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2011年3月 6日 (日)

抗うつ薬に頼る治療はいい加減にやめるべき

 昨日のNHKの追跡A to Zは、「広がる“新しい心の病”~混乱する精神科医療~」だった。以下が番組の要約だ。

 精神科や心療内科で複数の薬を処方される場合がある。抗うつ薬は基本的に、一種類処方して効果がないと、別の薬を処方するというようにしなければならないのだが、日本では一度に複数の薬を処方する医師が多いという。近年では、抗うつ薬を大量服用して救急搬送される患者が急増しているそうだ。うつ症状がなかなか改善せず、薬の種類を増やしてしまうという医師の問題がその背景にある。また、従来のうつ病とは異なる新型うつが広がっていることも関係している。従来のうつ病は中高年に多く、気分の落ち込みや不安といった症状で薬が比較的効くのだが、新型うつは20代から30代の若い人に多く、気分にむらがあってうつ状態のときと躁状態のときがある。このような新型うつには薬は効果がない。患者の話しを聞いてうつ病の原因を探り、原因を取り除いたりカウンセリングを受けたりする方法が有効だという。

 うつ病が精神的なストレスからきている以上、薬による治療はあくまでも一時的な対処療法でしかない。ところが、日本ではうつ病の治療といえば精神科や心療内科に行くことになり、そこではまだまだ薬による治療が一般的だ。患者も、心理療法を知らず薬に依存してしまう人が多い。

 医師が安易な対処療法に頼ることについては、「うつ病に効果的な認知行動療法」にも書いたが、心理療法のできる臨床心理士が少なく、時間のかかる心理療法は診療報酬が少ないという現実がある。しかし、おそらくそれだけではないだろう。製薬会社と医師の癒着も関係しているとしか思えない。複数の薬を同時に処方することが良くないことくらい、多くの医師は知っているのではなかろうか。それにも関わらず大量処方するというのは不思議としかいいようがなく、医師に何らかのメリットがあるとしか思えない。患者を第一にした治療とは思えないし、大量服用によって救急病院に運ばれるのでは逆効果だ。

 もちろんストレスのもとを取り除くことができればいいのだが、社会全体が病んでいるのだから、そう簡単に原因を取り除くことはできないだろう。だからこそうつ病を発症するのだ。抗うつ薬はあくまでも一時的な対処療法と捉え、認知行動療法などの心理療法の拡大と、ストレスの少ない社会を目指すしかない。

 それにしても、これほどまでにうつ病が広がり、自殺者が増えているというのはもはや正常な社会ではない。こんな状態で、若者から高齢者まで安心して暮らせる社会がくるのだろうか。防衛費や無駄な公共事業に税金を使うのはいい加減にやめてほしい。やはり、北欧を見習って教育・福祉を重視する国家を目指さねばどうにもならないのではなかろうか。

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