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2009年1月11日 (日)

新聞記者の見識を問う

 「山のみち」事業の問題で、大規模林道問題北海道ネットワークが北海道に意見書を出したことは一昨日の記事で書きました。ネットワークは道の水産林務部に意見書を提出して話合いをもったあと、道政記者クラブで記者会見を開きました。北海道との話合いの内容と記者クラブでの記者の質問は以下に掲載されています。

「山のみち」について北海道に意見書を提出 

 驚いたのは、記者会見に参加した新聞記者の以下のような質問です。

「提出書面はこれまでの繰り返しのようだが、新しい問題は何か。」

「ただ反対しているようで、具体性がないようだが?」

 記者には「山の道」(大規模林道)の問題点について写真入りで要点をまとめたリーフレットと、北海道に提出した25ページにもわたる資料を配布していました。その資料の冒頭には、これまで「白紙」から考えていると明言していた北海道が、道民にも自然保護団体にも隠して路線検討のための道営計画調査をしていたことに対する抗議が書かれています。

 今回このような資料を作成して話合いに臨んだのは、北海道の姿勢に大きな疑問を感じたからにほかなりません。北海道はなぜ独自で路線選定の調査をしていたのでしょうか? そしてなぜそのことを隠していたのでしょうか?

 北海道は「白紙の立場にかわりはない。調査をしたのは、着工前提ではない。あくまでも様々なケースに対して数的把握をするためで、道では調べようのない未知の部分・作業道も入っていない道の部分を把握するためである。トンネルでなく迂回して砂利道にした場合の積算額などの算出に必要な調査である。さまざまな想定に対処するため。林道規定に基づく代替案ルートなど。140億円かかるということの確認、費用を緩和するための方策など。費用対効果を出すためには、どうしても数的把握が必要になる」と説明しています。

 どう考えてもこれは「白紙」の立場とはいいがたく、弁明にしか聞こえません。コストを抑えたルート案を検討することで費用対効果の数値を上げるためのようにも感じられますし、利害関係のある一部の建設推進派の人々への配慮とも思えます。着工前提ではないなら、道民にもきちんと説明するべきでした。自然保護団体が費用対効果のことについて質問したときにも、道営計画調査のことは全く口にしなかったのです。

 しかも北海道の報告書は、かつての事業者の杜撰な環境調査を利用して書かれているのです。北海道は自然環境について独自の調査もしていないのですが、自然保護団体は現地に何回もいって問題点を指摘しています。北海道は環境問題を軽視しているとしか思えないのです。

 「ただ反対しているようで、具体性がないようだが?」という記者の質問には、ただただ呆れてしまいます。たとえこれまでの経緯がわからないにしても、リーフレットを見れば問題点は一目瞭然です。それに新聞記者であれば、緑資源機構がどうして解体されたのかは知っているでしょう。大規模林道が機構の生き残りのための事業であり、談合発覚による解体によって化けの皮が剥がされたという意識を持つのがまっとうなジャーナリストの感覚ではないでしょうか。

 ジャーナリストがこのような視点をもてないようであれば、権力の監視などできようはずがありません。私達は過去にも何度も記者会見をしていますが、問題点をきちんと把握して関心を寄せる記者もいました。今回のように見識が疑われる新聞記者がいることに、愕然とするばかりです。

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