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2010年12月17日 (金)

「先生」が大好きな日本人

 日本人ほど「先生」という敬称が好きな国民も珍しいのではないでしょうか。学校の教員だけではなく、医者、弁護士そして代議士にまで「先生」をつけます。そして「先生」とついているだけで、なんだか特別えらい人たちのように扱うのですから、不思議なものです。

 さらに気持ち悪いのは、先生同士で「先生」と呼び合うこと。学校の教員など、そうですよね。生徒が教師を「先生」と呼ぶのはわかりますが、なぜ教員同士が「先生」をつけなければならないのでしょうか。先生同士は無意識にそう呼んでいるのかもしれませんが、悪しき習慣だと思えてなりません。

 師弟関係がない相手にやたらと「先生」をつけたがる人には、権威主義を感じてなりません。医者、弁護士、あるいは学者でも、権威主義を嫌う方は、自分が安易に「先生」と呼ばれることに抵抗を感じるのではないでしょうか。

 たしかに、医師や弁護士になるためには人一倍の努力が必要です。難関の国家試験もパスしなければなりません。だからといって特定の職業の人に「先生」をつけて特別扱いのようにするのはどんなものなのでしょう。勉学に秀でていたり難しい試験にパスしたからといって、そのような人だけが優秀というわけではなく、人間的な面で特にすばらしいというわけでもありません。

 たとえば自分自身が偉いと思っている「先生」は、他者を見下します。医者などでも、そういう感覚の方は、患者に対して非常に横柄な態度をとるのです。説明を求めても「私は専門家だ、素人が口を出すな」と言わんばかりの対応をします。私も、二度とかかりたくないと思った医者が何人かいます。でも、基本的に人間は対等。専門家に対して敬意を持って接することは必要ですが、ことさらに相手の職業を意識して言いなりになるべきではないし、あくまでも対等の関係で接するべきです。

 医師も弁護士もそして代議士も、本来は市民に向き合う仕事です。それだけでなんだか尊い仕事であるという感覚にさせられますが、中には権威をひけらかし、お金儲けに忙しい「先生」もたくさんいるのです。

 驚くべきことに、ただの市民の私にまで「先生」をつけてくる人がいます。一般の方よりちょっとクモについて知っているだけなのに、なぜでしょうか? 恐らく、「持ちあげたい」という意識があるのでしょう。人間、だれでも持ちあげられると嫌な気持ちはしません。その心理を利用したいのでしょう。先生、先生と呼んで、いろいろ頼みごとをするわけです。

 行政もよく「先生」を利用します。大学の教授などに先生、先生と言ってゴマをすりながら接近し、徐々に相手を自分の側に引きこんで御用学者に仕立てていくのです。行政に限らず、「先生」と呼んでおだてあげ、自分に有利に動いてもらおうという輩がたくさんいます。ですから、「先生」とおだてられたら要注意と思ったほうがいいでしょう。

 「先生」というのは、権力者にとっては実に便利な敬称なのです。権力者と医者や薬品会社が手を組めば、重大な副作用のあるワクチンとか、本当は必要ではない医薬品も広めることができるでしょうし、不要ながん検診も大々的に宣伝できます。法曹界と手を組めば、不当な裁判もまかり通ってしまいます。学者と手を組めば、「学識経験者の意見を聞いた」といって市民の声を無視し、無駄な公共事業も正当化できます。代議士にいたっては言うまでもありません。「先生」を利用するのは、権力者の常とう手段。

 そう考えていくと、やはり「先生」などという敬称を安易に使うのは考えものです。悪しき習慣を絶つためにも、教育現場以外では「先生」という敬称はやめたほうがいいのではないでしょうか。

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