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2009年6月24日 (水)

環境名目の補助金事業に疑問

 昨日の記事「ホタルの保護と放流」の続きです。

 6月17日のホタルの放流の記事、そして22日の放流中止の記事を読んで、世の「環境」意識というか、補助金のあり方、使い方について釈然としないものを感じました。

 ホタルの放流を計画した団体は、農林水産省が2007年から5年計画で始めた「農地・水・環境保全向上対策事業」の補助金を受けている全国1万9000の組織の一つだそうです。「農地・水・環境保全向上対策事業」とはどんな事業なのかを調べてみると、農水省の以下のページがありました。

http://www.maff.go.jp/j/nouti_mizu/qa.html 

 目的は「農地・農業用水等の資源や農村環境を守り、質を高める地域共同の取組と、環境にやさしい先進的な営農活動を支援する」ということです。具体的な支援活動の内容としては「農業者と地域住民など農業者以外の方も含めた多様な主体が参加して地域ぐるみで農地・農業用水等の適切な保全と併せて施設の長寿命化や環境の保全に取り組む共同活動への支援と地域でまとまって化学肥料や化学合成農薬の使用を原則5割以上低減する先進的な営農活動への支援を一体的に実施するものです。また、より高度な共同活動の取組に対して一定の支援を行います」とのこと。

 ここからは環境保全を重視した活動に対する補助金のように思われますが、実際にはかなり拡大的に適用されているようで、農道の整備に使うことも可なのです。新聞記事によると、ホタルの放流事業を計画していた網走の団体は今年2500万円の補助金を受け、ホタルの放流には200万円も予定していたとのこと。他には、歩道の花植えや農道の砂利敷きなどに当てるとのことです。ホタルの放流は昨日の記事に書いたようにとても環境保全とか水資源の保護といえるようなものではありません。歩道の花植えはどう考えても生活環境整備です。農道の砂利敷きも、農地の保全や環境保全とはいえないでしょう。

 そもそも農地や水、農業環境の管理・保全と自然環境の保全は意味合いが違うのですから、それを一緒にした補助金というのは不適切ですし、これでは対象となる活動も幅広く曖昧になってしまいます。ホタル放流の発想からは「補助金がもらえるから活動を考える」といった安易な思考が透けてみえます。

 この「農地・水・環境保全向上対策事業」の2007年度の予算を調べてみたら、302億8600万円だそうです。減農薬の支援など、適用範囲を明確にした補助金政策ならわかりますが、これでは「環境」名目に、ばら撒きがなされているとしか思えません。

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