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2009年11月28日 (土)

国営かんがい排水事業が縮減に

 事業仕分け作業が終わり、「国営かんがい排水事業」はどうなったのか、仕分け人がどう判断したのかと気になっていたのですが、今日の北海道新聞十勝版に関連記事が出ていました。

 その記事によると「美蔓地区での事業を含む国営かんがい排水事業が『20%縮減』の判定を受けた」とあります。民間の仕分け人は政野淳子さんだったようですが、政野さんといえば果敢にダム問題を取り上げてきたジャーナリストです。道新の政野さんへのインタビューはなかなか興味深いものでした。

 政野さんは「美蔓」(旧美蔓ダム)の事業について、農家一戸当たりの事業費が1億円を越すことが一般的かという質問をしたところ「大体、この数字はあり得る」と答えたそうです。こんな数字が普通なのであれば、全国各地で、効果の検証もしないで巨額のかんがい事業をどんどんやっていたということでしょう。

 さらに、より安くできる代替案の検討や、使われていない利水権を確認したかという質問に対しては「そういう考え方で査定したことはない」と答えたそうです。たとえば地下水の利用などについては何も検討しなかったというのですから、呆れます。

 そもそも本当に水が必要だったなら、とっくの昔に井戸を掘るとかため池を造るなどの対策をしていたのではないでしょうか。本州や四国などでは古くから農業用水を確保するために「ため池」が造られてきました。本当に水が死活問題なら人々は知恵を絞るものです。ところが美蔓地区は計画から16年たった現在もかんがい設備なしで営農しているのです。美蔓の受益地は畑と牧草地ですが、畑や牧草地で大規模なかんがい施設が容認されれば、北海道のあちこちで同じような事業ができるでしょう。必要性から生まれた事業ではなく、政・官・業の癒着から生まれた事業というべきです。「20%縮減」の判定とのことですが、細部まで検討したならもっと縮減できるのではないでしょうか。

 事業仕分けが拙速とか強引という批判もありましたが、これに関しても興味深い意見でした。「・・・短い時間の中で、簡単にふるい落としたという批判は違う。わたしも国会議員の秘書やジャーナリストの立場で14年間、行政を見てきて、その経験から判断した。・・・これまでのバックボーンに基づいて検討したのであり、(制限時間の)1時間の議論だけで決めたわけではない」

 それにしても、今回の事業仕分けでいかに多くの「交付金」とか「補助金」がばら撒かれていたかがはっきりしました。それらは実際に何に使われ、どんな効果があったものやら・・・。こんなふうに湯水のごとく税金が使われていたのかと思うと、こういう仕分けを公開でやることの意義を感じさせられました。

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