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2007年9月25日 (火)

「シッコ」にショック!

 先日、札幌に行ったついでにマイケル・ムーア監督の話題作「シッコ」を見てきました。アメリカでは国による保険制度がないとか、医療費が高いということは前々から聞き及んでいましたが、ムーアが描き出したアメリカ社会に横たわるあまりにも酷い医療や保険制度は、背筋が凍りつくようなすさまじい世界でした。

 とりわけ愕然としたのは、保険会社と医者、政治家の癒着構造です。保険に加入している人が病気になっても、いろいろ難癖をつけては保険の対象外だといって「否認」してしまうのです。「あなたは若いからガンになるはずがない・・・」「既往症があるからダメ・・・」などなど、信じられない理由で「否認」をするわけです。

 その結果、保険金が下りずに高額な医療費を請求されるのですから、たまったものではありません。医療費が払えなくなった患者をタクシーで路上に放置する病院まであるのです。病院が病人を屋外に放り出すなどというのは、ほとんど犯罪行為ではないでしょうか?

 愕然としたのは、保険会社の利益を増やすために、「否認」を多くした医者ほど保険会社から報奨金が出されるシステムになっていることです。そして、国民皆保険制度を避け、民間保険制度を推進した政治家たちは、保険業界から多額の献金を受け取っているという構図。

 似たような構図、どこかの国にもありますよね?! そうそう、私は日本の土建屋と政治家の癒着を連想しました。まるで同じ構図ではありませんか。日本の場合は必要があるとは思えない無駄な公共事業を発注し、政治家が土建業者から政治献金を受けるという構図です。

 談合が発覚した緑資源機構による大規模林道事業では、政・官・民が癒着し、必要もない道路工事で自然が破壊されている構図が浮き彫りになりました。それで被害を受けるのは事業によって壊される自然や税金を払う国民ですが、アメリカでは何と言うことか「人の命」とりわけ「弱者の命」が保険会社と医者、政治家の利益に利用され、食い物にされているのです。「恐るべしアメリカ!」ではありませんか。

 「シッコ」というのは「病気」という意味。つまりアメリカの保険・医療制度は「ほとんどビョーキ」だというのですが、私には「ビョーキ」どころか「犯罪」に思えてきます。  あまりのひどさに呆れたムーアが取材したのは、カナダ、イギリス、フランス。これらの国では基本的に医療費は無料です。それどころか、病院への交通費を患者に支給するところすらあります。さらに敵国のキューバも医療費はタダ。

 日本の保険制度はどうでしょうか? アメリカほどひどくはないものの、国民の負担は増える一方です。介護保険制度だって、結局は厳しい審査と負担増を引き起こしただけです。国民健康保険の保険料を支払えないフリーターやホームレスは、無保険状態に置かれています。生活保護を受けられずに餓死する人までいる国です。何事もアメリカに追随する日本は、「医療費無料」からどんどん遠ざかり、アメリカ社会に近づいているのではないでしょうか。「シッコ」の世界も他人事ではありません。

 そういえば、アメリカで移植手術をするために募金をしている団体などがありますが、巨額の費用がかかることに疑問を持った人も多いのではないでしょうか。医療の技術は進んでいるのに、ゆがんだ医療制度のために、お金のある人しか医療が受けられないということなのですね。「貧乏人の命はどうでもいい」というのがアメリカの政治なのです。

 いやはや・・・。

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