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2008年3月 3日 (月)

クモは何種いるのか?

 世界には、あるいは日本には何種くらいのクモがいるのか想像がつくでしょうか?

 アメリカのプラトニック博士は世界のクモカタログというクモのリストを発表しています。以前は分厚い本を作成していたのですが、近年はインターネットでこのカタログを見ることができます。それによると、昨年末で世界のクモは4万種を越えたそうです。  もちろん、この4万種というのは種名がつけられている種の数です。世界にはまだまだ名前がつけられていないクモが沢山いますから、実際にはこれよりはるかに多くのクモがいることになります。

 それでは日本には何種のクモがいるのでしょうか? こちらは谷川明男さんというクモの研究者がリストをつくっています。谷川さんの日本産クモ類目録(2005年版)では、1400種弱のクモが掲載されていますが、その後もクモの種数は増えています。まだ名前のつけられていないクモもいますから少なくとも1500種以上はいるでしょう。

 小さな島国である日本に1400種ものクモが生息しているというのは、日本の自然が多様性に富んでいることを裏付けているといえるでしょう。亜寒帯から亜熱帯までの気候帯をもち、豊かな森林生態系に恵まれた国だからこそ、多様な生物を育んできたのです。

 では、北海道では何種くらいのクモが生息しているでしょうか? 私が作成した「北海道クモ類目録(2007年版)」には、509種のクモを収録しました。私の手元には名前がわかっていないクモが多数ありますので、600種はいるのではないかと推測しています。

 クモに限ったことではありませんが、これだけ科学が進歩してきているのに、名前のつけられていない生物が実は非常にたくさんあるのです。なぜこれほど研究が遅れているのかといえば、研究者の数が少ないこと、そして行政がこのような基礎的研究を重要視していないことが挙げられます。

 たとえばクモの研究を職業としている人は非常に限られています。日本ではクモの分類の研究をして食べていける人は極めて少ないということです。ですから、職業というより本業の傍らとか趣味で分類を手がける研究者も多いのです。オタクの世界ということでしょうか。

 もちろん基礎的な研究を重視する国では、そんなことはありません。国の姿勢なのでしょうね。

 熱帯林では伐採による大々的な破壊が進んでいます。恐らく名前もついていない多くの昆虫やクモが絶滅したり絶滅の危機に立たされているのでしょう。人という自分勝手な生き物が、かけがえのない多数の生物を絶滅に追い込んでいることに、私たちはもっと目を向ける必要性があるのではないでしょうか。

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