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2010年9月20日 (月)

石狩川源流部盗伐調査(その1)見つけた盗伐の証拠

 18日と19日は、日本森林生態系保護ネットワークのメンバーが、「林野庁は違法伐採を認めたけれど」という記事の伐採現場に入り盗伐の調査を行いました。2回に分けてその様子をお知らせします。

 18日は北海道森林管理局の調査で「1号物件」としている場所の一つに入りました。ところが、先日の多雨による増水で石狩川に架けられた橋が見事に落下。

P10201681

 ここを渡らなければ現場に入れません。天然の丸木橋(倒木)によじ登って勢いよく流れる川の上を恐る恐る渡り、さらに長靴で沢を渡って難関突破。なんとか集材路にたどり着きました。

 ここでは素材販売という方法で国有林の木を伐採して販売しています。伐採に当たって、まず森林管理署の職員が収穫調査を行い、伐採する木の幹にナンバーテープをつけます。集材路の作設や伐採は業者が請け負って行います。業者はナンバーテープのついた木を伐採し、そのテープを伐根に移し替え、伐採した木の枝を払って重機で引っ張って土場に運び出します。土場に運び出された丸太は長さを切りそろえ、樹種や径級、品等などで分けて山積みにするのですが、この計測や検査などの作業も下請けの業者が行います。そして、山積みされた丸太を競売にかけるのです。

 当然のことながら、業者はナンバーテープをつけた木だけを伐らなければなりません。なお、集材路の作設や伐採の支障になる木は、支障木として森林管理署に届け出てナンバーテープをつけなければならないのです。

 さて、でこぼこで歩きにくい集材路を登っていくと、集材路がいくつにも分岐しています。そのうちの一本を奥までたどることにしました。集材路の周辺にはナンバーテープのない伐根がいくつもあり、それらにナンバーテープをつけて計測しながら進みました。集材路の下の斜面には、伐根が転がっています。

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 集材路も不自然にでこぼこになっており、ところどころ伐根が顔を出しています。どうやら、伐根や枝葉を集材路に集め、上に土をかぶせて隠しているようです。証拠隠滅か?

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 下のエゾマツを見てください。この木にはナンバーテープがついていません。2カ所にチェンソーで切れ込みを入れた跡があり、伐り出そうとしたことが分かります。でも、途中で伐るのを止めてしまいました。おそらく、少し伐ってみたら材の質が悪く、高く売れないと思って伐るのを止めたのでしょう。ナンバーテープがついている木なら、たとえ品質が悪くても伐らなければなりません。ですから、まさに盗伐をしようとした証拠といえる木ですね、これは。

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 この森林を見てください。あちこちに大径木の伐根があります。お金になりそうな木はすべて伐ってしまい、細い木しか残されていません。ここにはナンバーテープがついていない伐根がいたるところにありました。これが大雪山国立公園の心臓部ともいえる森林の実態なのです。見るもおぞましい光景です。

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 こちらは、直径が70センチほどもあるエゾマツの伐根です。さぞかし高く売れるでしょう。ナンバーテープはついていません。こういう盗伐と思われる伐根があちこちにあります。

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 北海道森林管理局は、この1号物件については区域外での伐採、つまり越境伐採が52本あったとしているだけなのです。越境していない場所にも多数のナンバーテープなしの伐根があるのに、それらの数を数えていません。不可解としかいいようがありません。森林管理局による違法伐採の調査では、手続き上のミスと過失による越境伐採を認めただけなのです。

 私たちの調査では、1本の集材路をたどっていっただけでテープのない伐根が50以上はありました。集材路は毛細血管のように枝分かれしているので、ナンバーテープのない伐根はまだまだあるはずです。これは、どう考えても盗伐としか思えません。業者が盗伐をし、森林管理署がそれを黙認しているとしか考えられないのです。

つづく

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コメント

伐倒→伐倒後ナンバーテープをホチキスでとめる。→重機での集材作業→重機の動作やグラップルで掴んだ材の引き寄せ時による材の動き、またはブルのウインチ巻き上げ木寄せにより、伐根についてるナンバーテープが擦れて取れる。

ナンバーテープがない=盗伐

いちがいにはいえないので勉強しましょう。

私は他の伐採地もいろいろ見ていますが、ここの場合、ナンバーテープのない伐根の数があまりに多く、作業で誤ってはがしてしまったというような状況ではありません。また、近くに取れたテープが落ちているということも確認できませんでした。ナンバーテープのない伐根が多すぎて、跡地検査もまともにできないような状況です。

北海道森林管理局は、自然保護団体の指摘によって越境伐採などの違法行為を認めて関係者の処分もしています。この一体で森林管理者も認める不適切な伐採が行われたのは事実です。

現場も見ていない方に「いちがいにはいえないので勉強しましょう」などと言われる筋合いではないことを申し添えます。

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