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2011年2月17日 (木)

核廃棄物の地下処理で原子力発電の問題は解決できるのか

 昨日のBS世界のドキュメンタリーは、「地下深く 永遠(とわ)に ~核廃棄物 10万年の危険~」という核廃棄物問題についての内容だった。番組のタイトルから、原子力発電の問題点を浮き彫りにさせるのかと思っていたのだが、ちょっと違った。というか、見方によっては原発推進を容認する内容だ。

 フィンランドでは、原子力発電所から出る核廃棄物の最終処理場を建設している。その核廃棄物の放射能が生物にとって安全なレベルになるには、少なくとも10万年はかかるという。現在、フィンランドでは水中で核廃棄物を保存している。しかし、いつ何が起こるかわからない地上でこの危険きわまりない核廃棄物をずっと保存しておくことはできない。そのための最終処分場として選んだのが、地下の古い時代の岩盤である。

 岩盤を500メートル掘り下げてそこにフィンランド国内の原発から出た核廃棄物を入れた容器を埋設していく計画だ。これを「オンカロ」と呼んでいる。そして、この処分場がいっぱいになる100年後にコンクリートで封入するという。

 番組では、将来、人類あるいは知的生物が処分場に侵入して放射線物質を掘り起こしてしまった場合の危険性について語られていた。何らかの警告を表示するとか、あるいは何もせず忘れ去られるほうがいい、といった意見がある。

 この番組を見ていちばん疑問に思ったのは、この廃棄物処理場は掘り返さないかぎり安全なものであるとの考えを基盤にしていることだ。しかし、絶対に安心といえるのだろうか。岩盤それ自体は古く安定したものであっても、そこに穴を穿ってしまえば元の岩盤ではなくなる。コンクリートの耐用年数は100年といわれている。コンクリートそのものがやがて変質したり、岩盤とコンクリートの隙間から水が浸透するようなことはないのだろうか? 果たして10万年ものあいだ安全に閉じ込めておけるのだろうか。地下の岩盤への核廃棄物処理については、もちろん専門家の人たちが十分検討しているのだと思うが、それにしても私はこれらのことを素朴に疑問に思う。

 原子力発電所によって何とかしなければならない核廃棄物を抱えてしまったから、やむを得ず地下処分場を建設しているだけではないのか。ならば、原発推進とは別のことだ。

 スウェーデンも地下の廃棄物処理場の建設を決めている。環境先進国といわれる北欧では地球温暖化対策として原子力発電を容認する動きがあるが、その陰にはこうした地下の核廃棄物処分場建設があるのだ。しかし、百歩譲って地下の処理場が安全だとしても、原子力発電所自体の安全性の問題がある。あのチェルノブイリのような事故が再び起こらないとは限らない。今も原発は危険な事故と隣り合わせだ。しかも、地下の処理場を造っている国は自国の廃棄物の処理しか対応していない。世界には行き場のない放射性廃棄物が山となっている。

 それにウランだって有限だし、ウラン鉱山の問題もある。

ウラン鉱山跡の廃棄物問題

 日本の場合は使用済み燃料の再処理をしており、さらに問題が大きい。しかも日本には安全といえる地層すらあると思えない。どう考えても原子力発電を推進することには賛同できない。温暖化問題もきわめて危機的な状況になりつつあるが、だからといって原発を進めるべきだとは到底思えない。これ以上、核廃棄物を増やさないことを真剣に考えなければならないと思う。

 以下は岩波の「科学」に掲載されている論文だ。

高レベル放射性廃棄物の地層処分はできるか

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