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2009年1月31日 (土)

クモは怖い動物か?

 出版関係の話題が続いていたので、少し気分転換です。

 私が「クモに興味がある」とか「クモが好き」などというと、怪訝そうな顔をしたり不思議がる人が大半です。嫌いな動物のアンケートなどをとると、クモはかなり上位にくるようですからそれもうなずけますが、クモ好き人間にとってはちょっと残念な結果です。

 では、人間のクモ嫌いは生得的なものなのでしょうか?

 私がクモ好きでクモを見たらニッコリすることもあって、わが娘たちもクモを怖がることはありません。子どもの場合、親などがクモを嫌がり騒ぐことで無意識のうちにクモを嫌悪してしまうという側面もあるのでしょう。でも、大きなクモの場合は必ずしもそういうことにはならないようです。

 実は、私も子どものころは昆虫が大好きだったのですが、クモは特に好きというわけではありませんでした。クモの網に虫をかけて遊んだりはしましたが、その程度です。でも小学生のとき、壁に大きなクモが足を広げて張り付いていたのを見たときには、一瞬「ギャッ!」という感じでした。アシダカグモです。アシダカグモで大騒ぎをする人は多いようですが、このクモはゴキブリを捕らえる益虫ですし攻撃性はありません。

 小さなクモはともかく、大きなサイズになるとどうしてもそれだけでグロテスクというイメージが強くなってしまうのでしょうね。肉食性、毒がある、音もなく歩くといったことがいっそうイメージを悪くするのでしょう。とりわけ毒性の強いクモが生息している地域に住む人などは、嫌悪感がしみついているのかも知れません。

 でも、幸いなことに日本では猛毒といわれるクモはほとんどいません。近年問題になっている外来種のゴケグモ類は注意が必要ですが、噛まれたからといって死に至るようなことはほとんどありません。大半のクモが毒をもっているのは事実ですが、それは獲物を捕らえるために発達したものであり、人間に大きな害を与えるクモはそれほど多くはないのです。

 北海道の場合はカバキコマチグモに気をつけていればほとんどクモを怖がる必要はありません。カバキコマチグモというのはススキなどの葉をくるりと巻いて産室をつくっているクモなのですが、これは噛まれるとかなり痛いようですし人によっては数日間苦しむようです。保健所の方がクモを持参して私のところに駆け込んできたこともあります。成熟して雄が徘徊する7月頃は要注意期間です。

 ところが、クモは「不快害虫」とされて殺虫剤まで販売されています。これはちょっと残念なことです。大きくてグロテスクというクモもたしかにいますが、大きいクモはそれほど多くはないのです。よくよく見れば可愛らしいクモや美しいクモもたくさんいます。少なくともクモは決して怖いような動物ではなく、見た目が気持ち悪いという先入観さえ取り去ることができたらとても興味深い動物なのです。

 不快というだけで目の敵のように殺虫剤をかけられることは、クモにとっては不当な扱いに違いありません。

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