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2009年9月 9日 (水)

高速道路の無料化と公共交通機関

 国土交通省が高速道路の無料化の経済効果について2008年に試算をまとめていたというニュースがありました。それによると、無料化による経済効果は一般道の渋滞解消など年4兆8千億円で、高速道路の渋滞発生などによるマイナス効果2兆1千億円を差し引いても2兆7千億円となり、3割引の5千億円、5割引の1兆円より大きいとのこと(9月8日付け北海道新聞より)。また、利用者の料金負担の軽減分などを加味した別の試算では、経済効果は7.8兆円に達するそうです。

 はてはて、一体どこからこのような数字が出てくるのでしょうか? 大規模林道の費用対効果なども根拠がわからないいい加減なものでしたから、こういう試算を見るとどうしても眉唾物としか思えないんですね。と思っていたら、JANJANにこれに関する記事が掲載されていました。やはり、真の経済効果とはいえない数字のように思えます。

高速道路無料化「経済効果7.8兆円」の幻想

 高速道路が無料になれば、公共交通機関の利用者が減少して経営が悪化したり、本数が減る可能性もあります。車を利用しない人の利便性が低下する可能性も否定できません。また、高速道路では橋脚などコンクリートを多用していますが、将来コンクリートが劣化してきたら一般道のメンテナンスとは比べ物にならないくらい多額の費用がかかるでしょう。もっと負の部分も考えていく必要があるのではないでしょうか。

 高速道路を無料にするということは、車の利用を増やすことになっても減らすことにはつながりません。環境面を考えても、やはり自動車に頼る社会を変えていく必要があると思えてなりません。日本の都市への一極集中は世界的にみても異常といわれています。将来的なことになりますが、人口を分散させたり、公共交通機関の充実を図って車を減らすということをもっと考えていくべきではないでしょうか。多くの鉄道を廃止してしまったのは、誤りであったとしか思えません。

 昨年旅行したスウェーデンやフィンランドの都市は人口も少なくこぢんまりとしており、バスや路面電車などの公共交通機関がとても充実していました。人で溢れ、満員電車に押し込まれて長時間の通勤を強いられる日本の大都市は不健全であり、異常としか思えません。

 と、ここまで書いて終わりにしようと思ったところで、上記で紹介した記事と同じ上岡直見さんの書かれた以下の記事を見つけました。

高速道路無料化より公共交通機関の無料化を 

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