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2007年8月31日 (金)

オニグモの突起の謎

 昨日のつづきで、恵山の話題です。

 賽の河原の歩道の脇に大きな円網がありましたが、クモは網にいません。網の大きさや環境からアカオニグモかキバナオニグモだろうと思ってクモを探すと、網の主は何とオニグモではありませんか。

 オニグモはふつう人家の周辺に生息しているクモですから、エゾイソツツジやガンコウランが群生するところで出会うとは、ちょっと驚きでした。

Esanonigumo  で、そのオニグモを良く見てまたびっくり! 肩(腹部の上部側方)の突起がとても大きくて立派なのです。で、思わず手をだしたら、驚いたオニグモさんにガブリとやられてしまいました。彼女(雌です)は私の手の平に数秒間は牙をつきたてていたでしょうか。何しろ大きなクモですし、毒液をだいぶ注入されたようですから、これはしばらく痛むだろうと覚悟しました。でも、そんな心配をよそに、結局は痛みもしびれもせずに終わりました。大きなクモの場合、種によってはしばらくズキズキと痛むことがあるのです。

 さて、私が日ごろ見ている北海道東部のオニグモは、不思議なことに肩に突起がほとんどありません。特に成体の雌は、全体に丸みのある腹部をしています。ところが、クモの図鑑でオニグモを調べると、明らかに肩に突起があります。つまり、オニグモの肩突起は地域によって変異があるのです。そして、恵山のオニグモは、非常に大きな肩突起を持っていました。いつも見慣れているオニグモの肩とまったく違うのです。オニグモの仲間には肩に突起をもっている種がいくつかありますが、こんなに種内変異が大きい種はほかにはいないのではないでしょうか?

 ここで、はたと考えてしまいました。そもそも、オニグモ類の肩の突起はどのような意味があるのでしょうか? こんな立派な突起をもつようになったからには、何か理由があるはずです。そして、突起がないというのも理由があるのでしょう。しかし、これがなかなか難問・・・。

 同じ北海道でありながら、恵山と道東のオニグモでは、どうしてこんなに形態が違うのでしょうか? そういえば、眼下の津軽海峡の向こうに下北半島がよく見ます。もしかしたら、ここのオニグモは道東より本州との関連性の方が強いのか? すぐ近くに見える下北半島を見ていると、そんな考えが頭をよぎります。

 もし道南のクモが、地続きの道東のクモより海峡を隔てた本州のクモとより遺伝的に近縁であれば、北海道のクモの分布を考えるうえでとても面白いことになります。DNAを調べたら、近縁関係がわかるかもしれません。

 恵山で見つけた一頭のオニグモを見て、そんなことを考えてしまいました。

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