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2008年4月22日 (火)

百聞は一見に如かず

 18日は「えりもの森裁判」の口頭弁論で、原告の4回目の主張でした。今回は北海道職員の違法な行為について主張しました。

 北海道は「北海道森林づくり条例」で道有林の管理方針を転換し、木材生産を目的とした皆伐や択伐を廃止しました。ですからこの条例に反する木材生産を目的とした皆伐も択伐もできないはずなのです。

 受光伐というのは、抜き伐りをすることで日陰になっている若木に光を当てて生長を促すことを目的とした伐採です。林床に若木がない場合は、抜き伐りして植栽するとしています。

 裁判で問題としている皆伐現場は、受光伐として376本の立木を伐採し、伐採跡地に植栽を行うという契約でした。ところが、実際には376本の立木だけではなく「地ごしらえ」との名目で大半の木を伐採して皆伐状態にし、伐採した立木を搬出してしまったのです。

 このような北海道職員による一連の行為は、森林の公益的機能を低下させたばかりではなく、材として価値のある立木が正当な対価なしに伐採されて搬出され、北海道に損害を与えました。受光伐などといっていますが、実質的には拡大造林にほかなりません。

 この一連の伐採は、故意あるいは重大な過失によって北海道森林づくり条例や生物多様性条約に違反する行為であり、不法行為法上も違法と評価されるといえます。そこで、原告らは日高支庁長に対し、この契約に関った職員に対して損害賠償請求をするように求めました。

 さて、今回は準備書面とともに検証申立書を提出しました。要するに裁判官にも現地を見て下さいということです。「百聞は一見に如かず」ですからね。現場を見れば、受光伐の名を借りた拡大造林であること、そして伐採の支障になどなっていないのに「支障木」として価値のある木が伐採されていることは一目瞭然です。

 ところで、裁判の現地検証で思い出すのは大雪山の「ナキウサギ裁判」です。士幌高原道路の予定地一帯に広がる希少な自然を裁判官に見てもらうために、裁判官を現地に案内して「山上裁判」が行われたのです。

 この日のことは忘れもしません。前日からの大嵐で雪が舞い風が吹きすさぶ中、大勢の支援者とともに裁判官や原告らが登山をして現地を視察しました。現場では動物や植物の研究者らがこの地域の自然の特異性について裁判官に説明しました。私も、この山域にはマツダタカネオニグモや風穴に生息するサラグモ類など、氷河時代の生き残りと考えられる希少なクモが生息していることについて説明させていただきました。

 強風の吹き荒れる山頂で、裁判官も大変だったと思いますが、とても熱心に聴いてくださいました。環境訴訟の場合、法廷の中だけではなかなか理解しにくいことでも現場を見れば理解できることも多いのです。

 今回の「えりもの森」の現地検証では、ハンゴンソウが茂って見通しが悪くなってしまう前に現地検証をして欲しいと要望しました。現場は皆伐して明るくしてしまったので、ハンゴンソウという大型の植物が茂ってしまったのです!

 現地検証については未定ですが、次回期日は7月4日(金)です。札幌地裁8階の3号法廷で午前10時からですので、関心のある方は是非傍聴に来てください。

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