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2007年8月10日 (金)

屈斜路湖畔の違法伐採はなぜ起こったのか?

 7月中旬に、阿寒国立公園の屈斜路湖畔の原生林で違法伐採が行われていたことが大きく報道されました。北海道では、えりもの道有林の皆伐が裁判になっているほか、道南の上ノ国町のブナ林(国有林)で違法伐採が行われたとして刑事告発されるなど、伐採のあり方が問われている中での発覚です。

 伐採現場は国有地と民有地にまたがっているそうですが、国有地の方は国立公園の第1種および第3種特別地域に指定されているところです。第1種特別地域は、特別保護地区の次に規制の厳しい地域で、伐採率は10パーセント以下とされています。そこで、こんな違法伐採が行われたのですから、とんでもない自然破壊行為です。大雨が降れば、湖に土砂が流入してしまうでしょう。

 新聞報道によると、直径1メートルを超える大径木が多数伐採されていたとのことです。また、写真を見る限りでは、高価な広葉樹が多数伐採されているようです。北海道新聞によると、伐採した業者は、「どんなに大きな木でも、中が腐っていたり、曲がりがあったりする木が多かった」として、主にチップ材として売却されたと話したそうですが、さてさて、本当のところはどうだったのでしょうか? 少なくとも、チップ材目的で伐採したわけではなかったはずです。

 とにかく、こんなひどい伐採をした業者は森林窃盗の疑いが持たれて当然ですが、不思議なのは、なぜもっと早い段階で行政がチェックできなかったのかということです。違法伐採は何と2002年ころから行われていたというのですから、かれこれ5年間も発覚しなかったのです。これはかなり驚くべきことです。

 業者は弟子屈町に伐採許可を申請したとのことですから、町は申請を許可する前に、所有者や現地を確認すべきだったでしょう。しかも、対象地域には道が指定した防風保安林20ヘクタールが含まれていたというのですから、それも確認せずに許可を出したというのはずさんとしかいいようがありません。保安林の伐採には道の許可が必要なのです。

 それとともに、湖畔のすぐ近くの第1種特別地域が伐採されているのに5年間も気づかなかったという環境省にも呆れてしまいます。現場近くの川湯には、環境省の「川湯自然保護官事務所」があり、自然保護官が常駐しているのです。職員は5年もの間、だれひとりこの違法伐採に気づかなかったのであれば、日ごろ何を見ていたのか?と問いたくなります。

 昨年の8月に、道有林で保安林での違法伐採が過去5年間で44件もあったことが報道されました。これは、申請時に面積要件の確認を怠ったことが原因とされています。今回の違法伐採でも行政のチェック体制のお粗末さが露呈してしまいました。

 行政は公共の財産を管理しているのですから、もっと責任感をもってもらいたいですねえ。

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