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2007年12月27日 (木)

廃油回収とバイオディーゼル

 家庭から出るてんぷら油などの廃油を回収して、バイオディーゼル燃料を精製する取り組みが目に付くようになりました。京都市では、廃油を回収してバイオディーゼルをつくり、市バスやゴミの収集車の燃料に利用しているようですし、帯広市でも来年からスーパーに回収ボックスを置いて公用車の燃料に使うとのこと。同様の取り組みをしているNGOなどもあります。

 そのような取り組みを環境教育と結びつけて学校などでも行っているところがあるようです。面倒な廃油の処理の手間が省けるうえに、環境に良いと喜んでいる主婦などもいるようです。

 でも、家庭から廃油を出すこと自体を極力なくすべきだと思っている私にとっては、こうした取り組みを「環境教育」などといってすんなり評価する気になれません。

 我が家では、揚げ物の油はフィルターで漉してから炒め物などに利用しています。次回の揚げ物のときに新しい油を足して使うことで、廃油を出すことはまずありません。家庭では工夫次第で廃油をほとんど出さないようにできるはずです。「エコ」とか「環境教育」というのであれば、今の生活から無駄な消費を省くことをまず率先してやらなければならないのではないでしょうか?

 確かに化石燃料よりバイオディーゼルやバイオエタノールのほうが、二酸化炭素の排出量削減には効果があるでしょう。しかし、熱帯林の破壊とそれに伴う二酸化炭素の放出、原料の輸送コスト、製造段階での燃料や二酸化炭素の排出量、原料作物への農薬散布や遺伝子組み換え作物の拡大などを考えると、安易にバイオディーゼルやバイオエタノールを推進することは問題が多すぎます。

 バイオディーゼルやバイオエタノールを普及させていけば、食料自給もできない日本は、自国のバイオ燃料の原料をどんどん輸入しなければならないのが目に見えています。熱帯林の破壊と泥炭からの二酸化炭素放出に加担することになります。

 廃油をバイオディーゼルに利用するといっても、回収できる量などたかが知れています。結局はバイオディーセル普及のために市民を巻き込んで利用しているのです。先日の記事「地球温暖化とバイオ燃料」 「環境対策に隠された罠」に書いたように、バイオディーゼル普及の裏に、温暖化対策で儲けようとしている企業や大国の思惑があること、さらには戦争や核実験で大量の温室効果ガスを排出していることこそ表舞台に引きずり出して、すぐにでも森林伐採や戦争を止めさせる努力、無駄な消費の見直し、廃棄物を利用した地産地消型のバイオ燃料の開発をするのが先決です。

 国や自治体、マスコミがバイオディーゼルのさまざまな問題点を報道することなく、市民にバイオディーゼルばかりアピールして期待させるのは、正直いって恐いですね。廃油のリサイクルなら、石けんの原料にして合成洗剤の排除を進めるという方法もあるのです。

 バイオディーゼルの負の部分こそきちんと伝え、どうすべきか考えていくのが真の環境教育ではないでしょうか?

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