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2010年12月13日 (月)

ウィキリークスの挑戦とインターネット

 ジュリアン・アサンジ氏の創設したウィキリークスとそれを敵視する人たちとのサイバー合戦が繰り広げられているとか・・・。

 少し前までは、いわゆるメディア(新聞・テレビ・ラジオ・雑誌・書籍等)に一般の人が直接関わることはあまりありませんでしたが、インターネットが普及した今は、誰もがホームページやブログ、掲示板などで全世界に情報を発信できるようになりました。情報の正確さはともかくとして、誰もが自由にメディアを持つことが可能になったのです。2、30年前には考えられなかったことです。

 マスコミは自分たちに都合の悪いことはほとんど伝えません。まして、そのマスコミが権力者と結びついていたなら、マスコミは御用メディアでしかなくなるでしょう。それを是正することができるのは、権力者ともマスコミとも結び付きのない者による発信です。インターネットがマスコミの報じない不正などの告発の場として用いられるのは、当然の成り行きです。

 そして、衝撃的ともいえる告発サイトがウィキリークスです。イラクで米軍が市民を銃撃している映像などは、まさにアメリカの嘘と傲慢さを表しています。ウィキリークスの公開した米外務省の機密文書によって、アメリカの外交上の情報が丸裸にされ、イラクに戦争を仕掛けた陰謀が暴かれました。この告発サイトによって、国家機密の名の元に、市民に知られたくない情報が大量に秘匿されているという現実を、私たちは知ることができたのです。これまで一般のメディアには到底できそうもなかったことを、ウィキリークスは成し遂げました。これは大きな功績です。

 もっとも、機密情報がインターネット上に流出したことにおいては、公安警察の内部資料流出事件や尖閣ビデオ流出事件も同じです。これらの情報流出の正当性はともかくとして、もはやインターネットによって情報が世界中にばら撒かれる時代になったという認識をもたねばならなくなりました。

 ウィキリークス、公安内部資料流出、尖閣ビデオ流出などの問題で口ぐちに叫ばれるのが、機密情報の管理責任です。しかし、いくら情報管理を徹底したところで、情報を知り得る立場の人が内部告発を決意したなら、情報の流出を完全に防ぐことは容易にできないでしょう。内部告発というのは権力者などが不正をしたり、不都合な情報の隠ぺいを行うがために生じるのであり、それを根本的に防ぐには本来であれば不正をやめて透明性を高くするしかありません。

 ところが、まずそういう方向には動かず、権力者は告発者探しにやっきになり、告発サイトを潰そうとするのが世の常です。ウィキリークスに怒ったアメリカはサーバーのアマゾンドットコムに圧力をかけてサービスを停止させ、クレジットカード会社のビザとマスターカードもウィキリークスのカード使用を中止するなどして追い出し、さらにスウェーデンはアサンジ氏を性犯罪で指名手配し、英国警察が逮捕するという事態に至っています。アメリカは彼をスパイ罪で訴追すべく必死になっているようです。権力者の卑怯な手法が手に取るように分かります。それにしても、アサンジ氏の強姦容疑の真実はどういうことなのでしょうか。逮捕するほどのものなのか、大いに疑問です。

 ウィキリークス側もサイバー攻撃をしかけているようですが、何よりも強みなのはミラーサイトです。アサンジ氏を拘束したところで、いちどインターネット上に広まってしまった情報を回収するのはほぼ不可能でしょう。サイバー合戦もいつまでも続けていられないと思いますが、どういうことになるのでしょうか。

 告発情報というのはプライバシーの問題などもありますが、基本的にはウィキリークスに頑張ってほしいと思います。

 それにしても、日本のマスコミはウィキリークスでどんなことが暴露されているのか、ろくに報道しないのではないでしょうか。海外ではマスコミが中身を話題として取り上げ、アサンジ氏の逮捕に抗議してデモも行われているようですが、日本のマスコミはノーベル賞だの、小沢氏問題だの海老蔵事件だのに話題をそらせ、ウィキリークスの報じている中身のことや、アサンジ氏を支持する海外の市民の動きなどには触れないようにしているかのようです。なんともお粗末。

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