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2008年4月23日 (水)

著者と出版社の常識は?

 ジャーナリストの草薙厚子さんが講談社から出版した「僕はパパを殺すことに決めた」という本で供述調書を多数引用し、医師が秘密漏洩罪に問われていますね。いろいろな意見があるようですが、この事件ではやはり草薙さんや講談社の脇の甘さを感じざるを得ません。

 崎浜医師は、調書を見せたことは後悔していないとしながらも、見せる相手を間違えたことを後悔しているとのこと。私にはこの医師の気持ちがよくわかります。

 崎浜医師は、ジャーナリストに調書を見せることは秘密漏洩にあたることを十分承知していたはずです。だからこそ、コピーを禁じたのでしょう。それをデジカメで撮影したうえに、丸写しのような引用をしたというのは信じられないことです。

 講談社側も、複数の人が本の出版に関っていながら、この点について考慮できなかったというのはどういうことでしょうか。講談社という大手出版社でありながら、ずいぶんいい加減なものだと驚きました。ここには、情報源の秘匿よりも出版社の利益を重んじる姿勢が垣間見えるようです。

 ところで、草薙さんは21日に記者会見を開き、講談社の設置した第三者調査委員会が、取材に使ったICレコーダーの記録を無断で使用、公表したとして、調査委員会や講談社あてに削除や謝罪を求め、鑑定医との三つの約束についても「言葉尻をとらえ合意があったと結論づけるのは乱暴」として訂正を要求したことを明らかにしました。

 この三つの約束とは、コピーの禁止、直接引用の禁止、原稿の事前確認です。この記者会見の報道に、正直いって「そういう問題?」と思ってしまいました。

 調書をそのまま引用したなら情報提供者を特定されてしまう可能性があることくらい常識でわかりそうなものです。最低限、出版する前に情報提供者である医師の同意を得るべきだったと思います。合意があったとかなかったとかの問題ではなく、情報源を特定されないためにジャーナリストがこうした点に気を配るのは常識の範疇ではないでしょうか。

 録音を無断使用といいますが、草薙さんは調書を無断転載したとはいえないのでしょうか? なんだか、自分の非を認めたくないがための弁解のように感じられてしまいます。違法行為を犯してまで情報を提供した医師の好意を踏みにじる行為ではないかと思えてしまいました。

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