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2007年11月28日 (水)

マスコミの弊害

 昨日のNHKの「クローズアップ現代」には、なんともがっかりしました。

 確かに、退職後の夢を狙っている悪質な出版社がたくさんあり、注意喚起を促したことは意味があります。しかし、約束どおり書店に並ばなかったことを問題にするのであれば、同時に「棚買い」のことや、アマチュアの本がほとんど売れないことも問題にしなければならないでしょう。

 また、著者が費用を負担する出版を指して「自費出版」とひとからげにした表現をつかっていましたが、問題となっている出版形態(いわゆる共同出版・協力出版)は、従来から行われている著者の出版事業(制作や販売)を手助けする自費出版サービス業とはまったく異なる、出版社の事業の契約(商業出版と同様の契約形態)です。

 そうした違いを明らかにしなければ、本来の自費出版も警戒され、自費出版業界全体のイメージの低下につながります。

 商業出版では、本が書店に置かれるかどうかなど確約できるはずがありませんし、出版社主体の事業なのですから、契約書に書店陳列のことまで書く必要もありません。あたかも書店に並べて売れると勘違いさせるような説明や棚買い方式のこと、そして不透明な費用や賞ビジネス、ローンなどを問題にしなければならないはずです。

 今回の放送には、リタイアメント情報センターの自費出版部会が関っているようでしたが、自費出版業界の方たちが複数加わっているこの部会が、番組制作者に対してどのような問題提起をしたのか気にかかるところです。

 新聞や雑誌はこうした出版社の原稿募集広告を垂れ流しにし、被害者の増加に加担しています。そして、テレビは特定の一社の問題ばかりを報道することで、結果としてほかの出版社なら問題がないかのような印象を視聴者に与えています。

 いまや、このような出版形態は業界全体に広まり、多数の出版社が同様のことをやっているうえ、問題のある出版社とそうではない出版社の線引きも困難な状況です。

 マスコミが問題の本質を理解せず、報道姿勢が偏っていたり問題点の認識が甘ければ、被害者の減少にはつなげられないのです。限られた時間の中で、何が問題で何を伝えるべきかの選択や判断を誤ったなら、その影響は計り知れません。

 とりわけ、クローズアップ現代のようなメジャーな番組は、大きな影響を与えることになります。報道の仕方を一歩誤れば、弊害にもなりかねません。

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