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2008年5月 8日 (木)

北海道新聞社の共同出版

 今日の北海道新聞の生活面を見ていたら「『いずみ』作品集共同出版者募集」というタイトルが目に飛び込んできました。

 「いずみ」というのは北海道新聞の生活面に掲載されている女性だけを対象にした600字以内の投稿欄です。その投稿者を対象に「くらしの詩をつづって」という共同作品集をつくるので、参加者を募集するということでした。いわゆるオムニバス本ですね。

 募集要項によると一人につき2話掲載し、そのうちの1話は掲載作品という条件がありますが、もう1話は未発表作品でも可とのこと。100人募集で、参加費は一人15000円。参加者には3冊進呈とのこと。北海道新聞社から発行され、本の定価は1000円で市販もします。

 一人15000円?! 私は思わず計算をしてしまいました。100人募集ですから、全部で150万円集まることになります。1作品1ページとして、200ページをちょっと超える程度のページ数でしょう。2006年と2007年にも同様の本を出していますが、A5版で並製本です。印刷部数はわかりませんが、書店販売は道内が中心のようですからそれほど多く刷らないのではないでしょうか。

 印刷・製本の原価は部数によって異なりますが、たぶん数十万円でしょう。編集といっても、掲載分についてはすでに文字データがあります。編集やデザインの費用を入れても150万円あれば版元は費用負担しなくて済みそうです。

 ところで、この本を印刷しているのは株式会社アイワードのようですが、アイワードのホームページによるとこの本は自費出版に分類されています。でも版元は北海道新聞社ですし、著者に売上金を支払うとの説明はありませんから、売上金は版元に入るのでしょう。

 これって、要するに共同出版会社が行っている商法と変わらないのではないでしょうか? 一人15000円という費用は手頃のように感じられますが、それだけ出して贈呈分が3冊(定価で3000円分)だけというのもどうかと思います。このオムニバス本に参加する方は、このような価格や方法で納得しているのでしょうか?

 新聞社が自社の新聞に掲載した原稿をまとめて本にし、その売上金が版元に入るなら、少なくとも版元は出版費用の一部を負担すべきでしょう。もし著者と本の購読者の双方を顧客にしているのであれば、批判されている共同出版社と何も変わりません。北海道新聞社はその点について明確にすべきです。

 これじゃあ、新聞社が共同出版の批判などできるわけありませんね。

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