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2008年4月16日 (水)

西宮冷蔵の闘い

 西宮冷蔵社長の水谷洋一さんが雪印の牛肉偽装を告発して大ニュースになった事件がありましたね。牛海綿状脳症対策のための在庫牛肉の買い取り制度を利用して、外国産の牛肉を国産牛肉と偽って詐欺を働いたという事件です。ところが、告発者に襲いかかってきたのは営業停止処分。その後、取引業者が次々と撤退して廃業に追い込まれてしまったと知ったときには、さすがにショックでした。

 あれからかれこれ6年が過ぎましたが、その水谷洋一社長のドキュメンタリー映画「ハダカの城」が、札幌でも上映されることになったようです。

 あの時とても不思議に思ったのは、告発者がどうして営業停止処分になってしまったのかということでした。こんなことにはたいてい裏があるはずです。「正義は我にあり 西宮冷蔵・水谷洋一の闘い」(アットワークス)という本を読んで、その事情がよくわかりました。

 雪印が告発されたことであわてたのが、同じことをやっていた日本ハム。危機感を持った日本ハムは口封じに動いたわけです。水谷さんのような告発者を出さないためには、取引をしている倉庫会社の口を封じなければなりません。そのためには見せしめが必要というわけです。そのターゲットになったのが水谷さんです。

 食肉の業界団体に影響力を持っているのは農水省。冷蔵会社の監督官庁は当時の運輸省(現国土交通省)なのですが、そこは官僚同士で手を組んでうまくやったのでしょう。そうして倉庫業違反で営業停止処分になってしまったのです。

 西宮冷蔵は一週間の営業停止処分を乗り切ったものの、それを契機に取引業者がどんどん撤退してしまい、廃業に追い込まれてしまいました。まさしく業界による「見せしめ」のための処分だったといえるのではないでしょうか。

 それにしても、こういうときに取引業者が撤退してしまうというのは不思議ですよね。その撤退した業者というのは「コープこうべ」に商品を納入していた業者だったというのです。コープがこのようなことに関っていたとは、地に落ちたものです。

 こうやってみると、告発者潰しの構図というのはすごいですよね。大企業を相手にした告発者というのは、こういう構図と闘わなければならないということなのです。でも、それに負けずに会社を再建させた水谷さんの努力と心意気には頭が下がります。告発者、公益通報者を守れないとは何と情けない国か。

 こんなことがあったのに、昨年はまた食品偽装が相次ぎました。最終的には信頼を失って頭を下げなくてはならないのに、偽装をする人たちはそれがわからないのでしょうか。

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