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2008年9月27日 (土)

大学院は何のためにあるのか?

 私が学生だったころは、大学院に進学する人はごく一部の研究者を目指す人たちでした。それだけ大学院は狭き門でしたし、研究志向の強い人しか行かなかったのです。

 ところが、いつ頃からだったでしょうか、知り合いの学生さんなどで大学院に進学する人たちがどんどん増えていったのです。研究職を強く希望する人ならわかりますが、必ずしもそうではなさそうなのですね。

 大学を卒業しても就職がないという理由の人も多かったようです。就職先がないから、とりあえず進学するというわけです。就職の先延ばしですね。すると、どうしても研究に熱心ではない学生さんも出てきます。大学院生の質の低下が起こるのです。

 その背景には就職氷河期だけではなく、大学院生の定員の増加があります。先日ある大学の先生から聞いた話しですが、国立大学では10年ほど前に大学院の定員を3倍にしたそうです。これによって、それまでよりも大学院への進学が容易になりました。どおりで誰もが気軽に大学院に進学するわけですね。最近ではやる気のない学生が増えて、教員は指導が大変なのだそうなのです。大学生ではなくて、大学院生がですよ。

 ところが大学の教員採用の方はどうしたかというと、増やすどころか半分にしたというのです。博士号を取得したものの、就職できない人が溢れるようになってしまいました。

 あまりにも当然のことですが、なぜこんなことをしたのでしょうか? 私にはお金儲けとしか思えません。学費集めです。大学院生を増やして収入を増加させることが最大の目的であり、卒業後の就職などどうでもいいということではないでしょうか。入学だけさせておいて、あとは勝手にしろというわけですね。でも、高学歴になるほど就職は難しいのです。

 このような国のやり方は、まるで大学院を利用した詐欺的行為です。学生を「歩く札束」だとでも思っているのでしょうか。

 今は国立大学に限らず、あちこちの大学に大学院が設置されています。でも、卒業したところで就職先は保証されていません。大学院で優秀な研究をしても就職口がなく、研究生活を断念せざるを得ない人も多いことでしょう。これでは優秀な人材も散逸してしまいます。

 いったい何のための大学院なのでしょうか? この国の歪みは大学院にまで及んでいるようです。

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