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2008年2月16日 (土)

カイコからクモの糸?

 先月の新聞に、「クモ遺伝子で強い絹糸 信州大・中垣教授ら開発」という記事が出ていました。その記事によると、カイコにクモの糸をつくる遺伝子を組み込むことで強くて伸縮性に優れた糸を生産する技術を開発したとのことでした。

 クモの糸が絹糸と同じように生産されるようになれば、クモ糸のストッキングやスカーフ、ネクタイなどが出回るようになるのかも知れません。でも、遺伝子組み換えと聞くと、内心穏やかではないものを感じてしまいます。

 クモの糸というのは非常に強く、しかも横糸(オニグモなどの円網のらせん状の糸)は非常に伸縮性に富んでいるのです。そんなすばらしい糸なのですが、これまでほとんど実用化されてきませんでした。

 というのは、クモは動物食でありカイコのように大量に飼育できないからなのです。たとえ飼育したとしても、おしりから出される糸を巻き取るのには大変な手間がかかるのですね。このようなコストを考えると、いくらすぐれた繊維であっても実用化には結びつかなかったのです。

 そこで登場したのが遺伝子組み換え技術でした。2002年にはカナダの企業が遺伝子組み換え技術によってヤギのミルクからクモの糸をつくったとのことが報道されましたが、防弾チョッキにもクモの糸が利用されているそうです。飼育しやすい動物からクモの糸がとれるのであれば、伸縮性に優れた「夢の繊維」も夢ではなくなります。

 でも気になるのは遺伝子組み換え技術を利用しているという点です。飼育されているカイコは完全に家畜化されていて自然状態では生きてはいけないそうですが、それでも野生種から改良されたものです。それに対して、遺伝子組み換えカイコはまったく違う生物の遺伝子を人為的にカイコに組み込んでしまうのですから、明らかに自然の摂理に反する行為です。

 このように遺伝子組み換え技術を何にでも応用していくことで、将来とりかえしのつかないことが生じるかもしれません。現実問題として、遺伝子組み換え作物はさまざまな問題を引き起こしており、生態系に大きな影響を与えることが懸念されています。もちろん食品としての安全性も保障されていません。

 人間の都合だけで、安易に遺伝子組み換え技術を使うべきでしょうか? クモの糸の靴下はどうしても必要なものではないはずです。防弾チョッキというのも??? そんなものが要らない社会にしていくことのほうが先決ではないでしょうか。

 クモの美しい網は、クモが獲物を捕るために進化してきたものです。長い長い時間をかけて、餌を採る道具として丈夫で伸縮性のある糸が生み出されてきたのです。いくら優れた繊維であっても、自然の摂理を乱してまで利用することは慎むべきではないでしょうか?

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