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2010年9月 1日 (水)

クスサンが目につく今年の夏

 可憐な蝶は愛好者も多く、美しい昆虫として好まれる存在ですが、同じ仲間でも蛾はなぜか嫌われ者。私も子どもの頃はどうしても蛾が好きになれませんでした。部屋の壁などに同じ姿勢で何日もじっとしている陰気な雰囲気の蛾には、なにらや薄気味の悪さを感じて、手を出そうとは思いませんでした。

 小学生だったある日、親戚の家の庭で虫とりをしていたら、樹の茂みの中から大きなヤママユガが飛び出てきたことがあります。その大きさに興味をそそられ、怖いもの見たさで恐る恐る捕まえたことがあります。とはいっても、やはり蛾は蛾。蝶と同じように標本にしようなどとは考えもせず、ひとしきり観察したあとですぐに逃がした記憶があります。

 毛むくじゃらの太い胴体と羽毛のような触覚、謎めいた模様やひどく地味な色彩、それに翅を厚く覆う鱗粉は、手で触れることをためらわせてしまいます。蛾という昆虫は何とも秘密めいているのです。

 種名を調べようと図鑑を見ても、とても調べる気がしないほど似たような種が並んでいます。おまけに、図鑑の図は蝶のように翅が開いた状態なのに、目の前の蛾はそんなふうに翅を広げているわけではありません。なぜ止まっている状態の図が図鑑に載っていないのかと、いらだちを覚えてしまいます。標本にしようと思っても、ちょっと翅に触っただけで鱗粉が手にまとわりつき、翅の模様がかすれていきます。というわけで、これまで蛾をちゃんと調べて見ようと思ったことはほとんどありませんでした。

 でも、蛾の翅の模様をじっと見ていると、蝶とは比べものにならないくらい複雑で神秘的な模様に驚かされます。不思議なことに、子どものころ抱いた嫌悪感は今ではほとんど消え、むしろ興味深い存在です。

 ところで、今年の夏は大型の蛾であるクスサンがよく目につきます。大型のクスサンは素人でも同定がたやすい蛾です。どうやら、クスサンも例年より多く発生しているようで、少し前にノンネマイマイやマイマイガがへばりついていた街灯には、今はクスサンが翅を広げています。そして、下には鳥の餌食になってしまったとクスサンの翅が・・・。翅の目玉模様は捕食する動物を威嚇するのに役立つといいますが、果たしてどうなのでしょうか?

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 一昔前に比べ、蛾も激減したと聞きます。多くの人にとって気味が悪い存在であっても、自然の一員であることには変わりありません。嫌われ者であっても、生態系にとっては重要な位置を占めているはずです。蛾を専門に捕獲するクモもいますし、蛾に交配をしてもらう植物もあります。人知れず消えてしまうことがないようにあって欲しいものです。

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