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2007年12月 8日 (土)

伐採面積の水増し疑惑

 12月7日は、「えりもの森裁判」の口頭弁論でした。

 前回の記事にも書いたように、原告らが裁判を起こす前に情報公開で取り寄せた収穫調査復命書と、被告が裁判に提出した収穫調査復命書は、同じ内容の文書でありながら日付の異なっているという奇怪な事態が生じています。

 もし、日付の異なる同じ文書が二つ存在したのであれば、情報公開の際に二つとも開示されなければなりません。でも、同じ文書が二つあるなんてことは現実的ではありませんね。とすると、どちらかの文書は日付を書き換えている虚偽の文書である可能性があります。どちらにしても、とうてい納得のできることではありません。

 7日の裁判でも、裁判長はこの点について被告に説明を求めたのですが、被告からは「調査する」との返事しか得られませんでした。前回指摘していたことなんですけど、なぜ今回も答えられないのでしょうか・・・。

 さて、今回はパワーポイントを使って、具体的な伐採の実態などについて意見陳述しました。  今回の準備書面ではいくつかの点について具体的に指摘したのですが、ここでは伐採面積の水増し疑惑について説明しましょう。

 私たちが問題としている伐採は、面積が2.4ヘクタールの152林班43小班の中の10伐区で行われた皆伐です。ここでは受光伐(森林の木を抜き伐りして、日陰になっていた若木に光が届くようにして生長を促すこと)を行うとの名目で、376本の立木が収穫調査によって特定され、そのうち262本にナンバーテープとピンクのスプレーが、残りの「玉取り」とされた114本にはピンクのスプレーで印がつけられました。この114本については、ナンバーテープがないので個々の樹の特定はできません。

 ところが、実際には受光伐(択伐)どころか皆伐されていたのです。なぜ、「抜き伐り」の計画が「皆伐」になってしまったのでしょうか?

 被告(道有林の伐採なので北海道)は、376本の伐採を「10伐区」の「2.4ヘクタール」での収穫として特定しています。ところが、保安林内の許可伐採を得るために北海道の保安林グループに提出した書類では、152林班43小班の5.92ヘクタールにおける伐採として許可申請しているのです。

 保安林では、伐採率は30パーセント以内と定められていますので、伐採の許可申請をする際に伐採率を30パーセント以下にしなければなりません。ところが、43小班の蓄積量(森林全体の木材の体積)は1ヘクタールあたり189立方メートルになるので、2.4ヘクタール当りでは453.6立方メートル程度になります。10伐区の収穫木の材積は472.38立方メートルですから、蓄積量より伐採量の方が多いというおかしなことになります。

 蓄積量というのは正確に調査されたものでなく誤差のあるものなのですが、机上の計算では収穫木を伐ったら、10伐区はほぼ皆伐、つまり伐採率100パーセントになってしまうのです。これでは保安林での伐採の許可申請ができません。書類上伐採率を30パーセントにするには、伐採対象地域の面積を水増しして大きくする必要があります。

 このために、保安林伐採の許可申請では10伐区の2.4ヘクタールでの伐採ではなく、43小班全体の5.92ヘクタールでの伐採として申請したと推認されるのです。これは森林法違反にあたる行為です。

 数字操作によって伐採率を調整すれば、保安林でも皆伐ができてしまうことになります。これでは、保安林指定の意味がありません。(つづく)

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