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2010年9月26日 (日)

名前ばかりの「受光伐」

 先日、石狩川源流部の違法伐採について以下の記事を書きました。

石狩川源流部盗伐調査(その1)見つけた盗伐の証拠 
石狩川源流部盗伐調査(その2)消えた「無印良品」

 ここでの伐採は、契約上では天然林受光伐が主体(一部人工林の保育伐もある)で、契約上の伐採量は4400立方メートルです。また、伐採率は小班によって異なるものの、20%から30%となっています。

 では、「受光伐」とはどんな伐採方法なのでしょうか。そして、この伐採は本当に「受光伐」といえるものなのでしょうか。

 「森林・林業・木材 基本用語の解説」(北海道林業改良普及協会)で「受光伐」を調べてみると、以下のように説明されていました。

 「漸伐作業において、予備伐、下種伐のあと、稚樹の成長を図り更新を促すために、上木をすかす伐採のこと。この後、終伐(殿伐)で最終的な収穫を行い、更新が完了する」

 漸伐については以下のような説明があります。

 「天然下種更新を前提として、成熟木を数回に分けて伐採し収穫する方法のこと。収穫と並行して天然更新が行われ、母樹の保護のもとで稚樹が育成される」

 これらを合わせると、受光伐とは「天然更新を図るために母樹の保護のもとで行われる伐採であり、稚樹の成長を図るために上木をすかす伐採」ということになります。つまり、「受光伐」だとする以上、優良な種子をつくる母樹を保護したうえで、稚樹を育成するために上木をすかす伐採が行われなければなりません。

 ところが実態は上記の記事に書いたように、母樹となる大径木を手当たり次第に伐りつくし、スカスカ状態にしまったのです。「更新を図る」どころか広大なササ原をつくりだし、更新困難地にしたようなものです。光を当てて育てているのは、ササ原というのが実態でしょう。「受光伐」などというのは名目だけで、契約と実態が乖離している施業なのです。

 また、上記の記事で指摘したように、収穫を予定していなかった木まで伐採(つまり盗伐)しているのであれば伐採率は申請より大きいことになります。スカスカになってしまうのも当然のこと。北海道森林管理局は、実際の伐採率を算出すべきです。

 大雪山国立公園の針葉樹林帯のかなりの部分が第3種特別地域になっているのですが、この地域も第3種特別地域です。第3種特別地域では伐採率の上限が定められていません(第1種特別地域では10%まで、第2種特別地域では30%までという制限があります)。幌加やタウシュベツで皆伐が行われたのも第3種特別地域だからなのです。こんなことでどうやって生物多様性の保全をするのでしょうか。

 北海道森林管理局が、大雪山・日高山脈森林生態系保護地域を、主として標高1000メートル以上の地域を中心に設定した理由はここにあるのでしょう。森林生態系保護地域としたところの大半は、特別保護地区や第1種特別地域に指定されており、もともと施業はほとんどできないのです。

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