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2008年9月25日 (木)

森林管理局の生物多様性委員会とは?

 林野庁の北海道森林管理局は、昨年「生物多様性検討委員会」を設置しました。林野庁は長年にわたって生物多様性の宝庫である天然林を惜しげもなく伐り続け、その大半を貧相な森林に変えてしまったのですから、遅ればせながらも生物多様性保全のための方策をとることは歓迎されます。

 でも、そのメンバーを知ったときの感想は「やっぱり…」というものでした。どういう理由でこのような人選をしたのでしょうか?

 辻井達一氏は、北海道で自然保護に関っている方なら知らない人はいないでしょう。道内の自然に関するさまざまな公的委員会や検討会などに名前を連ねている方です。植物がご専門ですが、開発局から環境省に至るまで顔を出しています。鳥類がご専門の藤巻裕蔵氏も、同様にさまざまな委員会などに関っています。要するに行政にとっては都合のよい研究者といえるでしょう。

 北海道の森林についての委員会ですから、森林について詳しい方が必須です。そのお一人が中村太士氏です。中村氏については「中村太士氏の『天然林の伐採』の問題点」で書きましたが、天然林であっても虫害防止のために風倒木の処理が必要だと考えている方のようです。

 もう一人の高橋邦秀氏は、「風倒木と害虫」に登場する元大学教授です。中村氏と同様に害虫の大発生を恐れている方といえましょう。木材生産より公益的機能を重視する天然林であっても害虫は駆除すべきだというお二人の意見には疑問を感じざるを得ません。キクイムシとて森林生態系にとってはなくてはならない昆虫なのです。

 ほかには、東京大学教授の鷲谷いづみ氏がいます。鷲谷氏はサクラソウの研究者として知られている方で、植物生態学、保全生態学がご専門です。最近では外来種のセイヨウオオマルハナバチの問題で活躍されています。しかし、どう考えても北海道の森林のことに詳しいとは思えないのです。

 もう一人は日本自然保護協会の横山隆一氏です。横山氏も森林のことに精通しているとは考えられません。お二人とも北海道の森林のことをよく理解されているとは思えないのですが、このような方たちにわざわざ東京から来てもらっているのです。

 昨年はこの検討会で大雪山国立公園での皆伐のことも話題になったそうですが、鷲谷氏と横山氏は何のことかよく分からなかったようで、何も発言されなかったと聞いています。北海道では新聞やテレビで報道されましたが、道外の方にとっては何のことか分からず話題にも入れないのです。

 北海道の森林の生物多様性保全を考えるとき、このような人選が本当に適切だったのでしょうか? 林野庁は真剣に生物多様性の保全を考えているのかと、疑念を抱かざるを得ません。

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