朝里ダムの天空の回廊に驚愕
道南のイソコモリグモ調査旅行の帰りに、小樽の朝里から定山渓に抜ける道道1号小樽定山渓線を通ってみました。この道はこれまで通ったことがなかったのです。もう夕方になっていたのですが、朝里ダムの手前で行く手に目を疑う光景が現出しました。不釣り合いなほど高い橋脚に支えられた高架道路が、ダムの手前をぐるりと一周しているのです。まるで天空の回廊。山の中とは思えない異様な光景です。
手元の道路地図をみると、道路が丸く輪を描いています。なんじゃ、これ?! どうやら、朝里大橋というループ橋のようです。ループ橋の一帯は駐車場やテニスコートなども整備されており、観光地そのもの。ダム建設によって既存の道路が廃止されループ橋に変更したとのことですが、莫大な建設費を投じてこんな橋をかける必要が本当にあったのでしょうか? こんな大げさな高架道路を造ったのはほとんど観光目的としか思えません。
このループ橋を過ぎると、さらに斜面にへばりつくような高架橋が現れます。そして朝里トンネルを過ぎて定山渓側に入るとこんどはトンネルの連続。昨年、ここのトンネルで壁面のコンクリートがひび割れを起こし一時通行止めになっていましたが、トンネル内では今でも工事が行われていました。こうやってみると、もともと立派な道路を通すには不向きな地形だったのではないかと思えてなりません。いくら巨大な高架橋や長大なトンネルをつくる技術があるからといって、必要性とか節度というものがあります。
ループ橋といい、連続するトンネルといい、どれくらいの建設費がかかったのでしょうか。トンネルの復旧工事でもかなりの費用がかかっているはず。費用対効果が知りたいところです。交通量が多いとは思えませんし、途中に札幌国際スキー場がある程度。スキー場とダム観光のための道ではないかと思えるくらいです。とにかく驚きの連続の道路でしたが、いったい誰のお金でこんな道路を造っているのか、多くの人に知ってもらいたいものです。
ループ橋の写真は撮らなかったので、写真を見たい方は「朝里大橋」「朝里ダム ループ橋」などと検索してみてください。
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