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2007年12月 4日 (火)

思い出したスーパー林道

 12月1日のシンポジウム「森を壊すのはだれ?」への参加と他の用事が重なって、4日ほど札幌に行っていました。

 1日のシンポジウムの、河野昭一先生の危機的な状況に置かれた日本の天然林の話しに改めてことの重大さをひしひしと感じ、大谷昭宏さんの林野庁が続けてきた自然破壊道路、無駄な道路の話しに、大きな怒りを覚えました。

 大谷さんがはじめに指摘したのは、スーパー林道によるイヌワシ生息地の破壊です。

 「スーパー林道」をご存知でしょうか? 緑資源機構の前身である森林開発公団が、「スーパー林道」と称して、1960年代半ばから全国に約122キロメートルもの峰越の林道をつけたのです。この道路は、当時、自然破壊道路として大きな問題となりました。

 私がこのスーパー林道による自然破壊を知ったのは、たしか高校生のころでした。南アルプススーパー林道、霧が峰のビーナスライン、尾瀬に計画されて中止になった観光道路などによる自然破壊が、その後私を自然保護運動に向かわせたといっても過言ではありません。

 とりわけ、「南アルプススーパー林道」では、森を切り裂き、土砂を谷に落とす自然破壊工事に批判が高まり反対運動が繰り広げられたのです。1970年代には、私も自然保護運動に参加していましたので、ふと思い出してその当時の資料を引っ張りだしてみました。

 1972年に全国自然保護連合が発行した「自然は泣いている 自然破壊黒書」を開いてみると、富士スバルライン、石鎚スカイラインなどによる凄まじい自然破壊の写真、そして大山国立公園などの皆伐写真がこれでもかとばかりに並んでいて、目が釘付けになりました。

 山岳道路や伐採による天然林破壊は、すでに35年以上も前から自然保護団体によって指摘され警告されてきたのです。本文の「国有林と自然破壊」では、「残り少ない原生林」「林野行政という名の破壊」「林野庁は自然破壊」という小見出しが踊っています。そして、そこに書かれていることは、今もほとんど変わっていないことにあらためて愕然とさせられました。

 さらに1977年の全国自然保護大会の資料を見ると、大規模林業圏開発計画の問題や取り組みが報告されています。当時は干潟の保護運動に関っていたので大規模林道に関してはあまり鮮明な記憶がないのですが、自然保護団体は30年も前から同じ問題を相手にしているのです。

 日本の自然をボロボロにしたスーパー林道の次ぎに林野庁が考えた山岳道路は、大規模林道(緑資源幹線林道)という、林道とは名ばかりの2車線の立派な舗装道路でした。それを担ってきた緑資源機構が官製談合で解体を余儀なくされた今、「山のみち地域づくり」としてなおも生残ろうと触手を伸ばしています。何がなんでも道路をつけようとする林野庁のあさましさに、この国の腐りきった姿を見る思いです。

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