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2011年3月

2011年3月29日 (火)

東京電力という嘘と隠蔽で塗り固められた企業

 昨日の原子力資料情報室のUstream中継は、後藤政志さんによる非常に衝撃的な内容だった。前回の記事では、田中三彦さんの圧力容器の配管が破断し冷却剤喪失事故が起きたのではないかというレクチャーについて報告した。しかし、今回の後藤さんの話によると、何と圧力容器の底に穴があいていて水が全部漏れてしまっている状況だという。制御棒の部分から漏れている可能性が高い。しかも1号機から3号機のすべてが同じような状況になっているそうだ。格納容器が危険な状態になれば、ベントによる放射性物質の大量放出もあり得る。

 圧力容器の損傷を大変懸念していた後藤さんも、まさかすでに底の部分に穴が開いてしまっていたとは思っていなかったとのこと。後藤さんは、いつもは東電に対する怒りを抑えているように見えるのだが、昨日はこのことを隠していた東電に対する憤りがはっきりと伝わってきた。案の定、プルトニウムも検出された。最悪の事態も考えておかねばならないだろう。

 後藤政志さんはブログをつくられたそうだ。原子力資料情報室や後藤さんのサイトは、事実を知るためにきわめて重要だ。多くの人に見てほしい。

後藤政志が語る、福島原発事故と安全性

 信じたくはないのだが、山岡俊介さんによる以下のような情報もある。

関係者が証言-福島原発現場の放射線量は公表値の10倍!?

 これが事実なら、東電が放射線のデータを何回も訂正するという信じがたい状況も理解できるというものだ。東電はどこまで国民に嘘をつき、裏切るつもりなのだろう。原発利権というのはよほど「おいしい」に違いない。温暖化防止を謳って原発を推進するのは完全に誤りだ。

 以下は今回の原発問題をまとめている伊藤孝司さんのサイトだ。

http://www.jca.apc.org/~earth/

 以下は浜岡原発のストップを呼び掛けている浜岡原発、巨大地震対策虹のネットワークのサイトだ。

http://www.stop-hamaoka.com/

 また、以下は2005年の衆議院予算委員会公聴会で石橋克彦さんが原発震災を強く警告したときの内容だ。

http://www.stop-hamaoka.com/koe/ishibashi050223.html

 東電も保安院もまったく信じられない。国民を騙し原発を推進してきた政府の言うことも信用できない。自分自身で情報を収集し、最悪の事態に備えて行動するしか自分の身を守ることはできない。

 今日の北海道は青空で春の気配が漂っている。大地震や原発事故の大惨事は嘘のようだ。しかし、北海道にも泊原発がある。現職の高橋はるみ知事は、脱原発を唱えない原発擁護論者だ。泊原発を考える北海道民の会では北海道知事、道議会議員候補者にアンケートを実施している。投票の参考にしてほしい。

 地震の被災地や原発事故現場周辺は穏やかな日常は完全に失われ、死の灰が降っている。この深刻な事態がどうして起きたのか、ひとりひとりが真実を知って真剣に考えねばならないだろう。

2011年3月27日 (日)

冷却剤喪失事故発生の可能性を伝えない東電とマスコミ

 昨日の原子力資料情報室の19時からの会見では、田中三彦さんよりきわめて重大な説明があった。東京電力が公表した事故のデータを解析したところ、福島第一原発の1号機で配管が損傷するという冷却材喪失事故が発生していた可能性が高いという。これは原発の事故でもっとも恐れられている非常事態のなかの非常事態だという。

 東電の公表したデータによると、燃料の入っている圧力容器内の圧力が下がり、格納容器内の圧力が急上昇して、圧力容器の水位の低下が続いているという。このデータからは、地震発生後に冷却剤喪失事故が起きたとしか考えられないそうだ。格納容器内での配管の破損と思われ、修理は不能とのこと。これまでこのような事故は世界的にも発生したことがなく、最悪の事態だという。

 冷却のためにいくら格納容器に水を入れても、漏れてしまって燃料の露出が続いていると思われる。このまま燃料の溶融が続けば圧力容器の底に穴があきかねない。きわめて深刻な事態というしかない。しかも高濃度の放射性物質を含む水が外に漏れ出している。放射性物質の放出を抑える術がないのだ。これからは放射線量が上がって作業もどんどん大変になるに違いない。

 ところが、今日のマスコミ報道はこうしたきわめて深刻な事態をほとんど伝えていない。それどころか制御室に電気が通じたとか、原子炉に真水を注入しただとか、タービン建屋に溜まった水をポンプでくみ出しているなどと、相変わらず安心させるようなことばかりを報じている。しかし、重要な問題はそんなことではないのだ。4基もの原発がコントロール不能に陥り、これから長期にわたって放射性物質が放出されるであろうし、突発的な事故の可能性も否定できない。前代未聞の大惨事だ。

 もうひとつ気になるのは3号炉のMOX燃料だ。3号機でプルトニウムを含む再処理燃料を使っていることは、マスコミはほとんど報じていない。プルトニウムのことはまったく出てこないのだが、本当に格納容器の外に出ていないのだろうか?

 田中三彦氏によると、このデータを見たら現場の技術者は冷却剤喪失事故が起こったという予測はすぐについたはずだという。大変危険な状態であり、住民をすぐに避難させるべきだったと怒りをあらわにしていた。これほど重大な事態なのに、東電や保安院は冷却剤喪失事故の可能性についてずっと隠し続けている。昨夜の記者会見でも明らかにはしなかったらしい。

福島第一原発の深刻な状況を東電が明らかに~副社長会見では以前として指名されないが・・・

 東電の副社長は会見での質問に対し、のらりくらりと回答をはぐらかす名人だ。記者の怒りも心頭に発するというものだ。マスコミは、原子力資料情報室の会見をしっかりと報道すべきだろう。

 田中さんも後藤さんも今後の予測についてはあまり口にしなかったが、かなり抑えているのだろうという雰囲気が漂ってきた。暗澹たる気分だ。

2011年3月26日 (土)

日本の脱原発こそ世界への責任

 渡辺容子さんのブログ「暗川」から、「柏崎苅羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」が、23日に今回の福島第一点発の事故についての見解を公表していることを知った。以下からダウンロードできる。

http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf

 ここでは、東電が廃炉を恐れて海水の注入を遅らせたとの疑惑にも触れられている。こんな非常事態になっても、国民の命より自社の利益ばかりを優先する東電の姿勢は許しがたい。今回の事故について具体的でわかりやすい現状認識と解説がなされているので、是非お読みいただけたらと思う。首都圏などでも、今後の放射能の放出量を監視して、適切な行動をとることが必要のようだ。

 以下は先日も紹介したTHE JOURNALの最近の記事だ。地震と津波に弱い原発の9割が日本にあるとのこと。もちろん、地震大国の日本は非常に危険だということは分かっていたが、こうやって数値や図で出されるとさすがにゾッとする。福島第一原子力発電所の事故で世界的に脱原発の声が高まっているが、日本こそ率先して脱原発に取り組まなければ世界中から非難されるだろう。「原発ムラ」という利権構造を崩せるかは、国民の意識にかかっている。

地震と津波に弱い原発の9割が日本にある

地震と原発について補足

2011年3月25日 (金)

放射線の情報隠蔽はいい加減にしてほしい

 福島第一原子力発電所の事故では、海外のメディアは放射能の拡散予測を早くから公開してきた。ところが事故を起こした当事国の日本はどうだろう。

 日本の場合、SPEEDI(スピーディ)というシステムがある。以下にSPEEDIについての説明があるのだが、「原子力施設で事故が発生し、放射性物質が放出された場合、周辺環境にどのように広がるかを地形や気象を考慮し、すばやく予測するコンピュータシステムです」となっている。

http://www.atom-fukushima.or.jp/qa/qa-174/anther.shtml

 つまり、放射能が放出される可能性がある場合にそれを予測して対策をとるのが目的だ。このようなシステムを持っていたのに、その計測結果が公開されたのは何と事故から12日も経った23日だった。この日の発表によると、福島第一原発から30キロ圏外でも甲状腺の被ばく線量が100ミリシーベルトを超えるところもあったという。こんな後になってから公表したのでは、予測システムの意味がない。枝野長官は「人体に影響が出る可能性がある」としながら、「念のため、発電所の風下ではできるだけ窓を閉めて屋内にとどまることを勧める」と述べたという。この期に及んで、避難させずに屋内に留まれとはどういうことなのだろう。

 上記のサイトからリンクしている環境防災Nネット(全国の放射線データを表示するページ)を見たら、なんと福島県のデータは「調整中」となっていて示されていない。「現在、宮城県モニタリング結果は測定実施場所が崩壊の危険性があるため測定不能、また、福島県モニタリング結果はモニタリングポスト周辺の空間線量が高いことから測定が困難になっています」という説明がある。もっとも肝心な地域のデータが公表されていないのだ。おかしいとしかいいようがない。

 情報隠蔽については植草一秀氏も指摘している。

政府・保安院・東電は計測データを全面開示せよ

 広河隆一さんらの報告でも、すでに汚染がかなり広まっているのは明らかだ。ところが、原子力資料情報室でレクチャーをされている崎山比早子さん(元放射線医学総合研究所主任研究官)の昨夜(3月24日)の話しによると、福島県ではいまだにヨウ素剤を配っていないという。ヨウ素剤は放射性ヨウ素による甲状腺がんを防止するための唯一の薬品で、放射線ヨウ素に被爆する前に飲まなければほとんど効果がない。原子力発電所のある自治体は備蓄しているはずなのだが、それが住民に配られていないという。フランスやドイツなどでは原子力発電所の近くの住民にヨウ素剤を配布しているというが、日本では必要なときに行政が配布しないのだ。テレビでは「ヨウ素剤は副作用があって危険」だという誤った説明をしている御用学者もいるそうだ。信じがたい事態だ。

 汚染が確実に広まっており基準値を超えているところもあるのに、情報も公開しなければヨウ素剤も配布しない国というのは、一体なにを考えているのだろう。

 広河隆一さんのブログを紹介しておく。23日の広河さんと広瀬隆さんの講演が見られる。広河さんは汚染の状況を報告しているし、広瀬さんは御用学者の実名も出して批判している。

3月23日Ustream中継のアーカイブ版をアップしました。

【大切な人に伝えてください】小出裕章さん『隠される原子力』

 渡辺容子さんのブログ「暗川」より転載させていただく。渡辺さん、いつも情報をありがとう。元記事はこちら

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 3月20日、上関原発の地元山口県柳井市で行われた小出裕章さん(京都大学原子炉研究所)の講演の記録です。1時間40分と長いですが、原発について基礎からていねいに説明しています。お時間のある時にぜひご覧ください。

 小出さんは最後に、原子力に夢を抱いて研究者になったぼくが原発に反対し始めた40年前、日本に原発は3基しかなかった。40年間反対してきたのに、いまでは54基もできてしまった。しかし、40年前は日本中が原発を新しいエネルギーとして大歓迎し、反対する人なんていなかった。いまではこの会場に集まった人だけでも3~400人はいる。原発全廃まで希望は捨てずに一人ひとりが自分の場所でがんばろう、とおっしゃっていました。

2011年3月24日 (木)

浜岡原発を停止せよ

 福島第一原発では厳しい状況が続いているようだ。今はなんとか事態が悪化しないことを祈るばかりだ。

 ところで、こんな大変な原発事故が起きて気になるのは、いつ起きてもおかしくないと言われている東海地震、東南海地震だ。以下の高野孟氏の記事を読んでいただきたい。

高野尖報・東海沖、東京湾地震に警戒をとスイス地震局

 あまり大地震の危険性を伝えるのははばかられるが、しかしどうやら地球の活動が活発化してきているようだ。スイス地震局は余震および誘発地震として東海地震、東南海地震をあげている。東京湾の近くで大きな地震が起こる可能性も指摘しているし、浜岡原発が事故を起こしたなら首都圏は大変なことになるだろう。浜岡原発こそ止めなければならない。

 ただでさえ計画停電をしているのだから、とても浜岡原発を止めるわけにはいかないという声もあるかもしれない。そのような方は、以下の環境エネルギー政策研究所のサイトを参考にしてほしい。

 野菜や水道水の放射能汚染の恐怖に脅かされるような生活から脱するには、原発に頼ることをやめ、節電と自然エネルギーへの転換をはかっていくしかないだろう。

「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ

2011年3月23日 (水)

原発の危険性を訴えてきた技術者たちは「村八分」にされた

 福島第一原子力発電所の大事故を受けて、原子力資料情報室ではインターネットで連日のように事故についての情報提供を続けている。そこで説明をしている後藤政志さん(元東芝の原子炉格納容器の耐性研究グループ長)、小倉志郎さん(元東芝で第一原発の設計担当)、田中三彦さん(元日立グループ社員、科学ライター)らこそ、原発の危険性を訴えてきた技術者だ。

 テレビなどのマスコミは事故が起こった直後に御用学者ばかりを登用したのだが、かれらは具体的なことになるとほとんど答えることができず、ときには嘘も織り交ぜて安心させるようなことばかりを繰り返した。しかし、後藤さんらがインターネットで詳しい説明を繰り返したり、外国特派員協会で記者会見をして海外に事実を知らせたためだろう。その後、ようやく後藤さんなどの技術者もマスコミに顔を出すようになった。

 今日の北海道新聞には、「原発開発者ら事故批判 ネットで」という記事が掲載された。三人のコメントを紹介しておこう。

【後藤政志さん】
 「フランスは、内圧が上がりにくく、放射能物質が漏れにくい巨大なフィルター付き格納容器を造った。われわれも必要、と議論したが、会社は不採用。コストだなと思った」

【小倉志郎さん】
 「高台に建てたり、防水構造にしたりしていれば。想像力が足りなかった」

【田中三彦さん】
 「政府や公共放送が危機を正しく国民に伝えていない」
 「格納容器内が8気圧になった時、普通は4気圧などと流していた。普通は約1気圧で、4気圧とは事故に備えた設計値だ。8気圧なら異常事態なのに、パニックにしないという配慮が多すぎる」

 この記事の最後に書かれているNPO環境エネルギー政策研究所顧問の竹村英明さんのコメントに関わる部分を引用する。

 「日本には許認可権を持つ経産省、学者、電力会社などで作る原発ムラがある」という。竹村さんによると、ムラは強力で、疑問や批判を口にする技術者を村八分にする。3人がそうだったという。

 おそらくすべての技術者や政府関係者が原発の危険性を知っていたはずだ。しかし、利権に目がくらんだ人たちにとって、原発を批判する技術者たちは邪魔者でしかない。利権集団は、批判者を「村八分」にして口を封じるのだ。これは原発に限ったことではないだろう。

 どんなときにも「村八分」にめげずに行動する人がいる。ほんの少数の誠実で責任感のある人たちだ。その人たちの存在がこんなにも浮き彫りにされたこともないだろう。今回の原発事故ではインターネットがあったおかげで、私たちは真実を知ることができた。

 「村八分」というこの国に巣食う悪しき習わしを根絶することができるのだろうか? 脱原発を進めるためには、後藤さんらの存在だけでは無理だ。こんな事故を起こしたのに原発にすがりつこうという魑魅魍魎がこの国にはまだまだいる。以下の保坂展人氏の記事を参照していただきたい。

「福島原発・重大事故」から学ばない人たち

 脱原発のためには国民の強い意思と行動こそ必要なのだろう。ところが、この国の多くの人たちは空気を読んで周りに同調することで身を守ることに徹してきた。なかば「村八分」の習慣を容認してきたということだ。日本人一人ひとりがこの意識を捨て去って目覚めなければ脱原発はできないだろうし、同じ過ちを繰り返すのだろう。

「えりもの森裁判」でいよいよ証人尋問

 2005年12月に提訴した「えりもの森裁判」は、いよいよ大詰めの証人尋問を迎える。期日は以下のとおり。

とき:2011年4月22日 14時から

ところ:札幌地方裁判所802号法廷

 傍聴できる方はぜひ裁判所に足を運んでほしい。また、知人・友人などにも傍聴をよびかけていただきたい。

2011年3月22日 (火)

福島第一原発の事故の予測を無視していた政府

 2005年7月の衆議院予算委員会と2006年の衆議院内閣委員会で、吉井英勝議員(京大工学部原子核工学科卒)が、福島原発の事故を予測して質問をしていた。

 以下にそのやり取りが掲載されている。

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/03/2005-073-4f4d.html

 今回起きた事故はすべて予測されたことであり、想定外などと言い訳するのは詭弁でしかない。

福島原発の廃炉を求める署名

 渡辺容子さんのブログで以下の呼びかけがあった。多くの方に広めていただきたい。

**********

 福島原発の「廃炉」を求める有志の会です。転送・転載して広めてください。

緊急署名を呼びかけます。

郡山市長の要請を積極的に受けとめ、ただちに福島原発10基の「廃炉」を決めてください。

 急遽Webを開設しました(http://fukushimahairo.web.fc2.com/)。リンクできる方はリンクもお願いします。郡山市長の「廃炉」を求める発言を受けて、署名活動をしたら、という声が上がり、緊急に作成しました。

 とりわけ首都圏に住む私たちは、ある意味で加害者です。福島で作られる電気は福島では消費されず、首都圏で使われます。深刻な事故の恐怖、放射能汚染を前に、地元が「そばに原発はもうゴメンだ!」という声をあげたことを、私たちは重大に受け止めなければなりません。放射能汚染の恐怖が、自分の身にも降りかかるかもしれない事態になって初めて、地元の人たちの気持ちを共有できる状況が生まれました。今、私たちには「政府は地元の声を聞け!」と言う責任があると思いました

 3月19日の午後、原正夫郡山市長が「廃炉」を訴えたことを、重要な契機として生かさなければ、と思います。もう一つは、刻々、ヒバクの恐怖が、私たち市民にも襲ってくるかもしれないとき、今までヒバクを前提として動かされていた原発に、多くの関心を寄せなければ、と思います。ぜひぜひ、この署名を広めるために、ご協力下さい。

 ●署名用紙はウェブからダウンロードできます。 http://fukushimahairo.web.fc2.com/

 ●送付先は署名用紙をご参照ください

 ●メール署名 送り先: fukushima.hairo@gmail.com

 署名方法:上記アドレスに氏名(ハンドルネームは不可)、住所を書いて送信して下さい。識別のためメールのタイトルを「署名賛同」として下さい。

 ●署名での個人情報の取り扱い 本署名、メール署名での個人情報は本署名行動のため以外には使用しないことを約束いたします。メール署名でのメールアドレス等個人情報は署名行動終了後廃棄します。

 ●締め切り:第1次集約 3月末日、第2次集約 4月末日 福島原発の「廃炉」を求める有志の会 連絡先:fukushima.hairo@gmail.com

2011年3月21日 (月)

大震災、原発事故さえ食い物にする資本の論理

 THE JOURNALの金平茂紀氏の記事を紹介する。

私たちは大震災と原発惨事のさなかで何を考えるべきなのか?

 金平氏の言葉を一部引用しよう。

日本が打撃を受けたことを見越して投機マネーがハイエナのような動きをみせて円はあっさり戦後最高値を更新した。資本の論理とはそのようなものだ。日本の地震被害に哀悼の意を表したその同じ頭と手で、米・英・仏はリビアを空爆し、内戦状態にある国の一方に肩入れし、政体をひっくリ返そうとしている。それが民主主義なのだという。

 資本の論理とはかくまで独善的だ。善良な日本人の多くはこの論理に気づかず、今後も騙され続けるのだろう。そのことがただただ虚しい。

原発に反対する理由

 以下の小出裕章さんの講演の記事をぜひ多くの人に読んでいただきたい。2007年当時のものなので若干いまとは異なっている部分もあるが、それほど大きな違いはないと思う。

これ以上のエネルギー消費拡大は犯罪 原発がすべて止まっても決して停電は起きない

 チェルノブイリの原発事故では、広島原爆の約800発分の「死の灰」が放出されたとのこと。今回の福島第一発電所の事故は、最悪の事態となった場合、チェルノブイリの何倍もの汚染になる。それだけでも、どんなに恐ろしい事故であるかが分かる。

 使用済み核燃料の再処理工場は、たとえ事故が起きなくても膨大な放射能を環境に放出しているのだ。日本の原発は「トイレのないマンション」と言われているが、そんな生易しいものではない。放射能発生装置であり、それを貯め続けているのが実態だ。

 そして、小出氏は「すべての原発が停止しても電力供給には何の問題もありません」という。日本の原発をすべて停止して火力発電で代替しても、火力発電の稼働率は7割にしかならないそうだ。もちろん火力発電は化石燃料を消費し二酸化炭素を排出するという問題はあるが、これは徐々に自然エネルギーやバイオマスに変えていくしかない。

 原発が海水をかなり温めていることは知っていたが、100万キロワットの原発1基で、1秒間に70トンもの海水を7度温めるというのだから、大変な環境破壊装置だ。

 小出氏は、贅沢をしなければ1970年代よりはるかに豊かな生活が可能だという。これは恐らく物質的に豊かとか便利というだけではなく、精神的にも豊かで健康的な生活だろう。エネルギーをふんだんに使っている今の社会は一見豊かに感じられるが、それはたぶん錯覚というものだ。生物である人間にとっての真の豊かさとは、私たちを取り囲む自然が健全であってのものだ。自然を破壊し搾取しつづける人間のありようは「豊か」とは正反対のものだ。自然に逆らうことを続けていたら、自滅が待ち受けているだけだろう。

 小出さんの話は、私たちが目指すべきものを教えてくれる。

2011年3月20日 (日)

最悪の事態に備えて情報収集、判断を

 福島原発3号機、4号機への放水など、マスコミは事態の改善を強調する報道を続けている。しかし、そんな楽観的な見方をするべきではない。昨日の原子力資料情報室のライブ放送で後藤政志さんは、スリーマイル島の事故では2年間も冷却をしていたと語っていた。たとえ福島第一原発で安定した冷却が可能になったとしても、この先、一年とか二年は冷却を続けなければならないのだ。その間に何が起こるかわからない。夏になれば台風もくるだろうし、津波も来ないとは限らない。あの無残な建屋で大丈夫なのだろうか? こんなことをどれだけの国民が知っていたのだろうか? われわれは停止した原発の危険性についてろくに知らされず、安全を謳う電力会社の騙しのコマーシャルばかりを見せられていたのだ。

 今朝まで国民を安心させるような報道が続いていたのに、その後3号機の圧力が高まっているので蒸気を抜くという報道があった。危機的状況にあることは変わりないし、また放射線物質が放出されるのだ。マスコミはどうしてこうも最悪の事態を想定した報道をしないのだろう。最悪の事態を想定してそれを食い止めるのが危機管理であり、安心情報ばかり流していたのでは最悪の事態になったときにパニックを起こしたり被害者を増やすだけだ。ホウレンソウと牛乳から放射性物質が検出されたというが、そんなことは当たり前で出荷停止をすればいいことだ。現在起こっていることの事実と放射能の恐ろしさこそきちんと知らせなければならない。

 こんなときに、信頼できる情報提供をしているのはやはり原子力資料情報室だろう。毎日の対応でさぞかしお疲れのことと思うが、スタッフの皆さんや説明をしてくださる後藤政志さんには、ほんとうに頭が下がる。マスコミや政府よりNPO法人の情報のほうがよほど頼りになる国などというのは、恥ずかしい限りだ。

 世の中には、何事も良い方に解釈したいという人が多い。性善説を信じているタイプだ。あるいは、震災や原発事故のニュースを見ると気が滅入るから見ないという人もいるかもしれない。しかし、それは危機管理がまったくできないことを意味する。物事には、のほほんとしていて良いときと悪いときがある。世界各国は日本のこの事故をきわめて深刻に受け止め危機感を抱いているのに、能天気な日本人には呆れてものが言えない。

 以下に原子力資料情報室からのメッセージ(2)を転載する。

**********

2011年3月18日

原子力資料情報室

1 私たちは、3月15日に「福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、極めて深刻な事態が続いています」と述べました。残念ながら、本日までこの状況は変わっていません。

2 現場の作業員の方々の努力なしには、この危険を回避することはできません。作業員の方々は、極めて高い被曝の危険があるにもかかわらず、破局的な事態を回避するために、日夜奮闘されています。私たちは、最大限の感謝を表明します。

3 ところで、事故以来、私たちには「何キロまで離れれば安全か」という問い合わせが殺到しております。

4 しかし、この質問に対して、具体的に「何キロ」と回答することは困難です。私たちには、現状の正確な情報が乏しく、また、今後の状況を予測することも困難なことが大きな理由です。また、避難するかどうかは、原発からの距離や放射線レベルだけでは決められません。家族構成、生活環境、周りの人々とのつながり、避難先および避難手段の確保など、条件はさまざまだからです。

5 放射能は、妊婦(胎児)・幼児・子供には影響が大きく現れます。これらの方々は、福島原発からできるだけ遠くへ避難した方が安心です。

6 遠くへ避難できない場合には、建物の中に入り外気に触れるのを避けること、雨には極力当たらないことが、被曝を避けるためには重要です。

7 現状では、放射能が大規模に放出されるような事態には、至っていません。しかし、今後、そのような最悪の事態が生ずる可能性は否定できません。その場合には、政府が設定している現在の避難範囲では、不十分なことは明らかです。

8 最悪の事態に至る可能性がある具体的な事象は、原子炉水位のさらなる低下による核燃料の溶融(メルトダウン)、大規模な爆発、使用済み燃料プールからの放射能大量放出などがあげられます。

9 政府および東京電力は、これらの事象につながる状況の変化について、迅速かつ正確な情報提供をするべきです。特に、放射線量の測定は、政府および東京電力だけではなく、各自治体や民間でも測定されています。政府は、これらのデータを収集して、誰もが容易にアクセスできるような体制を速やかに構築すべきです。

2011年3月19日 (土)

原発事故の不都合な真実を隠し続けていた政府

 地震と津波による災害、そして原発事故が重なる中、いろいろな情報が飛び交っている。インターネットよりマスコミ情報のほうが信頼できるとか、原発事故報道は大げさすぎるとか、騒いでもパニックを煽るだけとか、経済を活性化すべきだとか・・・。

 しかし、私はあえて原発のことについて言わずにいられない。決して煽ることを目的に言うのではない。国民は事実を知って、自分自身で判断し行動しなければならない時だからだ。事実を知らないかぎり、適切な判断も行動もできない。この国は過ちを続けることになる。

 この事故をまだ天災だなどと思っている人もいるようだが、とんでもない。原発事故を予測し問題点を訴えてきた広瀬隆さんの講演の動画を是非みてほしい。地震は天災であっても、地震で危機的な状態になることを承知でずさんな原発を造り稼働してきたのは人間だ。だから、原発事故は人災でしかない。天災などと思っている人は、頭を冷やして広瀬さんの話を聞いてほしい。

 私は、今回の大事故の責任は、原発推進の立場をとる政治家を選んだ国民にもあり、ここ数日は自分自身も含め(もちろん私自身は原発賛成の政治家に投票したことはないのだが)、責任にさいなまされていた。しかし、広瀬さんの話を聞いて少し考えが変わった。政府は原発事故の恐ろしさを知っていながら国民に隠しつづけていたのだ。そして現実に起こっていたいくつもの事故を隠蔽していたのだ。いかに国民が「安全神話」を信じ込まされていたのかに唖然とする。従順な国民はいとも簡単に騙されていたのだ。

 日本人は「和」とか「協調性」を大事にする国民だ。それは長所でもあり短所でもある。協調性を重視すると、個人の意見はかき消されてしまう。多数決の論理しか通らない。真実を知った人がいくら声を上げても、それは無視されるどころか、潰される。「村八分」という言葉があるが、それは少数意見を排除するだけではなく叩き潰すのだ。私たちは長年、このようなゆがんだ協調性を重視する社会に生きてきた。「空気を読んで」自分自身の考えを言わない、事実を知って自分で判断・行動するということをしない。

 だから、広瀬さんのような方がいくら声高に原発の怖さを主張しても、それに耳を傾けようとはしない。原発推進論者は反対する人たちの声をかき消すことに必死になる。

 福島原発の大事故を前に、私たちがまずしなければならないのは、原発の恐ろしさをきっちりと知ることだ。そして、直ちにいま稼働している原発を止める運動を展開することだろう。

 今回の事故で、多くの人が節電をしていると思う。湯水のように使いたいだけ電力を使うという発想は捨てなければならない。経済成長という思考を止め、限られたエネルギーを工夫して使うという方向に変えれば、原発などはなくてもなんとかなるはずだ。たとえば食器を洗うのにたらい一杯の水しかなければ、それだけの水で洗う工夫をする。かつての日本人はみな、そんな生活の知恵を持っていた。

 一昨年、東北新幹線を利用して仙台から盛岡に行ったのだが、土曜日というのにあまりの空席に驚いた。乗客もろくにいないのに、新幹線を延ばしているのだ。もちろんダムなどの大型公共事業も大量のエネルギーを消費している。こうした無駄を取り除けば、原発など必要ないはずだ。

 福島原発が大事故を起こした今、これ以上の惨事を防ぐには、国民が事実を知って原発を止めるしかない。これが日本国民の世界に対する責任だろう。政府と電力会社に騙され続けていてはならない。

2011年3月16日 (水)

放射能汚染の危機

 福島第一原子力発電所の事故については、日本のマスコミよりドイツのほうがきちんと報道している。以下のシュピーゲルのサイトに福島原発から風にのって運ばれる放射能の拡散シュミレーションが掲載されている。風向きによっては関東地方も直撃している。

http://www.spiegel.de/panorama/bild-751072-192309.html

 もし最悪の事態になったなら、日本の広範囲が放射能に汚染される。そうなる可能性は日に日に高まっている。国民はそのことを知っておくべきだ。

 また、放射線被曝については以下のサイトが参考になる。

よくわかる原子力

 原子力に反対してこられた高木仁三郎さんの最後のメッセージを、私たちは噛みしめなければならない。社会の発展のために原子力が必要だという考えは人間の驕りだ。原子力を使わない社会をつくっていかなければならないのだ。原子力なしでの生活などそれほど難しいことではない。ほんの数十年前はそうだったのだから。

友へ 高木仁三郎からの最後のメッセージ

 原子力資料情報室では、随時、今回の事故についての情報発信をしている。過去の動画も見られるので、多くの方に見ていただきたい。

原子力資料情報室 

原発事故緊急情報

 広河隆一さんが、危険をかえりみず福島県で放射能の測定をしている。あまりにも深刻な状況に目を覆いたくなる。政府の発表を信じて行動していたら、多くの国民が被爆する。

避難指示拡大を求める呼びかけ

 以下に原子力資料情報室からのメッセージを転載する。多くの人に伝えてほしい。

***********

2011年3月15日

1 福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、極めて深刻な事態が続いています。

2 この影響を避けるためには、原発から距離を置くのが最も有効な手段です。可能であれば、福島原発から、できるだけ遠くへ離れることがベストです。移動できない方は、建物の中に入って、外気に極力触れないでください。雨には絶対に当たらないように気をつけてください。

3 「何キロまで離れれば安全か」について判断することは容易ではありません。この判断のためには、放射能レベルと気象条件についての正確な情報が必要であり、さらに、今後何が起こりうるかについての的確な予測が必要だからです。これまでの政府・東京電力の情報提供は極めて不十分であり、この判断のために必要な情報を、正確かつ迅速に提供するべきです。

4 現時点で、私たちが把握している事実は以下のとおりです。
(1) 福島第一原発2号機は、核燃料の冷却能力が十分でなく、核燃料が長時間にわたって露出している状態です。格納容器からは、数日前から、圧力を低下させるため、放射性物質を含む蒸気を放出しており、加えて、放射性物質を閉じ込める最後の砦である格納容器の一部である圧力抑制室(サプレッションプール)が一部損傷を受けたため、これによって、さらに放射性物質が放出されています。今後も、炉水位の低下及び格納容器の損傷によって、さらに多量の放射性物質が放出される可能性があります。

(2) 福島第一原発1号機及び3号機でも、核燃料の冷却能力が十分でなく、格納容器からは、数日前から、圧力を低下させるため、放射性物質を含む蒸気が放出されております。現在、海水注入がされていますが、2号機と同様の事態に至る可能性があります。

(3) 福島第一原発4号機~6号機は、地震時には定期点検中で運転されていなかったにもかかわらず、同4号機では使用済み核燃料プールが水位低下したことによって水素爆発が発生したとされています。この事実は、4号機~6号機の安全も、絶対のものではないことを示しています。

(4) 福島第二原発1号機~4号機も、冷却能力の不足が懸念されていました。東京電力の発表では、4基とも冷温停止(100℃以下)で外部電源も確保されているとのことでありますが、一部温度が上昇したとの発表もあります。今後も長期間継続して冷却しなければならず、注意深く監視していく必要があります。

(5) 福島第一原発は6基の、同第二原発は4基の原発が隣接しており、1基の原発に発生した事故が、他の原発に影響を及ぼす可能性が高く、今後、事態がさらにより深刻なものになる可能性もあります。

原子力資料情報室

〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B

TEL.03-3357-3800 FAX.03-3357-3801

2011年3月14日 (月)

放射能汚染の情報

 ジャーナリストの広河隆一さんによると、福島第一原発から4キロメートルほどのところで、かなり高濃度の放射線が測定されたとのこと。以下の広河さんの記事を参照していただきたい。

福島第一原発周辺の放射能について

 これ以上、汚染が広がらないことを願うばかりだ。

2011年3月13日 (日)

福島の原発事故情報はテレビよりインターネット中継を

 福島第一原発でとんでもない事故が起きてしまった。昨日の3時半頃には1号機で爆発があり建屋が吹き飛んでしまった。テレビでその映像を見たときは、正直いって腰が抜けそうなくらい驚いた。

 ところがテレビの報道はどうだろう。1号機が爆発して白煙を上げる映像、建屋の外壁が吹き飛んだ写真を映し出しておきながら、テレビに登場している御用学者とおぼしき解説者はまわりくどい言い回しで要領をえない話しばかりしている。とんでもない状況であるのに、テレビは原発事故の話題を意図的に避けるかのように、津波被災地の映像ばかりを流した。

 パニックになることを恐れてのことだろうが、こんな大変な事態に陥っているのに、国や電力会社による記者会見がいつまでたっても開かれない。夕方にようやく開かれた記者会見でも、肝心の原発事故については具体的なことは一切触れず、現場がどうなっているのかがさっぱり分からない。明らかに重大なことを隠しているという印象だ。詳しい情報が出されないまま安心を呼び掛けられたのでは、国民はますます不安を募らせるばかりだ。少なくともその時点で分かっていることくらい、速やかに説明すべきだ。

 そんな中で詳しい説明を聞くことができたのが、原子力資料情報室(CNIC)が開いた記者会見だ。私は途中から見たのだが、東芝・元原子炉格納容器設計者の後藤政志氏と、日立バブコック・元原子力圧力容器設計社の田中三彦氏の話は非常に参考になった。

 岩上氏の以下のサイトから12日の記者会見の中継を見ることができる。

原子力資料情報室記者会見

 この記者会見の様子は以下の記事でも紹介されている。

原子力資料情報室が福島原発に関する緊急記者会見開催

 原子炉の格納容器、圧力容器の設計をしていた人たちの話は、テレビでのらりくらりと要領をえない話しをしている御用学者などよりはるかに真に迫る内容で、事態はきわめて深刻なことがよく分かった。

 テレビではほとんど報道されていなかったことだと思うが、非常用の冷却用ディーゼル発電機がまったく使用できない状態だったのだ。しかも津波で重油タンクが流されたという。冷却系統が破たんしてしまったという緊急事態だ。しかも、格納容器の中の圧力が設計条件の2倍というとんでもない非常事態になったのだ。設計段階ではこんな圧力になることは考えていないという。お二人の話しからは、とにかく信じがたいような異常事態であることが良く分かる。そして、こんな大変な状態なのに政府が詳しい情報を隠ぺいしていることに対する憤りが溢れていた。もっともな話だ。

 今日も17時から第2回目の記者会見が行われる予定だ。テレビニュースよりこちらを視聴することをお勧めする。

3/13(第2回)福島原発に関する原子力資料情報室 記者会見

 ビデオニュース・ドットコムhttp://www.videonews.com/および岩上チャンネルhttp://iwakamiyasumi.com/で中継が見られるとのこと。

 福島第1原発では第1号機から6号機まであるが、3号機も1号機と同じような危機的状況に陥っているようだし、女川原発でも放射能の測定値が上昇したらしい。コントロールできなくなった原発は危険きわまりない異常事態なのだ。国は無闇に「安全」とか「安心」という言葉を繰り返すのではなく、速やかに正確な情報提供をしてほしい。

2011年3月12日 (土)

生きている地球を実感した大地震

 信じられないような大地震が起きた。私のところは揺れは小さかったが、かなり長い間揺れていたので「もしや大地震では・・・」と日ごろほとんど見ないテレビのスイッチを入れ、その地震の大きさと津波の凄まじさに驚いた。これは数百年に一度という規模の地震ではなかろうか。

 押し寄せる山のような津波に、あっけなく飲み込まれていく田畑や民家の映像に息をのんだ。自動車も家も、まるで大海に浮かぶ木の葉のようだ。津波の引いたあとは、住宅の基礎しか残っていないところもある。大変な惨状だ。

 津波が引いたあとも水が溜まって池のようになっているところは、地盤が沈下したのだろう。地震のエネルギーは想像を絶するほど凄まじい。大地震という自然の力の前では、長年にわたって築き上げてきた人間の社会のなんと無力なことか。

 建物や道路の崩壊、停電などライフラインの寸断、ガスタンク、石油コンビナートの火災などなど、被害は計り知れない。多くの犠牲者が出てしまったようだが、迅速な救援活動で一人でも多くの人を救ってほしいと思う。

 そして、今回の地震で懸念されていた原子力発電所の事故が起こってしまった。詳細がなかなか報道されないのだが、放射能漏れが発生しているようだ。そもそもプレートの境界があり地震が絶えない日本列島で原発を稼働すること自体が大問題なのだ。東北地方は大昔から大地震が繰り返されてきた。遅かれ早かれこういう事態は起こっただろう。危険な施設は大地震を想定して設計されなければならないのだから、「想定外」などといって逃げてしまうべきではない。これは原発に頼ろうとしている人類への警告だ。

 日ごろ原発推進を謳ってきた電力会社や御用学者、政府は、この事態を深刻に受け止めるべきだろう。地震は天災でも、原発事故は人災だ。テレビでの原発事故の報道は、市民が不安を抱かないようにすることばかりに気を配っているようだが、危険性を知らせることが第一だろう。今回の原発事故に関しては、包み隠すことなく事実を報道してほしい。

 放射能漏れが広がらずに沈静化することを祈りたい。

2011年3月 9日 (水)

阿久根市の竹原前市長とマスコミの攻防

 田中龍作さんが以下の記事を書いている。

“改革者潰し”阿久根市は日本の縮図だった

 竹原信一氏といえば、専決処分を繰り返したことで批判する人が多いだろう。竹原氏は2008年に市長に当選すると「住民至上主義」を掲げて市役所や市議会の改革を次々と提案した。これに慌てた市議会が不信任を決議し、2009年5月には出直し市長選が行われたのだが、竹原氏が再選された。その後、竹原市長と市議会の対立が激化し、竹原氏が専決処分を繰り返したことで、マスコミは批判報道を繰り返した。

 マスコミ報道を鵜呑みにしている国民の多くは、専決処分という手法を用いた竹原氏を批判的に見ているのではなかろうか。たしかに専決処分というやり方が適切だとは思わない。しかし、私は竹原氏に関するマスコミ報道はあまりにも偏っているのではないかという疑念を抱いていた。

 そのあたりのことをかなり中立的な立場で取材した記事が「創」2011年3月号に掲載されている。ジャーナリストの今西憲之氏による「阿久根市・竹原前市町とマスコミとの激烈攻防戦」という記事だ。

 これを読んで、竹原氏とマスコミの凄まじい攻防がよく分かった。竹原氏が再選を果たした頃から、ブログで阿久根市の実情を暴露する竹原氏が「ブログ市長」として全国に知れ渡ることになり、マスコミと対立しはじめたのだという。竹原氏は、マスコミ取材を拒否したり議会の出席を拒否するようになるのだが、その理由について竹原氏は以下のように述べたという。

「簡単ですよ。本当のことを書いてくれないからだ。あまりに不当な創作、偏向的な報道ばかりされる。こうでもしなきゃ、どうにもならなかった」

 竹原氏は事実を書かずに偏向報道をするマスコミを嫌い、一方、マスコミは竹原氏の対応を批判するのだから、竹原氏とマスコミの対立が深まるのも当然だ。こんな状態だから、マスコミは竹原氏を徹底的に批判しつづけたのだ。以下は、専決処分によって副市長になった仙波敏郎氏のコメントだ。

「私も当初、マスコミで報じられている通り、竹原氏によい印象はなかった。だが、実際に会ってみると、報道とまったく違う。竹原氏の住民至上主義の理念は素晴らしい。私は警察の裏金を告発しました。それ以外でも愛媛県警の問題を告発したが、客観的証拠があり、決定的なものでも、新聞、テレビ、週刊誌などは(私の告発とともに)愛媛県警の主張、見解も報じた。しかし、阿久根市の報道では、竹原氏を批判することばかりで、反論が書かれていない。たまに反論が書かれていても、書き出しからずっと批判で最後に少し掲載される程度。これは、報道が大きな原因だと思った。それなら、自分がスポークスマンとなれば変わるはずと、火中の栗を拾ったのです」

 この仙波氏の発言からも、マスコミ報道が相当偏っていたことが伺える。竹原氏がマスコミと対立し、マスコミが竹原氏を叩いたという構図なのだろう。これでは事実がきちんと伝わるわけがない。

 田中龍作さんの記事にあるように、阿久根市政がかなり異常な状態であり、それをなんとか是正するために竹原氏が奔走したというのも事実だろう。

 竹原氏の主張や手法を全面的に支持するつもりはないが、マスコミ報道だけを信じていたら、真実を知ることができないのは確かだ。

2011年3月 8日 (火)

ササラダニ研究者の平内好子さんを悼む

 昨日のニュースで、ニュージーランド・クライストチャーチを襲った大地震で行方不明になっていた28人の日本人のうち、平内好子さんの死亡を確認したとの報道があった。その報道で、平内さんが土壌性のダニの研究者であったことを知った。

 ダニというと動物の血を吸うダニを思い浮かべる人が多いと思うが、吸血性のマダニ類のほかに、植物などについて農業害虫となるハダニもいれば、食品などにつくコナダニもいるし、土壌に生息しているササラダニもいる。日本ではすべてひっくるめてダニというのだが、英語ではダニの総称がMiteで、マダニ類をTickという。中国語でも、マダニ類とそれ以外のダニを区別している。日本人は、生物の分類に関してはあまり細かいところを気にしないようだ。

 ダニはクモと同じ「クモ鋼」に属するが、クモとは体つきがちょっと違う。クモの場合は体が頭胸部と腹部に分かれているが、ダニでは頭胸部と腹部が一体となっている。脚はクモもダニも4対だが、ダニの幼体は3対しかない。

 土壌性のダニといえば、ササラダニだ。この仲間は実に小さくて愛らしい。たいていは1ミリ以下だから、実体顕微鏡を使わないと識別できない。落葉や菌類などを食べてひっそりと暮らしているのだ。落葉の分解者として非常に重要な働きをしているのだが、あまりにも小さくて人目につかないため、ほとんどの人がその存在すら意識したことがないだろう。

 こんなに小さなダニを採集するには、やはりそれなりの方法がある。ツルグレン装置を使うのだ。ツルグレン装置というのは、漏斗の上に底が網になった容器をセットし、漏斗の下にアルコールを入れたビンを置くという簡単な装置だ。容器に落葉や土壌を入れて上から電球で光を当てると、乾燥を嫌う土壌動物は下方に移動し、アルコールの入ったビンに落ちるという仕組みだ。私も自作したツルグレン装置でササラダニの採集を試してみたことがあるが、肉眼ではとても採集できない小さなササラダニを簡単に集めることができる。顕微鏡で見るササラダニのなんとユニークで愛らしいことか。

 このササラダニの分類にはまってしまったのが、日本のササラダニ研究の第一人者である青木淳一さんだ。一人で450種ものササラダニを新種記載している。その青木さんの描くダニの図がまた素晴らしい。見とれてしまうような細密で美しい画を描かれるのだ。青木さんについては、是非以下のサイトを読んでいただきたい。

ササラダニの分類から学んだ自然

 話しが逸れてしまったが、亡くなった平内さんは青木さんの指導のもとに、ササラダニの研究をされていたそうだ。そして、最近も新種記載の論文の下書きを青木さんに送っていたという。ササラダニの世界はまだまだ新種が見つかるのだが、なんといってもこういった小さくて地味な動物は研究者が少ない。その数少ないダニの研究者が亡くなられてしまったことはとても残念だ。ご冥福を祈りたい。

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オニダニとオニグモ

上関原発の埋め立て工事に全国から抗議の声

 上関原発で強行な埋め立て工事が行われ、緊迫した状態になっていることは「上関原発予定地で中国電力が埋め立て工事を強行」 「上関原発の反対運動とスラップ訴訟」 で知らせたが、先日、多くの人の声を届けようということで抗議文への賛同の呼び掛けがあった。数日で約2000人の個人、200の団体が賛同のメールを送信したそうだ。こういう時はメールというツールの凄さを実感する。以下、呼びかけ人からのメールを転載する。

**********

このたびの「上関原発建設計画地の一方的な埋め立て工事に対する抗議文」提出に際し、緊急の呼び掛けにも関わらず、数日間で多数の方達からご賛同をいただきました。

[個人賛同者]1988筆  [団体賛同者]203筆 お寄せいただいたことを、遅くなりましたがご報告します。

尚、賛同者複数名からアドバイスをいただき、抗議文中、「作業員や警備員600名」を加筆し、通産省へ提出した署名「80万筆以上」を「87万筆以上」に訂正しました。

今回はスイスやアメリカからも故郷に思いを馳せる賛同をいただきましたし、旅の途中のピースボート船上からは55名もの賛同がよせられるなど、メールの処理をしながらも感動の連続でした。そして賛同は予想を遙かに越え、膨大な数となり、提出日を一日延期させていただく程でした。

「上関原発問題や祝島の人々に心をよせて、ネットなどを注視している方達が沢山います」「ともに知恵を出し合い、対立を越えていく社会を目指しましょう」こういうメッセージが多く目につきましたが、賛同のほとんどが市民一人一人から寄せられたもので、都会からも田舎からも、高齢の方から若者までと幅広く、素朴なメールの内容からも温かなお気持ちを感じ取ることが出来ました。

呼び掛け活動をしたわたくし達も、実はこういう事には不慣れな市民の一人でしたが、「現地に駆けつけられない者として、何か出来ることはないだろうか」という思いがつのってのことでした。 呼び掛けを広めてくださった皆様の熱意に深く感謝を申し上げると共に、この抗議文提出活動が上関の現地で頑張っておられる皆様への応援となりますよう願ってやみません。以下に団体賛同者一覧と抗議文を明記させていただき、長くなりましたが今回のご報告とさせていただきます。

本当にありがとうございました。
2011. 03 . 07

「上関原発の問題を知る」全国有志の会
虹のカヤック隊応援団@北海道

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆抗議書面の宛先(6名)◆
内閣総理大臣 菅直人
経済産業大臣 海江田万里
環境大臣 松本龍
山口県知事 二井関成
山口県上関町町長 柏原重海
中国電力株式会社 取締役社長 山下隆

3月1日(火)抗議文と賛同者名簿一覧を6名宛てにメール送信
3月2日(水)再度、書面にて同じものを6名宛てに郵送
賛同者総数2191筆(団体203筆、個人1988筆)
賛同者一覧だけでA4 × 18枚となり、皆さんの熱意を大きな固まりで郵送できました。

◆呼びかけ人◆
「上関原発の問題を知る」全国有志の会
虹のカヤック隊応援団@北海道

[抗議文]
◆山口県上関原発建設計画地の一方的な埋め立て工事に伴う現場での危険かつ強引な作業に強く抗議いたします◆

 私たちは、山口県上関町の上関原発計画地埋め立てに関して中国電力が説明を求める地元住民を全く無視した形で一方的に工事を着手し、現場海上及び陸上で危険な作業を強行している事に強い憤りを感じています。
 2月21日から中国電力は多数の作業員や警備員600名を動員して強引な埋め立て工事を再開しました。この一方的なやり方に危機感を持った人達が現地に集まり抗議活動をしていますが、それを全く無視する形での強硬な作業の進め方により、23日にはついに祝島の高齢者を含む2人が負傷し、救急車で搬送される事態が起こりました。
 現地の人達の抗議活動は現場に駆け付けられない私たちの意志を代表するものであり、中国電力のこのような非人道的で不当な暴力を認めることはできません。
 原発問題に限らず、一般市民との十分な論議の場も設けず一方的に力ずくで押し進めていくやり方が、日本社会のあらゆる矛盾を生み出してきたと言っても過言ではありません。それを軌道修正し、問題点を洗い直し、対話と協調を重んじる中から持続可能な社会に育て直したいと願う民意を背負って政権交代は実現したはずです。
 私たちは、上関原発計画地の対岸わずか4km先にある祝島の住民9割が30年近く反対の意志を表明していることや祝島の漁師が10億円以上におよぶ補償金を受け取らず、豊かな自然と共に経済的自立と地域活性化を目指して取り組んできたことを知っています。
 また、埋め立て予定地の田ノ浦周辺は豊かな漁場であると同時に、スナメリクジラや天然記念物のカンムリウミスズメの生息が確認されるなど、世界的にも希少な動植物の宝庫です。昨年開催されたCOP10では、貴重な生物たちの多様な生態系を育んできた田ノ浦の海が世界的な評価を受けました。このように世界からも注目されている独自の生態系を育む海を埋め立てることが、取り返しの付かない環境破壊を招くというのは衆知の事実であり、環境アセスメントは何のために為されたのでしょうか。
 これら、解決できていないたくさんの問題や対話の数々を置き去りにし、祝島島民の会が通産省へ提出した署名87万筆以上の民意を全く無視して埋め立て工事を強行する中国電力の強引なやり方、そしてそれを黙認している行政側の姿勢に対して、私たちは強く抗議を表明すると共に作業の即刻中止を求めます。

2011年3月 7日 (月)

電気自動車推進の陰にある原子力発電

 二酸化炭素を排出しないとの理由で、電気自動車を推進する声が大きい。例えば、三菱商事はエストニア政府から温室効果ガスの排出枠1千万トンを買い、購入代金の一部として電気自動車を提供し、急速充電器の技術協力もするという。排出枠を確保するために電気自動車を利用しているのだ。

 電気自動車が走行する際に二酸化炭素を排出しないとしても、充電のための電力源に化石燃料を使用していたのでは意味がないし、危険な原子力発電に頼るのであれば電気自動車が環境に対して負荷が小さいとは到底いえない。地球温暖化対策として電気自動車の普及を推進するというのはまやかしだ。

 以下の上岡直見さんの記事によれば、電気自動車は原発と相性がいいという。つまり、余っている夜間の電気を利用するのに都合がいいのだ。

怪しい電気自動車

 なぜ、こんなに電気自動車の普及が話題になるのかといえば、そこには原子力発電という恐ろしい発電を前提とした考えがあるのだ。原発の事故の危険性はかならずあるし、放射性廃棄物の処理すら確立されていない。原発が、広範囲かつ長年にわたって取り返しのつかない環境汚染を引き起こす可能性が高いことは言うまでもない。原発に頼っているということであればとても賛成することにはならない。

 では、電気自動車の電力源として太陽光発電を使ったならどうだろう? これについては、以下の記事で説明されている。

怪しい電気自動車【続】

 太陽光発電で電気自動車の電力源を賄おうとしたなら、とんでもない面積の太陽光パネルが必要になるのだ。これはとても非現実的な話だ。だから、結局原発をあてにしないと普及は無理ということになる。結局、電気自動車を増やすということは、原発を増やすということになりかねない。このような事実を知っていたなら、どれだけの人が電気自動車に賛同するだろうか? 電力源のことに触れずに、電気自動車がいかにも環境への負荷が少ないかのように報じるのは、まるで騙し行為だ。

 車がなければ生活が成り立たないような地方に住んでいる人にとって車は生活必需品だが、公共交通機関が利用できる地域に住んでいる人はなるべく自家用車ではなく公共交通機関を利用するというのが、とりあえずは最善の省エネであり環境対策だろう。

 それにしても、日本は一部の都市に人口が集中しすぎだ。地方都市に分散させれば都心のラッシュも緩和されるし、地方の人口を増やして地方の町の商店が活性化すれば車を利用して遠くの大型店に買い物に出かけなくてもすむ。私の住む町でも人口の減少にともなってどんどん商店が減り、週末に車で大型店まで買い物に行く人が少なくない。車利用前提の大型店は、地方の小さな町の商店にも大きな打撃を与えているのだ。都市への一極集中を抑え、地方を活性化すれば車の利用も減らすことができるだろう。

2011年3月 6日 (日)

抗うつ薬に頼る治療はいい加減にやめるべき

 昨日のNHKの追跡A to Zは、「広がる“新しい心の病”~混乱する精神科医療~」だった。以下が番組の要約だ。

 精神科や心療内科で複数の薬を処方される場合がある。抗うつ薬は基本的に、一種類処方して効果がないと、別の薬を処方するというようにしなければならないのだが、日本では一度に複数の薬を処方する医師が多いという。近年では、抗うつ薬を大量服用して救急搬送される患者が急増しているそうだ。うつ症状がなかなか改善せず、薬の種類を増やしてしまうという医師の問題がその背景にある。また、従来のうつ病とは異なる新型うつが広がっていることも関係している。従来のうつ病は中高年に多く、気分の落ち込みや不安といった症状で薬が比較的効くのだが、新型うつは20代から30代の若い人に多く、気分にむらがあってうつ状態のときと躁状態のときがある。このような新型うつには薬は効果がない。患者の話しを聞いてうつ病の原因を探り、原因を取り除いたりカウンセリングを受けたりする方法が有効だという。

 うつ病が精神的なストレスからきている以上、薬による治療はあくまでも一時的な対処療法でしかない。ところが、日本ではうつ病の治療といえば精神科や心療内科に行くことになり、そこではまだまだ薬による治療が一般的だ。患者も、心理療法を知らず薬に依存してしまう人が多い。

 医師が安易な対処療法に頼ることについては、「うつ病に効果的な認知行動療法」にも書いたが、心理療法のできる臨床心理士が少なく、時間のかかる心理療法は診療報酬が少ないという現実がある。しかし、おそらくそれだけではないだろう。製薬会社と医師の癒着も関係しているとしか思えない。複数の薬を同時に処方することが良くないことくらい、多くの医師は知っているのではなかろうか。それにも関わらず大量処方するというのは不思議としかいいようがなく、医師に何らかのメリットがあるとしか思えない。患者を第一にした治療とは思えないし、大量服用によって救急病院に運ばれるのでは逆効果だ。

 もちろんストレスのもとを取り除くことができればいいのだが、社会全体が病んでいるのだから、そう簡単に原因を取り除くことはできないだろう。だからこそうつ病を発症するのだ。抗うつ薬はあくまでも一時的な対処療法と捉え、認知行動療法などの心理療法の拡大と、ストレスの少ない社会を目指すしかない。

 それにしても、これほどまでにうつ病が広がり、自殺者が増えているというのはもはや正常な社会ではない。こんな状態で、若者から高齢者まで安心して暮らせる社会がくるのだろうか。防衛費や無駄な公共事業に税金を使うのはいい加減にやめてほしい。やはり、北欧を見習って教育・福祉を重視する国家を目指さねばどうにもならないのではなかろうか。

2011年3月 4日 (金)

入試問題投稿事件から何を考えるべきか

 ここ数日、ある予備校生が携帯電話を使ってインターネットの質問サイトに入試問題を投稿した事件がトップニュースとなっている。しかし、入試のカンニング事件をトップニュースとしてこれほどにまで大々的に報道する必要があるのだろうか? この受験生の行為はもちろんやってはならないことだが、それにしても連日大きく放送するほどのニュースとは思えない。マスコミはなぜこれほどまでに大騒ぎするのだろうか。

 カンニングなどというのは昔からあったし、替え玉受験などというのもあった。しかし、そのようなことはもちろんトップニュースにはならないし、不正が発覚したなら大学が独自に調査し対応したので全国に知れ渡るような騒ぎにはならなかった。

 今回の不正はインターネットを利用した特殊な方法であり、不正をした受験生を速やかに特定するためにはプロバイダにIPアドレスの提示を求める必要があったとはいえ、刑事事件にまでしなければ解決方法がなかったとは思えない。刑事事件にまで発展したことで、この受験生の今後の大学進学は極めて困難になるだろうし、ひとりの若者の将来に致命的ともいえる禍根を残してしまった。本人は深く反省しているそうだが、この騒ぎによって受けた心の傷は大きいに違いない。マスコミはあまりにも無神経だ。これを引き金に深刻な精神状態にならないことを願いたい。

 今回の不正は、どうしても入学したいという単純な動機からだったようだ。彼は、こんな不正を考えるほど追いつめられていたということだろう。私は、この事件で考えるべきことはこの受験生の行為というより、大学入試のあり方だと思う。

 日本では大学入試のハードルが高く、卒業のハードルはきわめて低い。このために少なくとも中学以降は入学試験をクリアするために勉強しているといっても過言ではない。試験でいい点をとることが勉強なのである。教師も生徒も入試に振り回され、人生のうちでも多感な青春時代に、クラスメートや友人との競争を強いられているのが現実だ。これでは、自ら好奇心をもって知識を吸収したり、自分で考える力を身につけるような学びはできない。

 こんな状態だから、大学に入学することが目的となり、そこで何を学びたいのかがはっきりしない生徒も多い。自分の学びたい分野というより、自分の学力レベルで大学を選ぶと者も多いというから驚きだ。入試が目的になっているから、大学入学という目的を果たしてしまったら、部活動やアルバイトに忙しく学業がおろそかになる学生も少なからずいる。第三者から見たら何のために大学に行くのかと思うことすらある。大学は学びの場という以上に、就職の先延ばしとして利用されている側面もある。

 入学試験以上に卒業を厳しくしたなら、おそらくこんな状況にはならないだろう。高い学費を払って大学に行っても、専門知識を活かしたり自分で物事を考え行動することもできないのであれば、何のための高等教育なのかということにもなる。

 それともう一つ、学生も一流大学に入ることだけを目的にするのはやめたほうがいい。もちろん、親も自分の子どもに過剰な期待をかけるべきではない。学ぶ=一流大学に入学する、ということではない。一流大学ではなくても、すばらしい研究をしている教員、人間として優れている教員はいくらでもいるだろう。逆に、一流大学の教員がみな優れているというわけでもない。本人にやる気があれば大学の名前など関係はないし、著名な大学を卒業したからといって、将来が保障されているわけでもない。大学名で大学を選ぶというのはナンセンスだ。家庭の事情などで進学したくてもできない若者もたくさんいる。出身大学や学歴で人間を評価したり判断するのも馬鹿馬鹿しい。

2011年3月 2日 (水)

日本環境法律家連盟が電力会社を相手に公害調停

 日本環境法律家連盟が、ホッキョクグマを申請人として日本の電力会社を相手に、温室効果ガスの削減を求める公害調停を起こすという。今年の夏にも、総務省の公害等調整委員会に申請する予定とのこと。

申請人はホッキョクグマ 電力会社に「すみか返して」

 日本では、電力会社の排出する温室効果ガスのことがあまり問題視されないように思う。温室効果ガスの削減のために個人の努力は求められても、大量の温室効果ガスを排出している発電所に対する抗議の声はまず聞かれない。それに比べ、イギリスなどでは国民の意識が随分違う。

 イギリスで計画されていた新たな火力発電所の見直しを迫るために、2007年にグリーンピースのメンバー6人が発電所の煙突に登り、煙突にメッセージを書く抗議行動を起こして逮捕・起訴された。しかし、2009年、一般市民からなるイギリスの刑事法院の陪審団はグリーンピースに無罪を言い渡したのだ。陪審団は、毎日2万トンもの二酸化炭素を排出する火力発電所が、地球環境に与える損害を考えれば、グリーンピースの抗議行動は正当であると判断したのだ。以下の動画をご覧いただきたい。

行動の時が来た

 日本で同じことをしたらどうだろう? 日本の裁判所はまず無罪判決などは出さないだろう。なぜ行動を起こしたのかという目的や理由、公共性は棚に上げ、行為の違法性だけを取り上げて有罪にするというのが、鯨肉の裁判からも明らかだ。グリーンピース・ジャパンのメンバーが証拠の確保を目的として鯨肉の持ち出しをしたことに関しては、批判的な国民も多かった。日本では、活動の目的や公共性よりも、行為の違法性のほうが批判されるのだ。

 温暖化対策のために太陽光発電を推進するのはいいが、それなら電力会社は自然エネルギー分だけ化石燃料の削減をしなければ意味がない。ところが、日本の発電所ではそのような削減がまったく見えてこないのだ。しかも、温暖化対策の名の下に、危険きわまりない原子力発電所を建設しようと躍起になっている。この国の温暖化対策は絵空事であり、かなり末期的だ。

 日本環境法律家連盟の行動は、温室効果ガスの大きな排出源となっている電力会社を問題視するという観点からも意味があると思う。

2011年3月 1日 (火)

断捨離のあとはシンプルライフを

 昨年は実家の、そして今年は自宅の大々的な片づけをした。自宅の片づけといっても、大半は娘たちの所有物だ。いずれしなければならないとは思いつつ、ずっと先延ばしにしてきたのだが、もう限界である。部屋の隅に山のようになって何年もそのままになっている物をなんとかしなければならない。机の引き出し、押し入れ、カラーボックス、衣装箱などから中身を引き出した。

 雑誌や漫画本、知人などからもらった雑多な物の数々、教材や文房具、着なくなった衣類、ゲームにビデオ等々、驚くほどの物が出てきた。それを可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ、リサイクル品に分けた。

 もったいないとか、思い出の品だという理由で処分せずにいたものが何と多いことか。雑誌類を除き、多くは自分で買ったというよりもらったものだ。文房具、ぬいぐるみ、バック類など、どうしてこんなにあるのかと思うほど出てきた。

 考えてみれば、私の子どもの頃は物が少なく、鉛筆一本、消しゴム一個でも大事に使った。自分の所有物など、ごくわずかしかなかった。だから、もらいものの鉛筆やボールペン、シャープペンシルがジャラジャラ出てきたのには驚いた。数十年の間に、こんなにも安易に物をもらう生活になったのだ。これだけ物があふれていたなら、物を大事に使うという習慣がなくなってくるのも頷ける。とりあえず使える文房具類は残したが、一生かけても使いきれないだろう。

 衣類も大半はもらいものだ。親からのプレゼント、親戚や知人からのお下がりが多いが、大半が衣装箱の肥やしになっていた。これも思いきってリサイクル品と処分品に分けた。

 昨今は、不要なものをきれいさっぱりと片づけることを断捨離というらしい。要らないものを処分して、使うものだけにするというのは確かに合理的だ。実際、生活必需品などはそれほど多くはない。使わないものが何と多いことか。シンプルな生活は物を管理するのも掃除をするのも楽だし、生活空間が広がる。しかし、物が少ない時代に育った私は、やはり何でも捨ててしまうことに大いなる抵抗感がある。心を鬼にしなければできない。

 ある知人が、衣類を「一枚買ったら、一枚捨てる」と言っていた。そうしないと収納する場所がないという。しかし、ちょっと違うのではないか? この方法は、欲しい衣類があれば買い、それを収納するためにまだ着られるものを処分するということだ。着られなくなったものを処分し、新しい物を買うというのがかつての生活だった。できる限り「一枚捨てたら、一枚買う」ように心がけるべきだ。

 私は衣類もそれほど買わないが、買う場合はなるべく流行とは関係のないデザインにする。流行に振り回されるというのは、まさに無駄な消費をしているということだ。日本人はもう少し、流行に捉われずに自分の好みの服を何年も大切に着るという習慣を身に付けたほうがいいと思う。

 物をつくるための資源は有限だ。それなのに我々の生活にはゴミになるような物がどれほど溢れていることか。マータイさんの「もったいない」という言葉が頭をよぎる。断捨離をしたなら、そのあとは必要最小限の物しか買わないシンプルライフを実践すべきだ。大量生産、大量消費の時代を終わりにしないと、地球はもたない。

 これからはゴミを減らすだけではなく、「買わない」「もらわない」を心がけたいと思う。とはいっても、本は断捨離の対象外だ。

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