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2008年2月22日 (金)

変質した生活協同組合

 私は地元の市民生活協同組合に加入してから20年以上になりますが、この間の生協の変化に大きな失望を感じざるを得ません。

 今はコープ札幌に吸収されてしまいましたが、加入していたコープ十勝(帯広市民生協)は、そもそも粉石けんの普及から始まったと聞いています。その根底には環境問題があったのです。

 20年前は共同購入のみで商品の数も多くはありませんでしたが、たしかに「安心・安全」といえる商品が揃っていましたし、環境問題にもついての意識も高かったのです。

 それがだんだん変わってきたのは、店舗を構えてからだったと思います。維持経費のかかる店舗は共同購入を圧迫しました。店舗の経営を安定させるためには他のスーパーとの競争を余儀なくされます。売り場面積を増やして商品の種類を増やさないと、利用者は増えないのです。その結果、「安心・安全」とはいいがたい商品まで並べることになったといえるでしょう。

 このような経営方針の変化は商品の種類を増加させた一方で質の低下につながったように思います。それでも十勝独自で運営していた頃は、共同購入の商品も「安心・安全」を重視していたといえるでしょう。

 しかし、ひとたび店舗重視の方針をとってしまうと、大手スーパーとの競争に永遠にさらされることになってしまうのです。こうして経営の厳しくなった北海道の生協の多くは、「コープさっぽろ」に吸収合併され、十勝もその道をたどったのです。

 「コープさっぽろ」は、早くから大型店を導入し、規模も品揃えも大型スーパーと遜色のない状況でした。例えば合成保存料などの添加物の入っていないウィンナーソーセージを買いたくても見当たらず、洗剤コーナーには合成洗剤が山と積んであるという状況でした。一般のスーパーとほとんど変わりません。

 「コープ十勝」が「コープさっぽろ」に合併吸収された結果、共同購入の商品数は増えたものの質が一気に低下したと感じています。「安心・安全」を売りにしていた商品が減り、どこにでもある大手企業の商品が大量に導入されました。共同購入の商品案内には、季節はずれの外国産の野菜や「中国加工」と表示された冷凍の魚や野菜などが目立つようになりました。これまで購入していた減農薬の提携米もなくなりました。食の安全を考えているとは思えない品揃えです。

 中国製の冷凍食品から農薬が検出された事件からも、生協の「安心・安全」神話は崩れ去ったといえます。

 「安心・安全」をモットーに市民の生活を守り支えるという精神を守りつづけるためには、店舗を持つという選択は誤りだったとしか思えません。

 すっかり変質した生協ですが、せめて今回の事件をきっかけに初心にかえってできる限りの見直しをして欲しいものです。

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