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2009年10月30日 (金)

興味深かった公聴会

P1010355  昨日は北海道開発局帯広開発建設部の「十勝川水系河川整備計画(原案)」についての公聴会があり、公述人として意見を述べてきました。実は、公聴会なるもので公述するのははじめてです。そこで、公聴会の様子を紹介したいと思います。

 意見募集には75人から意見が寄せられたとのことです。帯広開建が意見募集を締め切ったあとで公開した意見は72件でしたから、掲載されなかった意見が3人分あったようです。不思議ですねえ、どういう事情があったのやら・・・。

 公述人は9人。そのうち、治水事業の根拠となる基本高水や計画高水のピーク流量とか、目標流量などを中心にさまざまな問題点を指摘したのは、私や十勝自然保護協会を代表して意見を述べた安藤会長など3人。シシャモの保全の面から、川の蛇行や河畔林の重要性などについて意見を述べた方が1人。相生中島市民協働会議の代表として中水敷のことなどについて意見を述べた方が1人。ゲリラ豪雨への備え、遊びや学びのための利活用、ビオトープなどの整備についての意見を述べた「十勝多自然ネット」の方が1人。他には、温暖化による豪雨への不安から整備計画への期待を述べた方が1人、河川の近くに住んでいる立場から、堤防の利活用や内水氾濫への対応を求めた方が1人、同じく内水氾濫への対応や河道掘削の拡張などを求めた方が1人でした。

 「十勝多自然ネット」というのは建設業界の方たちのグループですから、一般市民というよりも業界関係者の意向が強く出ているという印象は否めませんでした。河川敷を利用した「遊び」や「学び」とか、ビオトープや湿地の復元といった提案は、まさにご自身の事業に直接関わってくることです。何だかねえ・・・。

 さて傍聴席ですが、顔見知りの自然保護関係者などが5人ほど。顔を知っているコンサルタント会社の方(開建の下請けをしている)が2人。作業服姿の業界関係者と思われる方が数名。あとの大半は背広姿の方たち(一般市民の方なのか?)。どういうわけか、マスコミの姿は見えませんでした。1600億円もの整備計画に関わる問題なのに、マスコミの意識の低さには落胆します。

 これまでもダムのことや河川整備のことなどで、おかしいと思うことはブログに書いてきましたが、公の場で事業主体者に対して意見を言うというのは感覚的にかなり違います。何しろ、責任者と顔を合わせているのですから。十勝自然保護協会が話し合いを求めても応じなかった方たちに対し、言いたいことはだいたい言いました。これから「住民意見の反映」と「知事意見の聴取」を行い、計画が策定されることになっています。問題なのは、これらの意見が河川整備計画にどのように反映されるのか、あるいは反映されないのか、ということです。論理的な意見が反映されないというのなら、何のための意見聴取なのかということになります。

 公述した方たちの意見は、後日、帯広開発建設部のホームページで公開されるそうですから、関心のある方は是非ご覧いただけたらと思います。

 なお、公述時間は15分とのことでしたので、先日提出した意見書に、より理解しやすいように説明を追加しました。冒頭につけ加えた部分を、以下に紹介します。

 今回、私が河川整備計画原案を読んでもっとも疑問に思ったことは、ピーク流量を設定するにあたって、その根拠とする数値が書かれていないということです。十勝川水系では150年に一度の確率で起こる洪水に備えた河川整備をすることになっています。ですから150年に一度の降雨確率の3日間降雨量を何ミリにしているのか、また時間あたりの降雨量を何ミリにしているのかということが明らかにされなければなりません。これは非常に重要なことです。なぜなら、3日間の総降雨量が同じでも、短時間に集中的に降るパターンと分散して降るパターンではピーク流量が違ってくるからです。総降雨量が150年に一度の降雨確率であっても、集中的に降るパターンで計算したならピーク流量は大きくなります。しかし、そういう降りかたをする確率は150分の一よりはるかに小さくなります。ならば、150年に一度の降雨確率というのは、まやかしということになります。時間降雨量を多くすることでピーク流量を大きくすることができ、過大な整備、すなわち無駄な公共事業をつくりだすことになるのです。こうした不透明な数値操作によるピーク流量が、ダムその他の治水対策の根拠となって、多くの税金がつぎ込まれてきました。

 整備計画原案に、基本高水流量を決めたさいの根拠となる数値が書かれていないということは、科学的な検証に耐える計画ではないということです。そこで、きょうはそのような治水計画の根幹に関わる問題を中心に、8つの意見について述べさせていただきます。

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