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2010年7月 9日 (金)

映画「別れの曲」に込められたショパンの想い

 ショパン生誕200年ということで、1934年に制作されたドイツ映画「別れの曲」がシアターキノで上映されていることを知り、先日見てきました。そこで、今日は息抜きに映画の話題です。この映画、「伝説の名画」と言われているそうですが、ショパン好きにはたまらない映画でした。

 この映画はショパンの伝記的作品ということですが、ショパンの年譜をみても史実とはたいぶ違うようで、かなり創作が入っています。というか、創作によって芸術作品として見ごたえのあるものに仕上がっているというべきでしょうか。ユーモアも随所にちりばめられ、初恋のコンスタンティアへの想い、祖国ポーランドへの想い、そして女流作家ジョルジュ・サンドとの出会いが美しい音楽に彩られて展開されていきます。映画の中でのピアノ演奏も素晴らしいのですが、バックに流れるショパンの名曲(ピアノ演奏ではありません)も心をなごませてくれます。

 最も印象的だったのは、パリでのコンサートの開幕直前にポーランドの独立のための戦いのニュースを知らされたショパンが、モーツァルトの演奏から突如、即興的に革命のエチュードを弾き始めるシーンです。激しく情熱的な演奏と祖国での闘いの場面が交差して映し出され、祖国への深い想いが切々と伝わってきます。華やかなパリのサロンと対照的な激しい演奏に圧倒されます。今の音楽家で、これほどにまで燃え盛る情熱をもった人がどれだけいるのでしょうか。

 そして、リストと背中合わせでショパンの曲を連弾するシーン。これなどは、まさに創作なのでしょうけれど、とても楽しい演出です。

 この映画のテーマとして使われているのが「別れの曲」(エチュード第3番ホ長調)です。作品ではコンスタンティアへの誕生日プレゼントとして作曲したとされていますが、コンスタンティアが別れを告げるラストシーンでも演奏されます。この曲を「別れの曲」と呼ぶのは日本だけのようですが、それはこの映画のタイトルに由来するとのこと。

 私もショパンの曲は大好きですが、中でも「別れの曲」は好きな曲の一つです。この曲は、ショパン自身が「これほど美しい旋律を見つけることは二度とできないでしょう」とリストに言ったと伝えられているそうですが、前半の甘美な旋律と中間部の激しく力強い旋律には、ショパンの愛や情熱が見事に表現されています。ただし、映画では前半の甘く抒情的な旋律しか出てきません。

 76年を経ても色あせない名画ですが、上映期間が限られる映画のようで、残念です。

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