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2008年2月26日 (火)

暴露された日高横断道

 22日に報道ステーションを見ていたら、道路特定財源の話題に関連して、中止になって放置されている日高横断道路の映像が出てきて「なんで今頃?」とびっくりしました。険しい山岳地帯の山肌を削って延びる道路や鉄骨だけの橋梁などのヘリからの映像は、雪景色でも生々しいものがあります。

 日高横断道路というのは、十勝管内の中札内村から日高管内の静内町を結ぶ101キロの道道(北海道が建設・管理する道)なのですが、日高山脈を横断する25キロは、国の直轄の開発道路だったのです。

 1965年から地元などによる陳情がはじまり、1980年に道道として認定、81年には開発道路として指定され、84年から着工されました。自然保護団体はもちろん反対しました。トンネル部分のすぐ近くにはナキウサギの生息地もあったのです。

 日高は非常に急峻で脆い地質ですから頻繁にがけ崩れが生じ、工事は難航しました。当初は工期が15~20年、工費は297億円とされたのですが、18年後の2002年までに総工費は1520億円(540億円をすでに投入し、今後980億円必要)に膨らみ、さらに完成までに35~40年もかかると言われたのです。

 2002年2月には「止めよう日高横断道路」全国連絡会が発足して反対運動が活発化しました。堀知事(当時)は同年6月に財政難などを理由に見直しを表明し、翌年2月に凍結を表明、8月には、国(開発局)も開発道路部分の中止を決めました。こうして長年の自然破壊に終止符が打たれたのです。

 しかし18年間の工事によって、日高山脈の両側に崩落をつづける道が開削されてしまったのです。造った端から崩れるというとんでもない道路でしたが、とりわけ日高側の破壊はひどかったそうです。

 報道ステーションに出てきたのは、その日高側の放置された道路です。頻繁な土砂崩れで、使い物にならないといわれてきた道路です。番組の中でインタビューに応じていたタクシー運転手は、恐ろしくて通れないといっていましたが、いまだに完成させてほしいという地元の商工会の人も・・・。

 日高山脈は、狩勝峠、日勝峠、天馬街道の3本の道路があり、最近高速道路も開通したばかりです。どうしてそんなに道路ばかりを欲しがるのでしょうか? こんな無駄な工事に血税が使われてきたのですから、国民はもっと怒るべきでしょう。

 巨額を投じて山を壊し、自然を破壊し、結局は中止に追い込まれた日高横断道路という「負の遺産」を、私たちは教訓としていかなければならないはずですが、大規模林道(緑資源幹線林道)という立派な舗装道路が緑資源機構解体によって「山のみち」へと看板をかけかえ、人も住まない日高の南部の山中に計画・着工されています。

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