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2011年1月30日 (日)

鳥インフルエンザと大規模養鶏

 このところ毎日のように高病原性鳥インフルエンザに鶏が感染して殺処分したとのニュースが流されている。何万羽もの鶏を飼っている大規模養鶏場が多いから、あちこちで驚くような大量処分が行われている。そして、鳥インフルエンザを運ぶ野鳥に注意するよう喚起されている。

 もともと鳥インフルエンザウイルスは、カモなどの野鳥が昔から持っているものだ。鳥は昔からウイルスと共存してきたのだ。その鳥インフルエンザウイルスのうち、強毒性といわれるタイプが感染を繰り返して変異を起こすことで毒性が増し、人から人へ感染するタイプが生じた場合にいわゆるパンデミックが起きるといわれている。だから、繰り返して変異を起こす場がなければ、そう簡単に感染爆発が起きるとは思えない。

 今、養鶏場で殺処分が行われているのは、そこがウイルス変異の場となり、また人間に感染する場ともなり得るからだ。養鶏場の鶏の密度は尋常ではないから、いちどウイルスが入り込めば次々と感染して変異が生じる可能性が高い。鶏たちは信じがたいような密度でケージに詰め込まれ、生物の飼育場というより卵や鶏肉の生産工場と化している。こうした場所がパンデミックの震源地になりかねないからだ。

 しかし、ひとつの養鶏場で何万羽もの鶏をすし詰め状態で飼育していることこそ異常であり、不自然なのだ。人間が自ら強毒性鳥インフルエンザの発生源をつくりだしているようなものだ。結局、自然を無視した効率第一の大規模経営化の弊害が表面化したということだろう。

 これは鶏に限ったことではない。豚や牛などの家畜も同じだ。かつては牛の放牧は当たり前だったが、大規模化が進むにしたがって舎飼いにするようになった。最近は屋外に牛を放牧している酪農家はほとんど見ない。これでは牛のストレスが増加するだけだろう。しかも、輸入穀物に頼り、抗生物質に頼るというきわめて不健康な飼育をしている。家畜だって生物である以上、自然を無視したような飼育をしたらやがて問題が生じるのだ。鳥インフルエンザもそのことをわれわれに警告しているかのようだ。

 今こそ、大規模経営の見直しを図り、できるかぎり自然な飼育に方向転換していくべきだろう。そうしない限り、この問題は解決するとは思えない。ところがそのような視点で報道をするマスコミは見かけない。野鳥に近づかないよう、あるいは養鶏場に野鳥が侵入しないよう警告するばかりで、まるで野鳥が悪者みたいな扱いだ。

 同じようなことを考えている人は他にもいる。

ニワトリの飼い方をそろそろ見直すべきでは

鳥インフルエンザって、野鳥が悪いのか

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