山の中の外来種
先月、タウシュベツの皆伐地に行ったとき、作業道の脇にハルザキヤマガラシという帰化植物の花が咲いているのを見つけました。
タウシュベツは林道からさらに作業道を入った奥地ですが、こんなところにも簡単に帰化植物の種が運ばれてしまうのです。作業道は昨年整備したときに砂利を敷いているので、砂利の中に種子が混じっていた可能性があります。
このハルザキヤマガラシという植物は、河原や空き地などにしばしば群生しています。満開のときには一面黄色になって、遠目には菜の花のように見えます。でも、河川敷という自然の場所に帰化植物が群生してしまうのは問題ですね。
このように河原から砂利を採取して山の中の林道に敷くと、そこに混じっているさまざまな植物の種まで運んでしまうことになります。ムシトリナデシコなども河原に群生していることがありますが、種が砂利に混じってあちこちに運ばれることになるのです。
しかも、最近では大雪山国立公園の中の渓流にまでハルザキヤマガラシが侵入しているのですね。道路の法面や空き地、林道などには帰化植物は入りこんでいますが、渓流に侵入しているというのはかなり由々しき状況です。
タウシュベツの隣の沢の皆伐地では、昨年の秋にアメリカオニアザミも見かけました。もちろん帰化植物。アメリカオニアザミは繁殖力が非常に旺盛で、一度侵入するとどんどん増えていきます。
人が裸地をつくることよって、人里離れた山の中にまで帰化植物が侵入してしまいます。そしてもともとそこにある在来の植物を脅かしてしまうのです。
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