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2009年1月29日 (木)

いろいろな視点

 「江川紹子氏の責任」で、森達也さんの「創」の連載記事について触れましたが、森さんは、2008年12月号の「創」で「視点が違えば世界は違う」と題してとても興味深いことを書いていました。

 森さんが言いたいのは「さまざまな被害者がいる。さまざまな加害者がいる。それが世界の実相なのだ。封殺してはならない。萎縮してはならない」ということなのです。

 「視点が違えば世界は違う」、とても当たり前のことでありながら、私達はなかなかそれに気づくことができません。例えば、新風舎に関わった人たちにはどのような立場の方がいて、どんな風に感じているのでしょうか? ちょっと考えてみました。

 まず、被害者である著者はどうでしょうか? 騙されたことに怒り裁判を起こした著者は、おそらく経営陣に怒りを募らせたでしょう。新風舎のやり方に不満を持ち、抗議したり交渉したりした著者も同様でしょう。その一方で、問題点を理解できずに満足していた著者は、批判にさらされた新風舎をかばう気持ちになったかもしれません。

 倒産被害者はどうでしょう? 本も出なければお金も戻らなかった人たちは、最大の被害者です。まずは支払ったお金や本がどうなるのかが最大の関心事だったでしょう。また、批判したり提訴して新風舎を追い詰めた人たちによい感情は抱かなかったのではないでしょうか。もちろん、会社に怒りを抱いた人も多かったでしょう。すでに本を出版している人たちにとっては、自分の本がどうなるのかが最も気になったはずです。

 社員はどうでしょう? 著者を騙すようなやり方に、後ろめたさを感じながら仕事をしていた方もいたでしょう。倒産の前は給料も満足に払ってもらえず、会社に不満を感じていた社員も多かったのではないでしょうか。社員は加害者側ではありますが、給料ももらえず職も失った倒産被害者でもあるのです。

 社長をはじめとした経営陣はまさに加害者です。しかし、もし外部から意図的に倒産させるような力が働いていたなら、被害者ともいえるのではないでしょうか。

 外部の編集者やデザイナー、下請けの印刷会社なども倒産被害者です。

 新風舎に原稿を送ったものの契約しなかった人たちは、肩をなでおろしたかもしれません。当事者になっていなければ、他人事です。

 会社の広告塔になっていた著名人はどうなのでしょうか?

 原稿募集の広告を掲載していた新聞や雑誌は加害者に加担していたことになりますが、そういう意識はほとんどないようです。新風舎の悪質商法を報じたジャーナリストやマスコミ関係者はどうなのでしょう? 新風舎だけしか批判しない人物に振り回されてはいなかったでしょうか? 彼らは、倒産で多くの被害者が出たことをどう思っているのでしょうか?  それぞれの立場によって、新風舎の悪質商法や倒産に対する受け止め方は違うでしょうし、怒りの大きさや矛先も違うはずです。「視点が違えば世界も違う」からです。

 さて、「視点が違えば世界が違う」という視点から、もうひとつだけ言っておきたいことがあります。それはこれまで共同出版を批判してきた人の視点です。私のように契約をした著者・被害者の視点、商業出版業界の方の視点、自費出版業界の方の視点では主張も微妙に異なることでしょう。それぞれの視点、見方があって当然です。

 ところが自分の視点だけが正しく、私の視点は誤りであると公の場で断言されている方がいます。自費出版業者でありリタイアメント情報センターの自費出版部会長を務める渡辺勝利氏です。以下のサイトに彼の批判記事が掲載されています。

情報サイト ゼロイン

 私は渡辺氏の視点・主張は十分理解し尊重したうえで、契約を交わした著者の視点から共同出版や自費出版にかかわる問題を書いてきたつもりです。そして、渡辺氏と私では視点が違うのだということも説明してきました。しかし、どうやら彼は決して自分以外の視点を尊重できない頑迷な方のようです。

 森さんの言葉を再度ここで引用しましょう。

「さまざまな被害者がいる。さまざまな加害者がいる。それが世界の実相なのだ。封殺してはならない。萎縮してはならない」

 私は共同出版についていろいろな立場の方が発言されるべきだと考えています。被害者はもとより、業界関係者もそれぞれの視点で発言すべきでしょう。渡辺氏がご自身の視点から発言されることも大いに結構です。しかし、自分と視点の異なる者の主張を誤りだと決め付け、あたかも害毒であるかのように論じるべきでしょうか?

 そして何よりも不思議なのは、私の主張に対して文芸社は何ら自分たちの主張を公に展開しないということです。自分たちのやっていることが正当だというのであれば、その論拠こそ示さなければならないはずです。

 渡辺氏は私のことを「木を見て森を見ない」と批判されているようです。しかし、リタイアメント情報センターと文芸社の癒着疑惑、尾崎浩一氏の不可解な言動から推し量るなら、渡辺氏こそ文芸社に利用されているといえるのではないでしょうか? 「木を見て森を見ない」のはどちらでしょうか? その判断は読者のみなさんにお任せしたいと思います。

 渡辺氏が私の視点を誤りだと断言する以上、渡辺氏に反論しなければなりません。反論についてはこれから展開しますが、もし渡辺氏がこのブログを読まれているのならひとつだけ言っておきたいことがあります。私のJANJANの記事はネット上のものです。ネットによるネット記事の批判なら、引用元にリンクを張るのがマナーではないでしょうか。一部分だけの引用では、相手の主張が正しく伝わらないことにもなりかねません。

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