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2010年11月 4日 (木)

エンドファイトの多用は問題ないのか?

 11月1日のNHKのクローズアップ現代は、「微生物とつながる農業」とのタイトルでエンドファイトについての話題でした。エンドファイトとは、植物の体内で共生的に生活している真菌や細菌のことですが、これを微生物農薬として利用する試みが進んでいるという内容でした。番組の具体的内容については以下のサイトをご覧ください。

「エンドファイト」微生物で育てる作物-肥料・農薬いっさい不要

 はじめに紹介していたのは、青森県のリンゴ農家の木村さん。木村さんは、雑草などの駆除をせず自然の森のような環境でリンゴを育てたところ、無農薬・無肥料での栽培に成功したとのことです。木村さんの農園では、多くの微生物が生息しており、リンゴの葉の中にも微生物(エンドファイト)が入り込んでいるということでした。

 このように本来その地域の自然の中で生きている微生物の生息環境を守ることで、エンドファイトを活かすのならわかります。しかし、続いて紹介されたのは全国からエンドファイトのサンプルを集めて、農作物に有用なものを探し応用するという研究でした。さらに、このような手法を実際に実用化しているニュージーランドの例が紹介されました。

 世界中の牧草を集めてエンドファイトを調べ、家畜に害のないエンドファイトを見つけ出して、それを牧草の育成に大量に利用しているそうです。その経済効果は140億円とも言われているとか。

 ここまでくると、さすがに商魂たくましい企業の姿がありありと感じられ嫌悪感を覚えました。それと同時に「こんなことをして大丈夫なのか?」という疑問が頭をもたげてきます。なぜなら、エンドファイトには家畜などに中毒を起こすものもあるからです。牧草の場合、家畜の中毒を起こさないエンドファイトを選んだということですが、だからといってそれが自然界の他の生物に対して無害であったり、家畜を食べる人間に安全であるという保障はありません。

 また、番組でも一言だけ触れられていましたが、本来その地域にない微生物を大量に導入するというのは、生態系のかく乱になります。外来種が生態系のかく乱を招き大変なことになっているように、外来の微生物が同じ道をたどることにもなりかねません。エンドファイトの乱用が、取り返しのつかないことになるのでは、という懸念がどうしても残ります。

 人間は自然を管理し征服しようとしてきました。しかし、その度に自然の方が上手であることを私たちは経験してきたのではないでしょうか。欲に目がくらんで自然を人間の都合のよいようにコントロールしようとすれば、自然はそれに対して必ず反応をします。農薬、化学肥料の弊害はもちろんのこと、耐性菌や遺伝子組み換え然りです。エンドファイトの効用に目がくらみ、経済効果ばかりを考えるべきではないでしょう。

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環境、生物多様性などのキーワードが叫ばれる昨今だけど 国策として国益としてそういったものを見ているんだろうかと時々思う。 そしてそれを国益に叶うものとして見ないのは非常にもったいないなあとエンドファイト関連の報道をみて思う。 エンドファイトとは endoとphyt... [続きを読む]

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