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2007年10月19日 (金)

世界ラリー選手権を誘致した毎日新聞社の責任

 今年も、10月26日から28日までの3日間、十勝地方の林道でWRC(世界ラリー選手権)が開催されます。静かな秋の森林を、ラリーカーが時速100キロ以上のスピードを出し、爆走するのです!

 ラリーは林道や公道などで一定間隔をおいて車を走らせ、タイムを競う競技なのですが、その車は改造車です。林道に設けられたスペシャルステージというコースでは、ラリーカーがものすごい爆音をたて、林道をズタズタにして走りまわります。

 このWRCの前身となった国際ラリーを日本に招致したのは、なんと「環境の毎日」といわれている毎日新聞社です。毎日新聞社は将来「世界ラリー選手権」を日本に誘致することを目指し、2001年に十勝地方の林道で「インターナショナルラリー イン北海道2001」を開催しました。主催者である大会運営委員会会長は、毎日新聞社の社長の斉藤 明氏(当時)。そして北海道はこのラリーに2000万円もの補助金を出しました。

 毎日新聞社は、このラリーの実施にあたり自然保護団体の理解を得るために、環境調査を実施してコースを選択しました。たとえばシマフクロウの繁殖地からは5キロメートル、ナキウサギの繁殖地からは3キロメートル、国立公園の特別地域からは10キロメートル離すなどなど。そして、環境NGOなど第三者に対して環境調査結果を公開するなど、さまざまな「環境への配慮」を打ち出したのです。

 もちろん北海道の自然保護団体は、動植物の生息地である森林でラリーを行うことに対し反対の意見を表明したのですが、それを押し切ってラリーが開催されたのです。そして、この国際ラリーは2002年に「アジアパシフィックラリー選手権」に、2004年からは「世界ラリー選手権」へと昇格していきました。

 ところが、2004年になってから、毎日新聞社が「環境への配慮」として定めた基準を守らず、シマフクロウの繁殖地の近くであり、ナキウサギが生息している林道でラリーを行っていたことがわかったのです。この事実に気づいた自然保護団体は、主催者に環境調査報告書の提出を求め、ラリーを支援している北海道や林道を管理する林野庁、環境省などに申入れを続けてきました。

 自ら「環境への配慮」を謳っていた新聞社が約束違反をしていた上、自然保護団体に対して、なんら誠実な対応をしませんでした。十勝自然保護協会では、毎日新聞の不買運動も展開したのです。そして2005年に、毎日新聞社はラリーからの撤退を余儀なくされました。ところが撤退の理由は巨額の赤字を抱えたというものであり、環境問題についてはまったく触れなかったのです。マスコミともあろうものが、なんと無責任なのでしょうか。

 毎日新聞が撤退後、そのあとを引き継いだマスコミは地元紙の十勝毎日新聞社です。十勝毎日新聞は、ラリーの季節になるとかなりの紙面をラリー情報に割いています。環境問題が叫ばれる中で、マスコミが率先してラリーを誘致し、支援することこそ問題ではありませんか!

 日本にラリーを誘致し、定着させてしまった毎日新聞社の責任は、限りなく大きいはずです。このラリー問題については、引き続きもう少し具体的に書いていきたいと思います。

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