名された推進派の人たちは、質問というより独自の賛成意見を独演会よろしくだらだらと話しつづけた。明らかに反対派に意見を言わせないための時間つぶしだ。会場からの不満の声によって、最後にしぶしぶ私も指名したが、私が会場から出るときには野次と怒号が飛び交った。道理のないことを無理やり推進する人たちは、こういう恥ずかしい行為を平気でやるのだ。帯広土木現業所と推進している地元の人たちとは、裏で打合せができていたのだろう。原発事故の合同記者会見もそれとよく似ている。批判者の意見をつぶすために考えることは、どこも同じだ。

 合同記者会見では情報の正確性や透明性を高めていくことが強調されたが、そのようなことは全く期待できない。「正確性」「透明性」と言うならば、隠している地震当日の原子炉のデータを速やかに開示すべきではないか。小出裕章さんなどが求めている放射性物質に関する生データもすぐに出すべきだ。一度発表したクロル38は後になってから誤りだと訂正したというが、その根拠も示さなければならない。爆発の危険性がないというなら、その理由について具体的に説明すべきだろう。福島の子どもたちの放射線許容量を年20ミリシーベルトにした根拠も示さねばならない。こういうデータを何も示さず、いったいどこが「透明」だというのだろう。

 田中龍作さんは、霞が関から電力業界への天下りの数、東電のマスコミへの広告料について質問したのだが、もちろん明快な回答は得られなかった。東電の広告費など秘密にする理由はない。電力会社が何にお金を使っているのか、電気代を支払っている国民は知る権利がある。「透明」を強調するなら、田中さんの質問に誠実に答えていただきたいものだ。田中さんの質問と回答については以下のYouTubeで紹介されている。

2011年04月25日共同記者会見言いたいことをズバズバ言う田中龍作

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